こんにちは。steamc1awです。
しばらく膝の調子がよくなく、痛くなったり治ったりを繰り返しているため、リハビリというか軽めの負荷をかけるところから…ということで、久しぶりの登山として山梨県にある日本百名山の一座「大菩薩嶺」に登ってきました。
都内から気軽にアクセスでき、かつ上日川峠から周回する代表的なルートであれば4時間もかからず行って帰ってできるため、百名山の中でも特に人気の山。普段は寄り道をして長めのコース設定にするのですが、今回は基本の周回ルートを忠実になぞって登ってきました。
山名 | 大菩薩嶺 |
山域 | 奥秩父山塊、大菩薩連嶺 |
標高 | 2,057m |
登山日 | 2024年5月18日 |
天候 | 晴れ |
備考 | 日本百名山、山梨百名山 |
北八ヶ岳ロープウェイで登る大菩薩嶺の魅力
- 首都圏から最も手軽に登頂可能な百名山の一つ
- 高尾山並の手軽なコース長ながら、見晴らしのよい稜線歩きを楽しめる
- 大菩薩湖越しに望む富士山は絶景
大菩薩嶺について
大菩薩嶺(だいぼさつれい)は、山梨県甲州市と北都留郡丹波山村に跨る標高2,057mの山。深田久弥の日本百名山には「大菩薩岳」の項で取り上げられている。山名の「大菩薩」の由来には諸説あるが、『甲斐国志』によると後三年の役で東征した源義光(新羅三郎)が道に迷っていたところ、樵夫が現われてこの峠まで導いたところで消え去ったといわれ、そのとき義光が「八幡大菩薩」と唱えて神の加護に感謝したことに由来するという。
Wikipediaより
計画した登山ルート
大菩薩は百名山の中でも特に人気の高い山ですが、その大きな理由の1つが標高1,600メートルからアクセスできる上日川峠からのルート。この他には上日川峠の道路開通まで利用されていたという、裂石から丸川峠を経由するクラシックルートもあります。上日川峠を貫く山梨県道218号大菩薩初鹿野線が冬期閉鎖になるため、冬期登山する場合には今でも多くの人に選ばれるルートですね。
大菩薩嶺の東側、奥多摩方面の小菅から登ってくる小菅大菩薩、牛ノ寝通りというルートもありますが、短いほうの小菅大菩薩ルートでもマイカー利用で片道7.5km、バス利用だと12.4キロというなかなかのロングコースであり、あまり利用されているイメージはありません。北側の丸川峠からは鶏冠山へ、南側の丸石峠からは小金沢山へ、大菩薩連嶺沿いにそれぞれ縦走可能。
今回は膝に不安があるので、無理なコース設定はせず上日川峠から大菩薩嶺、大菩薩峠を周回してくる人気ルートを選びました。
総歩行距離 | 8キロメートル前後 |
総獲得標高 | ⬆555メートル | ⬇555メートル |
標準コースタイム | 3時間15分ほど(ヤマケイオンライン) |
危険箇所 | 特になし |
上日川峠へのアクセス
登山口は上日川峠となります。甲州市の塩山から同市の甲斐大和駅とをつなぐ山梨県道218号大菩薩初鹿野線の最高地点で、マイカーのほかバスでもアクセス可能ですが、冬期(例年12月-4月頃)には閉鎖されるため春から秋までのみ利用可能な登山口となることに注意です。
自家用車によるアクセス
関東近郊からアクセスする場合、中央自動車道を大月インターチェンジまで進み、国道20号線を西進していきます。笹子トンネルを抜けて、景徳院入口という交差点で右折すると大菩薩初鹿野線。
そこからくねくねした峠道を30分ほど走っていった先が上日川峠です。日川沿いの谷間を縫って登っていく険しい道で、ちょくちょく崩落による車線規制がかかっていたり復旧工事をしていたりするイメージがありますが、それだけにしっかり整備されており車種を問わずアクセス可能です。
駐車場のキャパシティは峠至近の第一・第二駐車場あわせて20-30台前後、峠から徒歩5分ほどの距離にある第三駐車場が40-50台程度というところでしょうか。さらに大菩薩湖畔に第四駐車場があり、100台-200台規模のキャパシティがありますが、峠までは徒歩15分ほどと、若干の距離があります。
人気の山だけあって、第三駐車場まですぐに埋まってしまうので、駐車場から峠まで歩くのが面倒だという人は早めに出発したほうが良いでしょう。
駐車台数 | 300台前後 |
駐車料金 | 無料 |
トイレ | あり |
座標 | 35.73217578676075 | 138.8322880121017 |
