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フィギュア紹介:『アズールレーン』ダイドー重装版ver.

こんにちは。steamc1awです。本日は株式会社kneadより発売の1/7スケールフィギュア『アズールレーン ダイドー重装版ver.』の写真をお届けします。

商品名ダイドー重装版ver.
作品名アズールレーン
発売時期2023年9月
メーカーknead
デザインKIn
原型製作上下茜
彩色井本絵美子
サイズ全高 約mm
価格34,980円 (税別)

原作はマンジュウとヨンシーが共同開発する中華スマホゲーム『アズールレーン』(通称アズレン) ですね。このサイトでもフィギュア商品を紹介している『ドールズフロントライン』と同様に「艦これ」こと『艦隊これくしょん』に触発された兵器擬人化作品の一つ。あちらが「艦これ」のゲームシステムをベースに銃器を擬人化したゲームであるのに対し、こちらは「艦これ」同様に軍艦を擬人化しつつ、アクション要素を取り入れた別ジャンルのゲームに仕上げています。

このキャラクターの下敷きになっているのはイギリス海軍の軽巡洋艦「ダイドー」(HMS Dido)。ダイドー級のネームシップとして1939年に進水しました。さらに元ネタを遡れば、ギリシャ神話に登場しカルタゴを建国したという伝説上の女王、ディードーが由来。

ダイドー級は急速に発達しつつあった航空機から艦隊を守るための防空巡洋艦として設計され、当時の軽巡洋艦のスタンダードより口径のやや小さい対艦・対空両用砲を装備しているのが特徴です。主に地中海にて対空護衛や上陸支援任務に従事し、海戦における目立った活躍はありませんが、英軍がクレタ島から撤退するのに伴って700万ドル相当の金塊を輸送したというエピソードも。

アズレンは着せ替え衣装のフィギュア化が多い作品で、特に昨今は通常衣装よりも着せ替え衣装のほうが多くフィギュア化されているくらいですが、このダイドーは通常衣装での立体化。商品名の「重装版」とは、キャラクター本体と通称「艤装」と呼ばれる兵器部分の両方が付属することを意味しており、キャラクター本体だけの「軽装版」が同時に発売されています。

  • むっちり感、肉感へのフェティシズムを感じるこだわり
  • 艤装パーツも手抜きなく、造形も塗装も精巧でクオリティが高い
  • 立ち絵の立体化でポーズに工夫がなく、定価は割高に感じる
目次

フィギュア全体像とプロポーション

それでは重装版の全体像から参りましょう。
このタイプのフィギュアでは一般的ですが、艤装パーツはフィギュア本体に接続・固定するのではなく、支柱で浮かせて好きな場所に配置できるようになっています。ダイドー本人は1/7スケールフィギュアとして標準的なサイズですが、艤装パーツのおかげでボリューム感は結構あります。

艤装パーツを取り外した軽装版の全体像はこちら。ポーズ、衣装ともにシンプルなこともあって、艤装がないとスッキリした佇まいになりますね。軽装版は定価19,800円なので、差引き15,000円が艤装パーツの値段になります。これを高いとみるかどうかは人次第か。

アズールレーンはいわゆるボインなキャラクターが多いゲーム作品ですが、ダイドーもその一人。しかしこのフィギュアは、その元絵と比べてもむっちり感というか肉付きが強調されたかたちで立体化されていますね。特に胸元や太もも。元絵ではそこまで肉感が強調されているようにはみえませんが、本商品では明らかにむっちり感をアピールしています。

それ以外は概ね元絵に忠実な立体化ではないでしょうか。唯一、元絵では左手に持っている剣が纏っている黒いオーラが省略されており、さすがにそこまでは再現できなかったか。昨今のフィギュア商品のクオリティの進化を考えると、クリアパーツを使えば再現不可能ではないはずですが、そこまでやる必要性は感じないので妥当な判断だと思います。

ディテール : 顔まわり

元絵ではどこか無感情のようにもみえるダイドーですが、このフィギュアではツンとしていて芯の通った顔立ち。目尻や口元がキリッとしているのが大きな変更点ですね。元絵そのまま立体化すると、どこかボヤッとした表情になったのではないかと思うので、これは良いアレンジ。

