こんにちは。steamc1awです。本日はベルファインより発売の1/8スケールフィギュア『ドールズフロントライン SR-3MP』の写真をお届けします。
商品名 | ドールズフロントライン SR-3MP |
作品名 | ドールズフロントライン |
発売時期 | 2020年12月 |
メーカー | ベルファイン |
デザイン | 熊猫印象 |
原型製作 | 梓零 (ガンドール)、アンドウケンジ |
サイズ | 全高 約150mm |
価格 | 19,850円 (税込) |
以前ご紹介したスオミと同様に、中華スマホゲーム『ドールズフロントライン』 (通称ドルフロ) からのフィギュア化ですね。銃器を擬人化した美少女キャラクターを率いて戦うというストラテジーゲームで、今までに多くのキャラクターがフィギュア化されている人気作品です。
このキャラクターの下敷きとなっている銃器は正式名称を「SR-3」通称「ヴィーフリ (Вихрь, つむじ風)」といい、ロシアが1994年に開発した突撃銃。ソビエト連邦時代に開発された「AS Val」という特殊部隊向けの消音ライフルをベースに、サイレンサーを着脱可能にして小型軽量化したモデルという位置づけのはず。SR-3「MP」は改良・派生型で、特殊部隊が使用するバイザー付きのフルフェイスヘルメットに干渉しないよう独特の形状になった銃床が特徴です。
主なユーザーはロシア軍ではなくロシア連邦保安庁 (FSB) など保安・諜報系の特殊部隊で、随分とマイナーな銃器じゃないかと思うのですが、なぜかゲームでは最高レアリティの星5という扱い。
9×39mm弾を発射するので通常は突撃銃に分類される一方、特殊部隊やシークレットガードが秘匿携行することを想定し、徹底した小型・軽量化が図られていることから短機関銃や個人防御火器扱いされることも多いようで、ゲームでは短機関銃カテゴリでの登場となっています。
【新人形紹介!】
— ドールズフロントライン公式 (@GirlsFrontline) August 10, 2018
今日ご紹介するのは☆5レアリティでサブマシンガンの「SR-3MP」です!
詳しくは下図をご覧ください。
近日実装予定、お楽しみに!#ドルフロ pic.twitter.com/PGhsCJXtTu
いくつか着せ替え衣装のバリエーションがありますが、2024年時点でフィギュア化されているのはノーマル衣装を立体化した本商品のみ。ドルフロはドレス衣装を筆頭に、着せ替え衣装の立体化が多い作品で、複数回数立体化されているキャラクターも珍しくありません。その中にあって、2020年に通常衣装が立体化されて以降、音沙汰がないというのは人気のあるキャラクターではないのかも。
- 立体化しづらそうな元絵のポージングを忠実にフィギュア化
- プライズフィギュアや劣化コピー品ではないかと疑うレベルの塗装クオリティ
- 1/8スケールで小ぶりな割に、定価は1/7スケール並のフルプライスで割高感がある
フィギュア全体像とプロポーション
それでは全体像から参りましょう。
スケールフィギュアで一般的な1/7スケールではなく、一回り小さい1/8スケールでの立体化であり、写真ではわかりづらいですがコンパクトな佇まい。こぶりなスケールのおかげで本体が軽いからでしょうか、足で支えるのではなく、ねんどろいどなどの小型可動フィギュアでよく見られる、支柱を背中に接続して支えるというスケールフィギュアではあまり見かけない方法を採用しています。
下をちょろっと出したイタズラ好きな表情が印象的。公式サイトのキャラクター紹介は「明るく派手好きなお調子者」とのこと。細身の幼女体型や、長く伸びた編み込みのロングヘアなど、元絵を忠実に再現しているのではないでしょうか。台座は戦略シミュレーションゲームをイメージしたかのようなヘキサゴンを意匠としたデザインになっていますが、ドルフロにHEX要素はなかったような😓
ところどころにピンクの差し色が入っているものの、全体的にはマリンルックをイメージしたネイビーブルーと白を基調としたカラーリングで、さほど派手さは感じません。まあ、これは元絵の時点でそういう服装なので、フィギュア化する段階でどうこうできるものではないですが。
ディテール : 顔まわり
顔まわりは元絵から若干アレンジされていますね。オリジナルは所謂「あっかんべー」をしているデザインですが、さすがにそこまでは再現できなかった様子。目元も、瞳や眉毛などが変更されており、元絵にある小悪魔的な要素が薄められてしまっているのでは?
