こんにちは。steamc1awです。
秋の登山シーズンも終わろうかという2022年の10月末、土日いずれも晴れの予報が出ていたので、月初に断念したテント泊登山に出かけることに。もうアルプスの山々には雪が積もり始めていたのでテント場の予約にも困ることなく、穂高連峰にある西穂山荘を確保することに成功。
ここから西穂独標そしてその先、穂高連峰の一角となる「西穂高岳」に登ってくることにしました。西穂独標から先、西穂高岳の山頂までは長野県のグレーディングで難易度レベルDの評価を受けている比較的難易度の高い区間だとは知っていましたが、予想以上に歯ごたえあるコースでした。
山名 | 西穂高岳 |
山域 | 穂高連峰 |
標高 | 2,906m |
登山日 | 2022年10月29日、30日 |
天候 | 曇りのち晴れ |
備考 | 花の百名山 |
テント泊で上高地から登る西穂高岳の魅力
- 上高地を散策してから登山開始できる
- 丸山から眺めるアーベントロートとモルゲンロート
- 西穂独標から西穂高岳山頂まで時間に余裕をもってアタック
- ロープウェイを使わなかったという優越感😂
西穂高岳について
西穂高岳は、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる標高2,909mの飛騨山脈(北アルプス)南部の山である。上高地や東西の方角から眺めると鋸歯状に岩稜が連なる山容が特徴である。従来周辺の山全体が穂高岳と呼ばれていたが、1909年に槍ヶ岳から穂高岳に初縦走を行った鵜殿正雄が、穂高岳のそれぞれのピークの山を北穂高岳、前穂高岳、奥穂高岳、西穂高岳と名付けた。
Wikipediaより
計画した登山ルート
西穂高岳は、北アルプスは穂高連峰の南西端に位置する山。アプローチするためには奥穂高岳からジャンダルムを経て南下してくる縦走ルートと、西穂山荘から北上するルートがありますが、前者のジャンダルムは北アルプスの中でも屈指の高難易度区間として有名であり、今の経験・技術・体力では墜落死する未来しか見えません。
本当はせっかく泊まり登山するなら初日に焼岳を登ってから西穂高岳方面に向かいたかったのですが、上高地から焼岳へのルートは冬季閉鎖中。中尾高原口からのルートも、こちらは災害復旧工事のため閉鎖中と、アクセス不可能なため断念し、西穂高岳へのピストン登山に決定。
あとは西穂山荘に上高地から徒歩で登っていくか、新穂高温泉から新穂高ロープウェイで登っていくか(厳密にいうと新穂高からも徒歩で登ってこられますが)の選択となり、積雪もないのにロープウェイを使うのは何かに負けた気がするという適当な理由で上高地からの入山に決定です。
総歩行距離 | 18キロメートル前後(*1) |
総獲得標高 | ⬆1,733メートル | ⬇1,743メートル |
標準コースタイム | 12時間30分ほど(ヤマケイオンライン) |
危険箇所 | 西穂独標から先が険しい岩稜 |
上高地へのアクセス
登山口となる上高地ですが、通年でマイカー規制が敷かれているため、自家用車利用での直接アクセスは不可。付近にある沢渡または平湯の駐車場からシャトルバスに乗っていくというパーク・アンド・ライド方式によるアクセスとなります。
自家用車によるアクセス
パーク・アンド・ライドするための駐車場は沢渡にある沢渡駐車場、または平湯温泉にある市営あかんだな駐車場を利用することになります。関東近郊からアクセスする場合、沢渡駐車場のほうが20~30分ほど手前にあるので、まずは沢渡を目指すことになるでしょう。
駐車台数 | 200台前後 |
駐車料金 | 700円/1日 |
トイレ | 公衆トイレあり |
座標 | 36.16579007097205 | 137.6530142298243 |