瞳は鮮やかなマゼンタに、ブルーのハイライトが入っています。深みがあり、なかなかよい発色。このダイドーは性格的にやや不安定というキャラクター設定ですが、このブルーのハイライトがどこかその不安定さを表現しているようにも思えます。色彩学的にどうなのかはわかりませんが😅

どの角度からみても違和感のない立体化。髪の毛は本人右側に流しています。無造作な流れがうまく表現できているのではないでしょうか。前髪の毛先はクリアパーツ仕上げ。元画像にはない風変わりな形のハイライトが追加されていますね。その他はマット塗装。毛先部分にパープルのグラデーションが入っていますが、きれいな塗装です。

頭部にはメイド風の白黒カチューシャを着用のほか、後頭部に黒いリボン。よく見ると塗装時のホコリの巻き込みがあったりしますが、目立つほどではないかな。写真だと分りづらいですがリボンは端の部分がクリアパーツになっています。

ちょっと残念な点として、頭頂部から側頭部にかけてのパーティングラインが目立ちます。頭部右側は髪の毛が流れているので多少は誤魔化せていますが、左側頭部は一目みてわかっちゃいますね。この価格帯のフィギュアであれば、もう少しうまく仕上げて欲しかったところ。

アクセサリーとして、首に錨をモチーフにしたチョーカー、左耳にはゴールドとピンクのイヤリングを着用。イヤリングのゴールドは持っている剣の柄なんかと同色かな? 特にイヤリングなどは細かくて塗装しづらそうですが、結構しっかり塗り分けられています。

ディテール : 衣装と胴まわり

ダイドーの衣装はメイドをイメージしたもの。これはダイドーがイギリス海軍 (ゲーム内では「ロイヤル」という陣営名) の艦船だから。イギリス=メイドというアニメ・ゲーム界隈でよく見られる連想ゲームですね。シャドーはパープルで吹かれています。

本来、メイド服というのはワンピースの上からエプロンを着用するというのが正統スタイルですが、このダイドーはエプロン風のトップスにミニスカートという、上下セパレートスタイル。よく考えると要するに上半身は裸エプロンになっているわけで、なかなか破廉恥な服装ですね😇

スカートは右側がめくれている、浮き上がっているような造形。こういう動きのあるデザインは良いですね。バストではち切れそうになっている胸部分はピシッと皺がない一方で、エプロンやスカートの裾には服装の動きに沿った皺が入っており、そのへんリアリティを考えられた立体化です。

バスト下のベルトでスカートを留めていて、そのベルトの正面には金のボタン。横には艦船のなにかをモチーフにしたような留具が付けられています。

全体像の箇所でも触れましたが、肉感を強調した造形。わかりやすいところでいうとバストの下部分が思いっきり零れ落ちそうになっています。他にもワキまわり、エプロンの上に肉が乗っているなど細かいところまで表現されていて、むっちり感への強いこだわりを感じますね~😅

肌は白味の強い美白塗装ですが、服のキワ、肘部分などはピンクで強めのハイライトが入っています。全体的にむっちり感がある一方で、二の腕などはすっきりしておりスレンダーな造り。

右手にはちょっと不気味な人形。これは同じダイドー級の姉妹艦である「シリアス」(ダイドーからみると妹) を模したものですが、詳しい設定などは不明。ゲーム内におけるダイドー専用装備の名前が「捨てられません」なのでなにやら曰くつきのモノだと思われます💧

ディテール : 脚まわりと台座

先ほど、バストまわりのむっちり感への拘りの割に、二の腕などはすっきりしていると書きましたが、脚も同様に比較的スレンダーな造り。ただ、絶対領域エリア、ニーハイソックスのキワはやはりはち切れそうな肉感を強調しています。ふっくらした太ももの曲線美など、やはりここは並々ならぬこだわりが感じられますね😅

白いニーハイソックスは肌色のハイライトが吹かれており透け感のある塗装。なおかつパール塗装でツヤツヤした光沢があります。サテン生地のイメージなのかな? メイド服というよりランジェリーとかブライダルという感じが強く出ており、少々やり過ぎじゃないかという気がしますが。