もともと、キャラクターからみて左側に目線を配っているデザインになっているため、やはり違和感がないのはキャラクターからみて左斜めのアングルか。全方位どこから見ても違和感がない立体化ではありません。右斜めのアングルからだと、舌を出している必然性が感じられず、どこか漫画『ミステリと言う勿れ』を思い出すような、そうでもないような😅
もともとのデザインにそこまで情報量が多くないこともあってか、全体的に大雑把な印象。特にアイプリはあまりツヤや深みのないプリントになっており、正直なところプライズフィギュアかな?と思ってしまうクオリティです。ベルファイン公式サイトに掲載されている彩色サンプルと思われる写真では、もうちょっと透明感・深みある彩色のように見えるんですけれどもねえ🙁チークもピンク色が省略され、ただ模様が入れられているだけ。
彩色サンプルからの違いといえば、全体的にこちら量産版のほうが色味のメリハリが弱め。少なくとも瞳に関していえば、彩色サンプルのほうが元絵を忠実に再現できているのではないでしょうか。
頭部にはどこか戦闘帽っぽい帽子。ピンクのウサギピンバッジに、ウサ耳のような装飾、四葉のクローバーのような意匠の留具、後頭部にはウサギの尻尾のようなポンポンと、ミリタリーらしさと少女らしさをうまく同居させているデザイン。が、全体的に塗装のザラつきが目立つなど、フィギュア商品としてのクオリティはやはりイマイチだと言わざるをえません。
身長より長いんじゃないだろうかという編み込みヘアが特徴のキャラクターですが、そこはしっかり再現されています。シャドー部分も、元絵と同じようにくすんだピンクで吹き付けられていますね。ボリューム感もありますし、このフィギュアのハイライトの一つということになるでしょうか。
一方で、髪の毛の先端の髪飾り部分は、もったり、のっぺりした塗装でイマイチな質感なうえにピンクの塗料が散ってしまっている😇また、肩あたりで髪の毛を留めているリボンは髪の毛のパーツをそのまま塗装することで再現しているのですが、これも随分と適当です。塗装が欠けていたり、吹いた塗料がタレたのか縁の部分がギザギザになっていたり、塗装も検品もひどく甘いなあという印象を受けますね。
ディテール : 衣装と胴まわり
冒頭に書いたように、ネイビーブルーと白を基調にした服装。トップスには袖なしの白いシャツに、やはり袖なしのネイビーブルーのロングベスト。胸元にはセーラー服のようなネッカチーフ、ベストには金ボタンなど、水兵をモチーフとした意匠が散りばめられています。背中側に弾倉を装着。
元絵の再現度は高く、手堅い造形ではないでしょうか。ふわっとたなびくロングベストなどは良くできていると思います。ただ、やはり見栄えが良いのは元絵と同じアングルで、反対側からだとイマイチぱっとしない印象にとどまっているのは残念。
個体差はあると思いますが、やはり塗装はイマイチで、胴体まわりでは襟元のボタンの塗装が甘く微妙に剥げている、ベストのボタンの✚マークや脇まわりのシャツとベストの塗り分けがきれいにできていない、など気になるポイントが幾つもあります。ここまで随所からプライズ感が漂ってくるフルプライスのフィギュアは今までお目にかかったことないかもしれません。
シャツもベストもボタンを外しているという開けた服装。一歩間違えれば破廉恥な造形になってしまいかねないデザインですが、いわゆる「まな板」バストなキャラクターということもあって、18禁な部分は左右どちらからも見えないようになっていますね。(というかそもそも造形されていない)
ディテール : 脚まわりと台座
下半身部は元絵では特筆すべきところがないように見えますが、フィギュアでは程よい肉付き、むっちり感が表現されています。特にふくらはぎ部分の曲線はナイスですね。これは良い意味でサプライズ。