今回利用したのは沢渡エリアに10以上ある駐車場のうちの市営第二駐車場。ここのメリットは駐車場のすぐ隣に足湯を併設した公衆トイレがあることですかね。車中泊の前に利用するもよし、下山後に疲れを癒やすもよし。なおバスターミナル最寄りはお隣の第三駐車場となります。
ハイシーズン時は大混雑だという噂の沢渡駐車場ですが、さすがにこの季節はバスターミナル最寄りの第三駐車場ですら半分埋まっているかいないか、という程度でした。
公共交通機関によるアクセス
公共交通機関でアクセスする場合は、(1)鉄道または高速バスで松本駅、そこから松本電気鉄道で新島々駅、さらにそこから路線バスを使うか、(2)新宿バスターミナルや東京駅から直行の毎日あるぺん号・さわやか信州号を使うか、のいずれかになるかと思います。
新宿駅から松本駅への高速バスには夜行便が設定されていないので、前泊前提でなければ直行バス便の一択になるでしょう。例えばアルピコ交通の運行するさわやか信州号であれば、新宿バスターミナルを22時25分に出発して翌5時20分に到着する便があるので、朝一番から行動することができます。
また、直行バスの場合、帰りも16時10分に上高地発の直行バスが出ていますので、今回のような西穂山荘宿泊の西穂高岳ピストン登山という行程であれば余裕をもって帰ってこられるはず。一方で日帰りはあまり現実的でないでしょうね。
西穂高岳山行の記録
上高地にて大正池、田代湿原散策
先に書いたとおり、もともと焼岳に登っていきたいと思っていたので、初日に西穂山荘に登っていくだけというのも寂しいなと上高地を散策していくことに。西穂山荘への登山口の最寄りバス停は帝国ホテル前ですが、その手前の大正池バス停で下車します。
大正池は、活火山である焼岳が1915年に噴火したことで、梓川が堰き止められて形成されたという池。写真愛好家にも人気のスポットのようで、始発近いバスに乗ってきたというにも関わらず、大勢のカメラマンが三脚を立てての撮影に勤しんでいました。
まだ陽が出てからそれほど経ってないというのに、すでに焼岳から西穂高岳にかけて濃厚なガスが稜線をこえて流れ込んできているのが気になりますが…🤔
大正池から先は田代湿原となりますが、まだ陽が登りきっていないので暗く、あまり見栄えの良い写真は撮影できず。ここは上高地の谷間にも陽がさすような時間帯になってからのほうが写真撮影には向いているかもしれません。
湿原を抜けて梓川沿いをテクテク歩いていくと、田代橋を越えて西穂登山口です。小さな東屋があるので、軽く朝食をとることに。ここでは登山届の記入・提出もできます。穂高連峰は長野県登山安全条例で登山届の提出が義務化されているので、忘れないようにしましょう。
西穂登山口から西穂山荘
ここからは西穂山荘に向かって登っていきますが、只ひたすら樹林帯のなかを登っていくだけの単調な登山道です。コースタイムでいうと3時間30分ほどと、それなりの距離はあるのですが、紹介できることは然程ありません。
まずは中尾根を目指して、丸山の南東斜面を登っていきます。ここはちょうど東からの陽ががさしてきていて気持ちいいのですが、たまに木々の合間から霞沢岳や焼岳がちらちら見える他は展望なし。
登山道自体は階段などよく整備されているのですが、テント泊装備を背負っていることもあり、メンタル的には結構キツい登りでした。せめて途中どこかから上高地を見下ろしたり、梓川を挟んだ霞沢岳あたり見渡せたりすればちょっとは違うんでしょうけどね😥
しばらく登っていくと中尾根に乗り上げますが、尾根といっても相変わらず樹林帯の中なのは変わらず。むしろ斜面沿いではなくなったため陽が届かず、さらに玄文沢方面から風が絶えず吹き上げてくるおかげで寒いくらいです。先ほどの登りで脱いだアウターシェルを再び着込む羽目に。
中尾根沿いに若干のアップダウンがある道を進んでいくと、宝水に到着。西穂山荘ができる前は貴重な水場だったのでしょうが、水量がめちゃくちゃ少ない(500mlペットボトルを満タンにするのに1分かかりそう)ので、緊急事態でもなければさっさと山荘を目指したほうが早いかな💧
