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フィギュア紹介 :『デート・ア・バレット』原作版 白の女王 1/7スケールフィギュア

こんにちは。steamc1awです。久しぶりのフィギュア撮影です。本日はKADOKAWAより発売の1/7スケールフィギュア『デート・ア・バレット 原作版 白の女王』の写真をお届けします。

商品名原作版 白の女王
作品名デート・ア・バレット
発売時期2021年7月
メーカーKDcolle | KADOKAWA
デザインNOCO
原型製作不明
サイズ全高 約350mm(付属品込み)
価格16,800円(税別)

KADOKAWA傘下の富士見ファンタジア文庫から発行されているライトノベル『デート・ア・ライブ』のスピンオフ作品である『デート・ア・バレット』より、敵対キャラクターである「白の女王」のフィギュア化になります。原作は本編も含めて未読、アニメ化作品も未視聴ですが、軍服をモチーフにしたというゴージャスな服装に惹かれて購入。

デザインはNOCO氏のイラストがベース。ロールプレイングゲーム『アトリエシリーズ』のうち、いわゆる『不思議シリーズ』のキャラクターデザインを担当されたイラストレーターさんですね。フィギュア化を告知するKDColleのXアカウントにてイラストが投稿されています。赤と青のオッドアイ、ボリューム感のあるスカートの広がり、敵対キャラクターらしい大胆不敵な笑みが特徴でしょうか。

メディアミックスを得意とするKADOKAWAがIPを所有しているからだと思いますが、本編の『デート・ア・ライブ』そして『デート・ア・バレット』ともにフィギュア展開は積極的な印象がありますね~。人気キャラクターの『時崎狂三』だけでも相当数のバリエーションが出ていますし、この『白の女王』も2024年になって渋谷スクランブルフィギュアから『Royal Blue Sapphire Dress Ver.』として、PRISMA WINGから『ボーナス版』として、フィギュア化されることが立て続けに発表されています。

  • よくある立ち絵ではなくオリジナルイラストのフィギュア化
  • ボリューム感のある服装、大胆不敵な笑みなどを威厳ある佇まいをうまく再現
  • 細かいパーツ、ディテールの塗り分けや塗装の仕上げなど、詰めが甘い
目次

フィギュア全体像

それでは全体像から参りましょう。
大胆不敵な表情が元イラストの魅力だと思いますので、若干ですが下から見上げるようなアングルで撮影しています。撮影時は外していますが、本来はスカートを支えるための支柱が2本付属。

ちなみにこの商品、KDColleの商品紹介ページでは全高約255mmと紹介されていますが、実測だと台座から帽子の先端までが約270mm、付属のサーベルまで含めると350mm程度のサイズがあるため、ディスプレイラック陳列などを考えている人は要注意。255mmというのは台座を抜きにした足元からの高さを指しているのかなあ。もうちょっとしっかり記載して欲しいところです。

パッと眺めてみての感想ですが、正面からみて元イラストをしっかり再現できていると思います。元イラストほど顔の輪郭がキリッとしていないようには思いますが、ふわりと広がるスカートのボリューム感、髪の毛の動き、大胆不敵な表情などは元イラストのイメージどおり仕上がっているかと。

正面からスカートが広がっているように見せなければならない都合で、後ろからはこれといった見どころはない…というかちょっと破廉恥な感じになってしまっていますが、二重になっているスカートが真後ろ部分だけ落ち込んでいるなど、結構しっかり造っているなあという印象ですね。

ポイント①:顔まわりと大胆不敵な表情

全体的にはよく出来ていると書きましたが、顔の細かい造形についてはちょっと不満あり。というのも、商品紹介ページに掲載されているデコマスより鼻が低くなっているような気がするんですよね。あるいは鼻周辺に塗装で陰影をつけていたのを、最終製品で省略しているか。

公式から出されている画像と比較すると、明らかに顔の立体感がありません。最初はライティングによる陰影の問題かとも思ったのですが、グッドスマイルカンパニーのスタッフさんブログに掲載されているポン撮り画像(企画部勤務と自己紹介しているので、最終製品ではなくサンプル、デコマスだと思われる)でも明らかに立体感が違うので、最終化される段階でマイナーチェンジがあったのではないかと。

その点さえ気にしなければ「まあこんなものかな」という完成度ではあります。余裕を見せつけるかのような笑みはしっかり表現されているし、左目の瞳が時計模様になっているというディテールもばっちり再現。左目が青、右目が赤というオッドアイのキャラクターですが、色味もキレイに出せています。この瞳は他のフィギュアと比べても随分と凝った造りじゃないでしょうか。

遠目からは目立ちませんが、髪の毛部分はラメ塗装が施されています。個人的にはもう少しラメを目立たせても良かったのではないかなあと思いますが、立体的な衣装とあわせてフィギュア全体のゴージャス感を引き立てていますね。髪全体も、スカートの動きににあわせて風になびくような躍動感あるデザインとなっています。