なお、上日川峠から徒歩15分ほど山頂側にある福ちゃん荘を宿泊、昼食で利用する場合は同山荘の駐車場を利用することができます。私は使ったことないのですが、大菩薩嶺を登っていてこの駐車場が満車になっているところを見たことはなく、興味のある方は検討してみてもよいかもしれません。
公共交通機関によるアクセス
公共交通機関で向かう場合、栄和交通がJR甲斐大和駅から上日川峠までの登山バスを運行しています。甲斐大和駅から上日川峠まで凡そ40分。始発は平日・休日ダイヤともに8時10分で、休日の場合は高尾駅を7時6分に出発するJR中央本線の列車に乗れば8時3分に甲斐大和駅に到着可能。公共交通機関で容易にアクセスできるのも人気の秘訣でしょう。
ただし便数は土日祝日ダイヤでも一日あたり5便と決して多くありません。上日川峠から大菩薩嶺、大菩薩峠を周回するだけであれば、のんびり歩いて昼食休憩をとっても5時間あれば上日川峠に戻ってくることができるので、15時45分の最終バスに乗り遅れることはないと思いますが、10時31分に上日川峠を出発する第3便の次、第4便は上日川峠を14時31分出発と、それなりの時間差があります。無計画に登ると、上日川峠で手持ち無沙汰になりかねないので、その点だけ注意でしょうか。
なお、タクシーを利用すると福ちゃん荘まで登っていってくれます。甲州タクシー株式会社のサイトによると甲斐大和駅から上日川峠までで7,500円が目安とのことで、バス利用(一人あたり1,000円強)より安くなることはなさそうですが、自由が利いて快適なのは間違いないので、4人で移動する場合は検討の余地があるかもしれません。
大菩薩嶺山行の記録
上日川峠から雷岩
上日川峠には7時前頃に到着。峠にある第一、第二駐車場は満車だろうなと思っていましたが、第三駐車場も7割方埋まっています。準備を済ませて上日川峠に到着する頃には、やってきた車が整理員さんに第四駐車場に向かうよう指示されていました。第四駐車場から歩くのが嫌であれば、6時台に到着したほうが良さそうですね。
峠にはロッヂ長兵衛があります。裂石から登ってきて8合目に位置する山小屋ですが、今ではどちらかというと大菩薩嶺を登り終えて、バスを待つハイカーの休憩場所という役割が強いようなイメージがありますね。登山前に寄っていく用事があるわけでもないので、トイレだけ済ませて登り始めます。
登山口はロッヂ長兵衛の脇からスタート。15分ほど山頂側に別の山荘である福ちゃん荘があり、そこまでは登山道のほかに並行する舗装路を歩いていくこともできます。
福ちゃん荘までの登山道ですが、笹に囲まれた樹林帯で、なだらかな登り。ウォーミングアップには丁度よいです。この季節の朝方だと心地よい涼しさですね。しばらく歩いて、建物がみえてくると福ちゃん荘に到着です。
福ちゃん荘で、大菩薩嶺山頂に向かう唐松尾根コースと、大菩薩峠に向かう表登山道コースが分岐します。上日川峠から向かって左が大菩薩嶺、向かって右が大菩薩峠。どちらも周回コースの一部になっているため、どちらを選んでも構いません。
分岐ポイントなのと、丁度ウォーミングアップが終わる頃合いなので、ここで軽く朝食をとっていくハイカーもよく見かけますね。土日祝であれば売店は朝6時から営業しているので、軽食を買っていくのもアリです。なぜか馬刺しが有名ですが、私は食したことはありません。
ここから大菩薩嶺に向かうか、大菩薩峠に向かうかは好み次第で、どちらが多いということもなく半々くらいの印象ですが、個人的には大菩薩嶺から反時計回りに周回するのがオススメ。
大菩薩嶺への登りとなる唐松尾根は福ちゃん荘までの道のりより傾斜が厳しいですが、コースタイム1時間程度の短い道のり。ところどころ平坦区間もあるので、登山初心者でも然程苦労することなく登ることができるんじゃないかと思います。まずしばらくは唐松尾根に向けて斜面を登っていきます。
福ちゃん荘を出てじきに唐松尾根に乗り上げますが、かなりなだらかな尾根なので、登山道の両側が急斜面となっている、いわゆる「尾根歩き」の雰囲気はまったくありません。まあ尾根っぽいかな~という平坦区間を歩いては、斜面をつづら折りで登っていくという繰り返し。
カラマツ帯をなかをテクテク続いていく平坦区間とつづら折りの登りを何度か繰り返すと、大菩薩嶺に向けた最後の登り。まあ一応は核心部ということになるのでしょうか。傾斜が一挙に厳しくなり、足元もちょっとガラガラしはじめます。