そこからは再び登りですが、高度を稼いでいくにつれ陽がささなくなり、ついにはガスの中に突入。上高地にいた時点で結構ガスが流れてきていたので心配ではあったのですが、果たして西穂山荘のあたりはどうなっていることやら気をもみながらの前進です。
どこかでガスの上に抜けてくれるんじゃないかと薄い期待を抱いていたのですが、登るにつれてガスは濃くなるばかり。あとはもう淡々と歩いて焼岳からの縦走路の分岐を通過し、西穂山荘に到着です。
西穂山荘にて宿泊
西穂山荘は2,367メートル地点にある山荘で、新穂高ロープウェイ経由の登山ルートとの合流地点。上高地側からは先行ハイカーが3組、下山してくるハイカーも4~5組ほどしか見かけませんでしたが、やはりロープウェイで登ってくるハイカーが多いらしく一気に賑やかになりました。
営業期間 | 通年 |
定員 | 300名(コロナによる定員制限前) |
テント場 | 20張り程度 |
宿泊料金 | 小屋泊:素泊まり10,000円/人から テント泊:2,000円/人 |
山荘に到着はしたものの、相変わらず切れ間もないほどのガスの只中。望遠レンズを持ってきているので雷鳥でも探そうかと思い小屋で聞いてみたところ「最近は雷鳥減ってますからねえ、いるとしたら独標の先だと思いますよ」とのこと。
この日は足を伸ばしても丸山までだと思っていたので、手持ち無沙汰になってしまいました。仕方ないのでテント設営後は持参したお昼ごはんを食べ、夕方にアラームをセットして昼寝休憩です。
なお、もうかなり冷える季節になっているので、朝方に降りた霜でテント場が泥濘になっていないか気がかりだったのですが、そこはギリギリ大丈夫でした。
起床したのは16時頃だったか、テントから身をのりだしてみると、相変わらず上空はガスに覆われているのですが、方角によってはガスの晴れ間が見えるようになっていました。急いでアタックザックに三脚を突っこんで丸山方面へ。
西穂山荘から丸山へは、大きな岩が転がる登山道を登っていくとすぐ。昼間はガスが濃くてわかりませんでしたが、西穂山荘が森林限界のほぼ直下にあるので、少しだけ登ればすぐにハイマツ帯です。
まだ完全にガスが晴れたわけではなく、東の霞沢岳方面は比較的よく見えますが、反対の笠ヶ岳方面はまだ雲が厚く垂れ込めたまま。そのガスが稜線に吹き上げてくると、ついさっきまで見えていた霞沢岳もまた見えなくなる…という繰り返しでしたが、陽が落ちるにつれだいぶ収まってきました。
すっかり暗くなるまで嫁さんと夕焼けを眺めていましたが、さすがに寒くなってきたところで西穂山荘まで下降。昼はどうなることかと思いましたが、明日の天気は期待できそうだという安堵感とともに就寝することができました。
西穂山荘から西穂独標
翌日は日出が6時という予報だったので、5時30分頃に西穂山荘を出発し、丸山あたりで御来光を迎える計画で行動開始。小屋を出た直後は真っ暗でしたが、丸山手前の肩部まで乗上げると、もう空がうっすら明らみはじめてました。
丸山までのハイマツ帯にはところどころ東側をよく望むことができるポイントがあるのですが、すでに何人かのハイカーがご来光を待ち構えていました。三脚を構えた人たちも数名。我々も丸山直前のエリアで日が登ってくるのを待つことにします。
この日はちょうど朝日が登ってくるあたりに雲が漂っていて、ご来光撮影するのにはベストコンディションでありませんでしたが、それでも清々しい朝を迎えられて満足。まずは標高2,452mの西穂丸山を通過して西穂独標に向かいます。
丸山から先ですが、しばらくうねうねしたガレ気味の斜面を登っていきます。ガレているとはいえ傾斜は緩やかなので、落石や滑落の心配はなし。初心者ハイカー、なんなら観光客でも十分に登ってくることができる道です。