何度も触れてきたように、服飾の塗装はお世辞にも質感が高いとはいえないのですが、肌色の塗装はフルプライスのスケールフィギュアとしては妥当なクオリティ。写真ではあまりわかりませんが、膝頭の部分に濃いめのピンクのシャドーが吹かれています。
靴にはミリタリー要素はなく、ネイビーブルーのサンダル。鼻緒部分にウサ耳モチーフの飾りがついているほか、くるぶし部分はフリルっぽくなっていますね。ミリタリー要素としてはくるぶし上にドッグタグを着用。元絵ではよくみると「SR-3」と書いてありますが、フィギュアでは全面シルバーで塗りつぶされているだけです。
ここで気になる点としては、足とサンダルとの接合部分の仕上げがかなり雑。サンダルのうえに肌色の台座が乗っていて、さらにそこに足が乗っているという状態になっており、かなり違和感があります。フリル部分の表現も精巧ではありません。このへんは相変わらずプライズフィギュア並のクオリティですね~
宙に浮いた設計になっているため、下着はかなり丸見え。さすがに元絵と同じアングルでは太ももに隠れて見えないようになっていますが、ちょっとでもローアングルにするとすぐにパンツのキワが見えますし、フィギュア本人から向かって右側、足が開いている方向からだと隠しようがありません。正面からはスク水くらいに地味なデザインですが、お尻側にはフリルがあしらわれていますね。
台座は冒頭で触れたとおり、透明な青いプラスチック製。ヘックスを組み合わせた支柱が背中部分でフィギュア本体を支えるという作りになっています。面白いといえば面白いのですが、背中の弾倉パーツが見づらくなっているので、個人的には他のフィギュアと同じように足で支えて欲しかったかなあ。もともと浮かんでいる設定のキャラクターでもないですし。
ディテール : その他のアクセサリー、付属品
アクセサリーとして、元ネタになったSR-3MPライフルを手に持っています。グリップから伸びている上下反転したようなストックが、MP型特有の特殊部隊向け銃床。派手好きだというキャラクター設定に沿ってか、サイレンサー 部分をはじめとして各部にピンクのハイライトが入っています。
この銃、服飾部分と比べるとしっかり塗装してあって、金属の質感がうまく表現できている。立体感が出るようにグラデーション塗装をしているようにも見受けられるのですが、ここでもサイレンサー部分のピンク塗装にはみ出しがあって、もう、なんだかなあ😩
まとめと感想
ということで、ベルファインより『SR-3MP』のご紹介でした。
こんなことは言いたくないんですが、小ぶりな1/8スケールだということを抜きにしても、20,000万円を取っていい商品ではないです。パっと見のイラスト再現度こそ高いものの、そこかしこに見られる雑な塗装のせいで、劣化コピー品でも掴まされたかと見紛う仕上がり。なおAmazonでもプライズ感に言及するレビューがあり、これが本商品の正しい?品質レベルなのだと思われます。
ベルファインは「この素晴らしい世界に祝福を!」や「僕のヒーローアカデミア」などアニメ作品のフィギュア化が多くて、今まであまり縁がなかったメーカーですが、こんな個体を引いてしまうと、ここからのフィギュア購入はちょっと慎重にならざるをえないですねえ😓
この記事を書いている時点での流通価格は、新品が10,000円ちょっと。実際に売れている価格は、これよりもっと低く、それならばSR-3MPというキャラクター自体が好きな人ならアリじゃないかと思います。貴重な立体化ですし、造形自体はこれといった問題あるわけではないです。
とはいえ、単なるフィギュア好きが買うには塗装クオリティが低すぎか。この値段でここまで塗装が雑なフィギュアは初めてです。コロナ禍に突入したあたりに発売されていて、何らかの事情があったのかもしれませんが、同時期に発売されてフルプライス相応の品質を保っているフィギュア商品もたくさんありますから、言い訳にはならないでしょう。
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