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【ヘッドホン比較】Cocoiro Rainbow : ヤマノススメ

こんにちは.steamc1awです.
2020年はコロナ流行のおかげで4月から6月という低山ハイクのベストシーズンが潰れてしまいましたが,とりあえず夏山シーズン解禁となりましたね.梅雨さえ明けてくれれば.

ということで,ハイキングを題材とした漫画・アニメ『ヤマノススメ』セカンドシーズンのエンディング曲である『Cocoiro Rainbow』を手持ちのヘッドホンたちで聴き比べてみたいと思います.

目次

『Cocoiro Rainbow』の聴きどころ

今回取りあげる『ヤマノススメ』は,2010年頃から増えてきた感のある「おっさん趣味を萌えキャラに楽しませる」というタイプの漫画作品.

ちょうど山ガールなんかが流行っていた頃だったように思いますし,舞台となった飯能市やアウトドア用品メーカー・販売店とのコラボレーションも頻繁に行われていたので,この手の作品のなかでは比較的露出の多かった作品なのではないかと.

今回の題材『Cocoiro Rainbow』ですが,その『ヤマノススメ』TVアニメ版のセカンドシーズンエンディング曲となります.

シーズン後半になってからのエンディング曲で,晩夏から秋にかけての放映だったように記憶していますが映像では雨上がりの虹がフィーチャーされており,どちらかというと梅雨・初夏の曲というイメージが強いかな.

軽快なリズムにヴァイオリンが印象的なポップス.鳴海杏子さんの本職は声優でヤマノススメセカンドシーズンでもモブキャラの声を担当されてますが,伸びやかな歌唱で量産型の声優ソングからは一線を画しています.

まずは日常系の萌えアニメということから快活さを,山登りという題材からは開放感を,そしてエンディング映像のイメージからはしっとりした音色を期待したいところ.

PICK-UP HEADPHONES

比較対象したヘッドホン13機種の中でも,特に期待したイメージどおり鳴らせているなと思ったものをピックアップしました.

GRADO LABS SR325e

ロック・メタル向けヘッドホンとして有名なグラド・ラボのミッドレンジモデル “GRADO LABS SR325e”.ドライバ経を40mmから50mmに大型化したSR325「e」世代になって低音が強化されましたが,もとは高音の美しさでならしたヘッドホンでした.

そのポテンシャルはこの『Cocoiro Rainbow』で存分に発揮されていて,まずヴォーカルとヴァイオリンの伸びやかさ,そして透明感が素晴らしい.さらにグラド製ヘッドホン特有の突き抜けるような開放感.雨あがりの草原に青空が広がったかのような爽快なサウンドを奏でてくれます.

SR325「e」になって大型化されたドライバがパーカッションを小気味よく鳴らしてくれるおかげで,秋や冬ではなく初夏というイメージにドンピシャで当てはまり,いつまでも聴いていたい心地よさですね.

SENNHEISER HD800

ファンから「まるで小宇宙のよう」と形容される音の広がりが特徴となるゼンハイザー謹製の前世代フラッグシップ機 “SENNHEISER HD 800” (現行モデルは“HD 800S”)

いわゆるHiFiな高性能さを感じさせつつもAKG K812のようなコッテリ高解像度傾向ではなくサラッとしたサウンドです.低音域の主張は弱めですが中音域がしっかり前に出てくるので,初夏の緑のような華やかさがありますね.

そして他機種を凌駕する音像の広さ.SR325eが「草原の只中で聴いている」ようなスケール感があるとすれば,このHD800は「アルプスの山々を眺めながら聴いている」ようなスケール感があると言いましょうか.まだ見ぬ山に思いを馳せる…そんな冒険心くすぐられる音に仕上がっています.

一般的にいうとアニソンにおいてHD800の音像の広さ(≒音の遠さ)はマイナスに作用することが多いのですが,この曲は管弦楽器が入っているほか,ヴォーカルの歌唱もゆったり気味なので,そこでうまく全体の調和がとれていると感じました.