振り返ると、焼岳、乗鞍岳そして霞沢岳が朝日に照らされ始めているのが見えます。向かって左手には標高2,898メートルとなる笠ヶ岳。山頂までの最短ルートとなる笠新道の急勾配が有名ですね。ここからはずっと、この笠ヶ岳と並走しながら登っていくことになります。
ガレた道を登りきると、間もなく独標への最後の登り。ここは距離こそ短いですが、やや急陵な岩場となっているので、ロープウェイ頼みでやってきた軽装の観光客だと怖じ気付いてしまうかもしれません。我々が帰りに通過したときも「私はもう無理だから先に行ってて」と相談しているハイカーさんと遭遇しました。
西穂独標は2,701メートルの岩峰で、穂高連峰から西穂高岳の先まで続いている岩稜の南端となります。つまりここから先はずっと険しい岩稜帯ということ。この西穂独標までで引き返す人も多いそうですが、さすがにこの時間に行動している(=西穂山荘宿泊)人たちは我々含めて全員が独標を通過。
ここからは背後の上高地、焼岳、乗鞍岳はもちろんですが、ギザギザの岩稜が幾つも連なった先の西穂高岳、そしてその先の奥穂高岳、前穂高岳まで続くパノラマビューを楽しむことができます。この景色がロープウェイに乗ってきて楽しめるのだから、人気スポットだというのも納得。
西穂独標から西穂高岳主峰
西穂独標から進もうとすると、岩稜の下りに雪が残っているという早速の難所。先行するお爺ちゃんハイカー(なんでも前々日は燕岳に登っており、下ってきたその足で車を走らせ西穂山荘に昨晩やってきたのだとか…何とも羨ましい😂)もおっかなびっくりな様子で下っていきます。
西穂高岳は11のピークからなっており、先ほど通過した西穂独標が11峰。つまり西穂高岳(=1峰)へは岩稜の登り降りをあと10回繰り返さなければなりません。僕個人は180センチの身長のおかげでゴリ押しして進めるのですが、155センチほどの嫁さんは、かなり苦戦している様子。
ちょっと嫌らしいなと思ったのは9峰を通過した先の下りにある痩せ気味の岩尾根。鞍部の手前に、突きでた岩を向かって左手に回り込んで進まなければならないところがあるのですが、180センチある自分でも「うーん、ちょっと頑張らないと届かないな」というところに足場がある感じ。
ただ、復路に登り返したときはそんなに難しいとも感じなかったので、足の置場がないというより、見下ろす視線になることで足場が見つけづらいというのが正確かもしれません。
ここさえ通過してしまえば、高度こそ稼がされますが、ピラミッドピークまではそう遠くありません。ただの8峰ではなくピラミッドピークという固有名がわざわざ与えられていることからもわかるように、均衡の取れた三角形が目立つピークです。
ピラミッドピークからはついに、目指す西穂高岳主峰までがよく見渡せるように。次に目指すのは西穂高岳主峰の手前で存在感を放っている4峰「チャンピオンピーク」となります。
ピラミッドピークが8峰なので、ここから7峰・6峰・5峰と越えていかねばなりませんが、いずれも大きなピークではないうえに、確か7峰と5峰は西側をトラバースするように登山路がつけられているので、それほど登り下りに難儀する区間ではありません。ただ、相変わらず高度感ある狭い道が続くので、精神を緩ませないよう注意して進みます。
登山道は5峰のやや手前あたりからチャンピオンピークを目指して本格的に登りはじめ、チャンピオンピーク手前はガレた斜面となっています。登山道は九十九折につけられており、滑落の心配はあまりありませんが、不注意で落石を発生させてしまったので、皆さんも注意してください….😰
チャンピオンピークまでくれば、もう西穂高岳主峰は目と鼻の先。ピラミッドピークの先と同様、3峰と2峰も登頂するのではなく岐阜側を巻いていくのでアップダウンは少ないですが、ガレ気味のところが多いので、石に毛躓いたりしないよう注意して登っていきます。