ルート全体でみると初心者向けの大菩薩嶺周回ルートですが、ここだけは登山初心者だと辛いかもしれません。とはいえ急登区間は短く、2-30分そこらで雷岩まで登り切ることができるので、展望を楽しみながらのんびり攻めていけば、さほどキツさは感じないんじゃないかと思います。
大菩薩嶺は山頂南・西側がカヤト(ススキなどのイネ科の植物が広がっている場所のこと)になっており、ちょうどこの核心部で展望が一気に開けます。ここは標高2,000メートル足らずで、森林限界を超えているわけではないのですが、なぜここだけ樹木がないのかはよくわかりません。奥多摩なんかだと防火帯として切り開かれているパターンが多いですが、そういうわけでもなさそうだし。このエリアの中では風が強いイメージがあるので、そのせいでしょうか。
ここからの見どころは何といっても見事な富士山の展望でしょう。自分が一番好きな富士山の眺めは塔ノ岳山頂からですが、大菩薩嶺から笹子峠まで続く山並み、その奥に御坂山塊、そして鎮座する富士山…というこの雷岩からの眺めも素晴らしいです。日が昇るのも早くなりつつあるこの季節は遠くが霞んでしまうことも多いですが、この日はクッキリしたと遠望を得ることができ、ラッキーでした。
上日川ダムのダム湖である大菩薩湖の奥にそびえる富士山、という構図は大菩薩嶺を紹介する際の定番ですね。また、視線を西に転じると、甲府盆地に広がる街並みと、その奥に控える南アルプスの大パノラマを得ることができます。
もう少し頑張って登っていくと、チェックポイントである雷岩に到着。ここで大菩薩連嶺の主稜線に合流します。ただのゴツゴツした岩塊で、あまり「雷」感はありませんが、スペースの余裕がありかつコース上で一番良い展望が得られるため、休憩スポットとして人気。後ほど写真載せますが、大菩薩嶺の山頂はまったく展望ないですからね😓
雷岩から大菩薩峠
ここからは向かって左手が大菩薩嶺の山頂、右手が大菩薩峠方面となります。大菩薩嶺はもう何度も登っているので、無理に山頂を拝む必要もないのですが、まあ雷岩から山頂までは10分そこらですから、とりあえず山頂に向かってみましょう。
雷岩から左手に曲がった途端、樹林帯が復活。山頂まではほとんど平坦ですが、残念ながら樹林帯が途切れることはなく、山頂は展望ゼロです。なぜか山梨県の山頂標識が2つあり、ここが日本百名山(と山梨百名山)であることを猛烈にアピールしていますが、この山頂だけをみればそこらの奥多摩の山と見分けつかないでしょう😅まあ、山頂からの展望がイマイチな百名山は天城山とか皇海山とか色々あるので、ここだけに限ったことではありませんが
その割には通行人も多くて気の休まりづらい場所なので山頂で休憩している人はほとんどおらず、皆さん日本百名山を踏破したという記念撮影を済ませるとそのまま雷岩に戻っていきますね。なお山頂で戻らず直進すると丸川峠ですが、こちらに進む人はほとんど見たことがありません。
雷岩から先は稜線に沿って大菩薩峠に向かいます。ここからが大菩薩嶺のハイライト。大菩薩峠まで向かって右手、南西右手がずっとカヤトになっているため、森林限界を超えたかのような開放感ある稜線歩きを楽しむことができます。雷岩から大菩薩峠に向かって時計回りに歩く場合、ずっと富士山を横目にみつつ歩くことができるのもポイントですね。
歩いていくと途中、ワンちゃん連れのハイカーに遭遇。ミニチュア・シュナウザーですかね。犬連れでの登山は賛否両論ありますが、ここ大菩薩嶺はアクセスが良く、かつ犬にとっても難易度も高くないせいか犬連れ登山をよく見かける気がします。
向かう目印となるのは、稜線上にちょこんと突き出た小ピーク、妙見ノ頭です。登山道は雷岩から妙見ノ頭までなだらかな下り。若干ガレた感じの区間もありますが、傾斜が緩いので難しさを感じることはないでしょう。
アクセス良し、厳しすぎない傾斜、優れた展望、開放感と、トレイルランナーが大挙して押し寄せてきてもおかしくない要素を兼ね備えたコースですが、意外とトレラン勢は見かけません。ハイカーが多いからなのかな~とも思いますが、高尾山や丹沢周辺などはハイカーの数に関係なくトレラン勢で賑わっていますから、なんか理由があるんですかね🤔