その他のヘッドホンのインプレッション

ピックアップしたヘッドホンの他には同じグラド・ラボのGH1がExcellent入り.FOCAL ELEARも予想していた音ではありませんでしたが,どこかアンニュイさが感じられるサウンドが梅雨どきらしくて気に入りました.

Excellent評価ではありませんが,SENNHEISER HD700も隙のないサウンドが好印象でした.伏兵だったELEARはともかくとして,あまり音を響かせずに開放型らしく鳴らすヘッドホンのほうが向いているのかもしれません.

こんな感じでカテゴリ分けしています.
EXCELLENT ➡ イメージに近いサウンド.おすすめ.
GOOD ➡ 完璧ではないが,じゅうぶん満足できるヘッドホン.
FAIR ➡ イメージからの乖離が大きいヘッドホン.不向き.


EXCELLENT😍

機種コメント
GRADO LABS
SR325e
ピックアップコメント通り.
まさに求めていたサウンド.脱帽というほかありません.
SENNHEISER
HD800
ピックアップコメント通り.
このスケールの大きさは登山というテーマにうまくマッチしています.
GRADO LABS
GH1
SR325eと似た傾向ですが,こちらのほうが音色に暖かみがあるぶん透明感に欠けます.ですがこの暖かさは『ヤマノススメ』のテーマの1つである「友情」をどこか感じさせますね.
FOCAL
ELEAR
中低音の押出しや刺激が強めのヘッドホンなのでこの曲にはどうかなと思いましたが,薄くヴェールがかかった音がどこか梅雨時の気怠さを感じさせ,意外とハマっています.鳴海さんのヴォーカルもどこか囁いているような不思議な魅力がある.

GOOD 😊

機種コメント
SENNHEISER
HD700
これといった特筆点はありませんが,低音域から高音域までバランスよく鳴らしてくれます.全音域に渡って賑やかなのに破綻のない音に仕上がっているのは流石.
SENNHEISER
HD650
GH1と同様にHD650の柔らかく優しい音色は,友情絡みの作中シーンを思い出させますね.意外と音の篭もりは感じませんが,もう少し音色の鮮やかさが欲しいところではあります.
AKG
K701
中低音が控えめなぶん,とても軽快なサウンド.明瞭でパリッとした音色なのでしっとりさは控えめで,どちらかというと春から初夏にかけてというイメージかな.音色だけならかなり良いです.
PHILIPS
Fidelio X2
快活さという点では文句なし.転がるようなリズムと暖かみある歌唱が印象的.ただ,元気さが突き抜けすぎていて梅雨時というよりも春または盛夏という印象のサウンドになっていますね.
beyerdynamic
DT990 PRO
ドンシャリ傾向のヘッドホンですが,シンバルなどの高音域が少ない曲のため癖は控えめ.ややベースの押出しが強いですが,それ以外は伸びやかかに鳴らしてくれます.
audio-technica
ATH-AD2000
全体的に押出しが強めですが,ヴォーカルは伴奏に埋もれることなくしっかり主張しています.反響がやや強調されていて籠もり気味に感じるので,そこはこの曲とあまりマッチしていないですね.

FAIR 😞

機種コメント
AKG
K812
曲を聴いているというより「音の組合せを聴いている」ような違和感があって好きになれず.分離のよさが裏目に出ているというか.ヴォーカルや各楽器のパートの音自体は良いんですけど.
SENNHEISER
HD25 Alum.
ゼンハイザーの兄弟機が健闘するなか,この体たらく.音色が乾き気味でしっとりさがないことと,ベースの主張が過剰すぎ.完全にバランス崩壊しています.
ULTRASONE
PRO2900
ご自慢のS-logicによる独特の音響ですが,この曲には向いていないという一言に尽きます.ベースの主張はHD25ほどではありませんが曲をかけて一瞬で違和感を感じるのはアウト.

更新履歴と上流機材

ヘッドホンのインプレッション追加履歴および,その際の使用機材の一覧です.

日付更新内容
2020年7月18日初版アップロード.使用機材:
Raspberry Pi 3 ➡
ONKYO DAC-1000 ➡
Burson Audio Soloist SL Mk.2
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