主峰直下はさすがに手強い登りが待っており、手も使ってしっかり慎重に進んでいく必要あり。通常であればこういうところはクサリが設置してあるんでしょうけど、西穂高岳周辺は落雷が多いことを考慮してクサリをあまり設置しない方針になっているようですね。
なお、この西穂高岳では西穂独標付近にて、長野県の高校生パーティが落雷に遭遇し11名が死亡(9名感電死、2名転落死)、12名が重軽傷を負うという大規模な遭難事件が発生していますので、気象条件には十分注意したいところ。羽根田治氏のドキュメンタリー本でも取り上げられています。
西穂高岳は岩稜上にあるので当然といえば当然ですが、主峰山頂は狭く、あまりのんびり休憩できる場所ではありません。混雑している場合は、間ノ岳方面に1つ先の小ピークまでは安全に進めそうですので、そこで休憩するというのもアリかもしれませんね。
南への展望は、これまで登ってきた西穂高岳の小ピークの数々と焼岳、乗鞍岳。東には今まで並行してきた笠ヶ岳。そして正面には間ノ岳、ジャンダルムをへて奥穂高岳と前穂高岳という陣容。遠くには槍ヶ岳や北アルプス裏銀座の山々まで望むことができます。
西穂独標からの展望も良かったですが、槍・穂高連峰やその先の北アルプスまでの眺めは主峰まで来なければ得られませんから、岩稜のアップダウンを越えて遥々やってきた甲斐もあるというものです。
本当はもう少しのんびりしたかったのですが、テントを張ったまま出てきてしまっているうえに予想タイムより遅れているため、一通り景色と写真撮影を楽しんだあとは下山に取り掛かります。
西穂高岳主峰から上高地に下山
ここからは来たコースを戻っていくだけ。往路よりも下りが多くなるのですが、ここまでで岩場に慣れてきたということもあり、怖いと感じる箇所はほとんどなく、ぼちぼちのペースで進むことができたんじゃないかと思います。
もちろん、すぐ下に掲載した写真、主峰直下のような急傾斜地や、痩せた道などは慎重に進んでいく必要がありますが、コースタイムどおりの1時間30分ほどで西穂独標に到着。
チャンピオンピークあたりから、日帰りでやってきたのであろうハイカーとすれ違うことが多くなり、戻ってきた頃には西穂独標は10人を超えるハイカーでごった返していました。大多数は登山装備でしたが、中にはカジュアルな服装の若者集団もいたりして、観光地ちっくな雰囲気も感じます😅
西穂山荘には正午過ぎに到着。朝にはスカッと晴れていたのですが、西穂高岳主峰に到着したあたりから雲が増えてきて、戻ってきた頃には山荘は再びガスに包まれつつありました。
皆さん前日のうちに西穂高岳へのアタックは済ませていたのか、テント撤収後に荷物を山荘に預けて登っているのか(といっても同時期に登っていたハイカーは5組しか見かけませんでしたが)、戻ってきた頃には我々のテントのみが残されている(あと新規のテントが1張り)という寂しい状況💧 そそくさと撤収して上高地に向かいます。
ここからは樹林帯の中を淡々と下っていくのみ。2時間とかからずに西穂登山口に到着です。
上高地に下降してからは上高地バスターミナルを目指して、観光客に混じってテクテク歩いていく。この2022年の10月は新型コロナウイルスに伴う入国規制が緩和されて然程まだ時間がたっていない頃でしたが、もう大勢の外国人観光客(主にアジア系)が居て、上高地の人気っぷりを実感。
梓川沿いを歩きながら左手に西穂高岳がみえたのですが、雲が覆いかぶってきており、この調子だと遅くにやってきた人たちはガスにまみれながらの西穂高岳登頂になっていたかもしれません😢
上高地バスターミナルには15時頃に到着。上高地から松本行きの路線バスは沢渡バスターミナルに停車せず、沢渡大橋バス停から10-20分ほど駐車場まで歩く必要があるのですが、運良く丁度出発するところだった沢渡バスターミナル行きのシャトルバスに乗車することができました。