途中、一箇所だけ登山道が岩場を通過します。普段から山登りしている人であれば、まったく怖がる要素のない岩場ですが、高尾山あたりからステップアップしてきた人だと、高度感もありますし少し怖いかもしれません。足場はしっかりあるので、一歩ずつ確認しながら進めば抜けられます。
岩場を過ぎて間もなくすると、妙見ノ頭。登山道はこの小ピークを西側に巻いて賽の河原に直行しており、妙見ノ頭へは踏み分け道へ入っていく必要がありますが、展望が西・南側に限定されがちな大菩薩嶺にあって、珍しく奥多摩方面の展望が得られるポイントになっています。せいぜい20分ほどの寄り道なので、体力と時間に余裕があればオススメしたいですね。
妙見ノ頭に続く踏み跡があまり目立たないせいか、ほとんど人がやってこないので休憩ポイントとして優秀ですが、ピークは狭いので休憩できるのはせいぜい3-4人でしょうか。
妙見ノ頭を過ぎると、賽の河原にて登山道に復帰。あちらこちらの山にある賽の河原ですが、ここ大菩薩嶺の賽の河原は、妙見ノ頭と親不知ノ頭という小ピーク間の鞍部。岩がゴロゴロしているからこの名前なのでしょうが、晴天時だと「冥土にある河原」というイメージはまったく感じられません。ガスまみれのときに通過すると、確かにおどろおどろしい雰囲気が漂っています。
賽の河原には避難小屋がありますが、扉もない古びた小屋で、休憩している人は見かけませんでした。休憩するなら親不知の頭のほうが展望がいいし、宿泊や緊急避難するにしても至近距離の大菩薩峠に介山荘がありますから、利用する機会はほとんどないんじゃないかなあ。避難小屋泊の訓練で利用するくらいでしょうか?介山荘は1964年開業と、山小屋としては比較的新しい(例えば福ちゃん荘は1941年開業)ので、それまで稜線上の避難場所として使われていたんじゃないかなと。
なお、富士見山荘からこの賽の河原に直登する旧道ルートがあります。自分は歩いたことありませんが、ネット上のレポートによると、渡渉ポイントがある他は、そこまで不明瞭な箇所もなく歩きやすいコースのよう。興味のある方は試してみると良いのではないかと思いますが、大菩薩峠はともかく見晴らしのよい親不知ノ頭をショートカットしてしまうので、一般ハイカーが利用する価値はあんまりない気がしますね~(その他、雷岩と賽の河原の中間にある神部岩に至る旧登山道もあり。こちらは最後クライミングになるようです)
避難小屋を通過して登り返すと親不知ノ頭。ここを下るともう大菩薩峠ですが、ここから振り返ると大菩薩嶺までの稜線が一望できるので、しばらくのんびりしていくことをオススメします。大菩薩峠まで下ってしまうと、この親不知ノ頭に塞がれて大菩薩嶺は見えなくなってしまいますので。
メインの登山ルートから少し外れるように展望台が設けられており、ここも多くのハイカーに休憩ポイントとして利用されていますね。富士山方面の展望も、相変わらず楽しむことができます。
少々岩場っぽい下りを進んでいくと、大菩薩峠と介山荘です。介山荘の名前は時代小説『大菩薩峠』の著者である中里介山にちなむのだそうで。見晴らしのよい稜線区間に位置する山荘だけあって、福ちゃん荘から登ってきてこれから大菩薩嶺を目指すハイカー、大菩薩嶺から下ってきて一息いれるハイカーが思い思いに休憩している山荘というイメージで、いつきても賑わっています。
大菩薩峠からは、右手に下ると福ちゃん荘に向かって下山。そのまま進むと、熊沢山を超えて石丸峠へ。石丸峠からは石丸峠入口バス停を経て上日川峠に周回してくることも可能。石丸峠あたりも広大なカヤトになっており、特に狼平あたりは見晴らしがよい割に人気も少なく好きなスポットなのですが、早くも膝の具合があやしくなってきているので、無理せず下山ルートへ。
大菩薩峠から下山
下山コースはこれといった見どころのない緩やかな下り。実はこの表登山道ルート、初めて通るのですが正直、なんなら高尾山よりも楽勝かもしれませんね。急登区間というものが一切ありません。悲しいことにこの時点で膝の具合が悪化気味だったので、これくらいで助かったというのはありますが😓
ただ、登りが楽だからといってこちらの道を選ぶような初心者さんの場合、雷岩から唐松尾根のガレ気味な急傾斜の下りに難儀するのでは?という気がするので、自分は変わらず時計回り周回推しですね。