短めのミニスカートを着用、しかも右側が大きくめくれているので、パンツ丸見えなんじゃないかと思わせぶりな造形ですが、意外にもガードは固い。スカートがめくれている箇所からはヒップに阻まれて見えず、結構なローアングルからでないと見えません。その割にはレース模様が入っており、細かいところまで造り込んでありますね。

注意:クリックすると下着画像が表示されます

足元は黒のパンプス。ラウンドトゥでストラップ付きというオーソドックスな形状。つま先には花をモチーフにしたと思われる飾りがついています。アンクルストラップはパンプスの一部ではなくて、ストラップだけを足首に巻いているという不思議なデザイン🤔

台座はシンプルなプラスチック製の円形台座。光沢があるので反射を楽しむことができますが、これといって特筆するような箇所はありません。支柱で艤装パーツを支えなければならない都合上、凝った台座にすることは難しいでしょうから仕方ないですね。台座後部には、支柱パーツの台座を差し込むことができるよう切欠きが入れられています。

ディテール : アクセサリー、付属品

アクセサリー類としては、まず大剣。アズールレーンは軍艦モチーフのシューティングゲームでありながら、キャラクターに剣を装備させて斬撃を繰り出すことができるというトンデモな機能があるので、そのイメージの延長線でしょうか。

元絵では手に持っている人形とあわせて何やら禍々しいオーラを放っていますが、このフィギュアでは至って普通の剣ですね。特に重装版では艤装パーツに押されて存在感が薄いのですが、グリップの細かいゴールド色の塗装など、細かいところまで手を抜かずに作られています。

そして、この重装版のハイライトとなる艤装パーツ。アズールレーンの艤装パーツ付きの通常衣装 (立ち絵) 立体化商品として、他に「ホノルル」「セントルイス」などが出ていますが、それらフィギュアの中でも重量級の艤装パーツが付属しています。

艦船としてのダイドーは主兵装として5.25インチ連装対艦・対空両用砲を5門、21インチ三連装魚雷発射管を2基6門装備していました。両用砲はスペック通り5門装備されていますが、スペースの都合上でしょうか、魚雷発射管は1基3門のみのデザインとなっています。随所に金色で矢十字のモチーフがあしらわれていますが、由来は不明。

その他のパーツとして、船体を模したいわゆる「装甲」パーツや、煙突などが再現されています。どのパーツも造形、塗装ともに精巧。特にゴールド塗装や彫り込みが「気品あるロイヤル艦船」というゲーム内のイメージをしっかり再現しています。

特に気に入っているのは、左右にあるメインの装甲パーツの塗装。喫水線と思われるラインに沿って汚れ塗装が施されており、戦闘艦としての年季が感じられます。他のアズールレーン立体化商品でどういう表現がなされているかは知りませんが、これは芸が細かいですね。

まとめと感想

ということで、kneadより『ダイドー重装版ver.』のご紹介でした。
このむっちり感へのこだわりっぷりは好きな人には強烈に刺さると思います。フィギュア全体をみても手堅い造りで、特に艤装パーツ精巧さは見事。床置きの艤装パーツのおさまりが良くないという弱点はありますが、隙のないフィギュアです。

一方で、35,000円という価格設定は、強気すぎるんじゃないかと。個人的には、フィギュア商品で3万円を過ぎてくると、躍動感のあるデザインだったり、限定衣装だったり、何かしらの特別感が欲しくなってくるのですが、このダイドーは立ち絵そのままの立体化。艤装パーツが豪華で精巧というほかはこれといった特別さがなく、割高に感じてしまいます。じゃあ艤装パーツは不要かというと、艤装のない軽装ver.は2万円という値段の割にスッキリし過ぎていて寂しいんですよね。

そのせいか、市場流通価格はかなり崩れてしまっていて、2024年11月時点では未開封在庫品が大手ホビーショップで14,000円という有様😨さすがに新品が6割引きで流通するというのはあまり見かけない。中古品やフリマアプリ、オークションサイト経由ならもっと安くなるでしょう。

逆にいうと、ここまで安くなってくると、クオリティ自体は決して悪くない商品なので、フィギュア好きなら試しに手に入れてみる旨味がでてくるんじゃないでしょうか。新品2万円くらいなら喜んで払ってもいいレベルのフィギュアだと思います。キャラクターやデザインが好きなら、もうちょっと出してもいいかも。

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