テント泊で上高地から登る西穂高岳の感想
ということで、西穂山荘テント泊による西穂高岳の山行記録をお届けしました。
景色はもちろんですが、心臓が震えあがるほど難しいわけではない、ちょうど良い難易度の岩稜が続いていくので、歩いていて楽しい山だなという印象。最初はビビリあがっていた嫁さんも、復路には楽しかったと言い始めていたので、岩尾根入門としては悪くないかもしれません。
やろうと思えば上高地から、新穂高ロープウェイから、いずれでも日帰りができないことはない山ですが、西穂独標から先は決してサクサク登れるような区間ではないので、時間と精神に余裕をもって登るためには西穂山荘で宿泊するのがオススメかなあと思います。
一方で、上高地から登る必要性は、正直あまり感じなかったですね。我々のように体力練成を兼ねてとか、日帰りのために早い時刻から行動開始したい(始発バスを使えば1時間ちょっと早く西穂山荘に到着できる)とか、観光を兼ねて上高地で前泊したいとか、そういう事情がなければ新穂高ロープウェイで何ら問題ない…というか、そちらのほうが展望は楽しめるのではないかと思います。
山行当日の装備
この日は西穂高岳山頂にて最低気温マイナス9℃、最高気温1℃、風速6-10メートル/秒という予報。もはや軽々しい装備でテント泊に出かけられる気候ではないので、手持ちのなかから最も耐寒性があるだろうという装備をフル動員して臨みました。
おかげさまで行動中は寒さをさほど感じずに過ごすことができましたが、テント泊装備はまるで性能不足。使っているスノーピーク謹製シュラフBACOO 350が下限温度1℃なので覚悟はしていましたが、全ての服を着込んでホッカイロを貼り付けても、暖気が全て吸い出されていくような感覚。凍えるほどではありませんが快適からは程遠かったので、これは来年に向けてシュラフ買増し濃厚です😇
もしテント泊しない場合はもう少し軽装でも登ってくることは可能そう。上高地から西穂山荘までの樹林帯は、風さえなければ秋冬用ミッドレイヤーのドラウトクローや、場合によってはベースレイヤーだけで行動できました。
また、この山行の1週間ほど前に西穂山荘でも10センチほど積もる降雪があったとのことだったので、念のため軽アイゼンとチェーンスパイク両方持参しましたが、この日までの好天でほとんど溶けてしまっており、使うほどの場面はありませんでした。
登山道具
ベースレイヤー | finetrack ドライレイヤーベーシック finetrack メリノスピンライト |
ミッドレイヤー | finetrack ドラウトクロー Arc’teryx ATOM AR フーディ |
アウターレイヤー | Arc’teryx RUSH ジャケット |
パンツ | ワコール CW-Xスポーツタイツ Arc’teryx GAMMA AR パンツ |
アクセサリ | Mammut Astro Guide Glove |
シューズ | Salomon X ALP MID LTR |
リュックサック | Osprey Aether Pro 70 The North Face Martin Wing 16 |
宿泊装備 | Snowpeak FAL 3 Snowpeak BACOO 350 |
撮影道具
カメラ | Sony a7R III Sony a7 II Olympus OM-D EM1 Mark2 ×2 |
レンズ | Zeiss Batis 2/40 CF Laowa 10-18mm F4.5-5.6 Zoom M.Zuiko DIGITAL ED 12-100mm PRO Leica DG VARIO-ELMAR 100-400mm |
アクセサリ | SLIK Sprint MINI II |
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