のんびり下っていくと、小さな沢に合流し、勝緑荘と看板の掲げられた建物がみえてきます。廃れてしまった山荘か別荘跡かなにかだろうと思いましたが、どうやら介山荘主人の先々代によって創業した山小屋なのだそうで。意外なことに2015年まで営業していたようです。駐車スペースに軽トラなどが停まっているのは、介山荘の関係者かな。
沢を橋で渡ると、若干の登り返しがありますが、あとは福ちゃん荘までほぼ平坦。途中、富士見山荘という廃業した山小屋があります。ネットで調べてみても、この山荘、ほとんど情報が出てこないんですよね。そんな昔に放棄された建物には見えないんですが🤔
裂石が登山口だった往時はともかく、上日川峠から手軽に日帰り登山ができるようになったいま、大菩薩嶺周辺にロッヂ長兵衛、福ちゃん荘、介山荘(そして丸川峠には丸川荘もある)と山小屋が密集しているのは過当競争というか、供給過多気味なんだろうなあというのは容易に想像できる一方で、ネットに昔話の一つもなく朽ちていくまま…というのは少し寂しいですね。
富士見山荘跡を過ぎて、間もなく福ちゃん荘に到着。大学のサークルかな、これから登るであろう10人超えの若い集団が準備に取り掛かっていました。朝通過した際にはほとんど空っぽだったテント場も、10張りほどのテントが設営されています。まだ標高1,500メートル超の朝晩は冷え込む季節のはずですが、さすが人気の山だけありますね。
ここからは舗装路を下って上日川峠に下山。峠には出発を待つ下り便のバスが5台も停車していました。うち少なくとも1台は、出発待ちのハイカーで早くもほぼ満車。バス会社も大変です。
上日川峠から周回する大菩薩嶺の感想
ということで、上日川峠から大菩薩嶺、大菩薩峠を周回する山行記録をお届けしました。
なんといっても手頃なアクセスに手頃な難易度、それでいて、まるでアルプスに来たかんじゃないかというような開放感ある稜線歩きが魅力の山ですね。ヤマップの「登られた山」ランキングにおいてトップ常連だというのも納得です。
関東圏だとメジャーな初心者向けの山というと東京の高尾山と高水三山、神奈川の大山あるいは金時山、埼玉の武甲山という感じになろうかと思いますが、個人的には山登りに興味があるならば、是非とも大菩薩嶺まではチャレンジしてほしいなと思います。金時山なんかはところどころ展望が良い箇所もあるのですが、こういう初心者向けの山って、基本的にあんまり道中の展望ないですからね。
もちろん森林限界超えの稜線歩きだけが山登りの魅力ではないのですが、せっかく山登りに興味を持ったのに、稜線歩きの魅力を知らないまま「あんまり楽しくないな、しんどいだけだな」と諦めてしまうのはあまりにも勿体ないと思います。
山行当日の装備
この日は大菩薩嶺山頂にて最低気温6℃、最高気温16℃、風速5メートル/秒という予報。念のためアウターとしてソフトシェルを羽織っていきましたが、案の定というべきか、登り始めて早々にリュック行き。基本的にはベースレイヤーまでで行動可能でした。稜線に出ると多少の風があるものの寒いと感じるほどではなく、ウインドブレーカーあれば事足りるかなあという気候でした。
標高差やコースの長さという観点では高尾山とさほど変わらない難易度となるルートですが、選ぶコースによっては舗装路を歩くことができる高尾山と異なり、ガレ場を含め、足場が不安定な箇所もあるルートですので、少なくともハイキングシューズはマストでしょう。
登山道具
ベースレイヤー | finetrack ドライレイヤーベーシック finetrack ドラウトフォースジップネック |
ミッドレイヤー | – |
アウターレイヤー | Arc’teryx GAMMA LT ジャケット |
パンツ | ワコール CW-X スポーツタイツ Arc’teryx Russet Short ’12 |
アクセサリ | – |
シューズ | Salomon SPEEDCROSS 3 |
リュックサック | Osprey Mutant 22 |
撮影道具
カメラ | Sony a7R III Sony a7 II Olympus OM-D EM1 Mark2 |
レンズ | Zeiss Batis 2/40 CF Zeiss Batis 2.8/18 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro |
アクセサリ | ー |
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