顔周りのディテールでは、帽子の飾りも時計模様になっています。ただ、これは他のパーツにも言えることですが、銀色塗装は仕上げがそこまでキレイではない点が少々マイナスポイント。塗装まわりのディテールに関して付言するならば、サーベルが刃と柄とで塗り分けされていない(全体が同じ銀色塗装になっている)点も、仕上がりがあと一歩足りないというイメージに繋がっています。

ポイント②:立体感・躍動感あるポージング

全体像でも書いたことですが、元イラストのポージングをうまく立体化しています。このポージングを実現するためか、2021年当時としてはボリューム感のあるフィギュアだったような記憶がありますね。(記事を書いている2024年時点では大型パーツが付属していたり1/6スケールだったりするフィギュアも一般化してきたおり、今みてみるとさほど大型フィギュアだという印象は受けなくなりましたが)

キャラクターの後方から風が吹き上げているようなデザインですが、ドレスがふわっと浮き上がっているという可憐なイメージではなく、敵対キャラクターらしい威圧感と風格を感じさせる佇まい。特にスカートの広がりは見もので、所有欲を満たされるフィギュアに仕上がっています。

軍服をモチーフにしたというだけあって、ドレスは厚みのある布地で仕立てたような重厚感ある表現となっている一方で、風に靡いている黒い布は透け感のある半透明素材を使用。対比がよいアクセントになっています。

ポイント③:重厚感ある衣装の表現

このキャラクターの特徴はなんといっても白ベースながら軍服をモチーフにしたという衣装でしょう。先ほども書いたように、ゆったりした広がりで、重量感のある素材で仕立てられたかのような表現となっています。一方で、細かいシワ表現のないスカートとビスチェ(でいいのかな…)部分と比較すると、左右の袖は腕の動きにあわせてしっかりシワがつけられていますね。

細部もデザイン面では拘られており、礼装らしさが強くでている肩や腰のエギュイエット(いわゆる銀モールですね)は、ドレスの動きやキャラクターの身体のひねりとあわせた動きがつけられています。あまり目立たないディテールではありますが、フィギュア全体の躍動感あるイメージを作り出すうえで欠かせない要素になっていると思います。

胴回りでいうと、バストは個人的には丁度いい具合じゃないかと思います。厚手衣装という露出の少ないデザインの影響もあるでしょうけど、アニメ・ゲームフィギュアにありがちな不自然に強調されている感じはしません。サイズそのものもまあリアリティある範疇におさまっているのではないかと。

元イラストでは特に区別して塗り分けられていないように見えますが、胸元の飾りと腰のリボンが銀色塗装ではなくグレーの塗装になっていますね。デザインとしては区別せず一色で塗ってしまっても良かったのかもしれませんが、どこか柔らかな印象に繋がっていて、よいアレンジじゃないでしょうか。

ブーツはエナメル素材をイメージしているのか、ツヤっと光沢感ある仕上げ。レースや折り返し部分のアクセントなどは上半身と同じ銀色塗装ですね。レースは蝶々結びになっており軍服モチーフながらもメルヘンちっくな雰囲気を出しています。正面からは全く見えませんが、脚は結構すらっとした細身で、なかなかの美脚です。

服装とはあまり関係ありませんが脚部つながりでは、台座が時計をモチーフにした意匠になっています。白い部分がプラスチッキーで若干チープさを感じますが、この価格帯のフィギュアとしては随分と凝った造りじゃないでしょうか。

まとめと感想

ということで、KDcolleより『デート・ア・バレット 原作版 白の女王』のご紹介でした。
16,800円という価格を考えると、大健闘しているフィギュアだと思います。個人的にはフィギュアは躍動感があるポージングが好きで、シンプルな立ちポーズの立体化には惹かれないのですが、このフィギュアは動きとボリューム感のある衣装をしっかり再現しているのがポイント高いですね。

ただ、2020年代のフィギュアとしてはディテールの詰めが甘いかなあと思います。特に記事本文でも触れた銀塗装の仕上げが目立ちますが、パーツなどもあまり細かく造り込まれておらず、全体的に大味な印象を受けますね。2010年代半ばくらいの発売であれば「すごい!」と評価されたクオリティだと思うのですが、2021年にあっては「定価16,800円という限られた予算を衣装のボリューム感に全振りした」という制作陣の苦労が伺えるような気が…💧

当時はもう2万円台のフィギュアも決して珍しくなかったと思うので、高価になっても構わないから、しっかりお金をかけてディテールを造り込んで欲しかった。16,800円という価格は決して割高ではなく、2024年のフィギュアの相場感を考えるとコスパ良いくらいで、中古品は2万円を超える価格で販売されています。それだけに、中途半端に手頃な値段にせずにクオリティに振れば傑作になったのでは?

白の女王というキャラクターが好きならオススメできるフィギュアではあるのですが、原作に興味がない人が手にとるほどの価値があるというと、悩ましいところ…という惜しい製品です。

撮影機材

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