こんにちは.steamc1awです.
山の日である8月10日に北アルプスは新日本百名山の一座,燕岳に日帰り登山してきました.
クルマを買ったので今年こそはアルプス行くんや!と常々から思っていたので念願のアルプスデビュー達成です.他に日帰りで行けそうな山として南アルプスの仙丈ヶ岳と(アルプスではありませんが)八ヶ岳の天狗岳が候補だったのですが,この日は燕岳周辺の天気が一番よさそうだったので燕岳を選択.
登山ルートおよびアクセス
燕岳に登る場合のコースですが,縦走前提でなければ合戦尾根一択になるかと思います.
東沢乗越に向かって中房川を遡上するというコースもあるにはあるのですが,実線コースではないので経験者向けでしょう.ブログを書くにあたって調べてみましたが,渡渉箇所が幾つもあるうえにビニールテープを手がかりに進む必要がありルートファインディング能力必須のようです.
どちらのコースを選んでも起点となる中房温泉は標高1,500メートルほどで,燕岳の標高が2,700メートル.標高グラフを見てのとおり登りづめのコースとなりアップダウン皆無なので獲得標高は1,200メートルほどになります.アルプスのなかでは初心者向けというだけあり,前回登った両神山とほぼ同じですね.
燕岳登山口(中房温泉)へのアクセス
横浜から自家用車でアクセスする場合,中央自動車道を経由して長野自動車道の安曇野インターチェンジにて退出.そこから県道327号線を川沿いに登っていけば中房温泉です.所要時間は片道で3時間30分,高速料金は4,500円ほど.
なお中央自動車道は帰路の八王子インターチェンジ上り方面が渋滞の名所なので帰宅時間には注意です.3連休最終日のこの日も案の定15キロほど渋滞していました.
この日は朝5時過ぎに到着する予定だったのですが,なんと既に中房温泉の駐車場は満車.
麓にある中房神社の駐車場からマイクロバス利用(片道40分ほどで1,300円也)する羽目になりました.
3連休の最終日かつ人によってはお盆休みでさらに休みが続くという時期だったので,泊りがけで入っている登山客も多いだろうと予想はしていたのですが,まさか朝5時で満車になっているとは思いもよらず.
公共交通機関でアクセスする場合はJR特急あずさ号を利用し,松本経由でJR大糸線穂高駅へ.そこから中房温泉への定期バス便を利用することになります.片道で8,000円ほど.意外としますね.また横浜駅を6時過ぎに出発しても中房温泉に到着するのが正午過ぎになるため日帰り登山は難しく,宿泊登山前提になります.
合戦尾根を越えて合戦小屋へ
寝ぼけ眼をこすりつつ「ここまでの高速料金,ガソリン代に追加でバス料金か…」とブルーな気分でバスに揺られて中房温泉に到着.ここでは長野県下にて義務化されている登山計画書の提出のため行列ができていますが,自分はヤマレコアプリからインターネット経由で提出しているためスムーズに通過.
登り始めると,合戦尾根が北アルプス三大急登の1つに数えられるだけあって,なかなかの登坂が続きます.ひたすら樹林帯のなかを切り返しながらのダラダラした登り.途中にベンチで休憩できる広場が40分間隔くらいで4つ設けられているほかは平坦区間も少なく,登りづめなうえに展望も乏しい.
今回の山行は日帰りのためテントなど宿泊用装備を背負っておらず,カメラ機材のほかは軽装だったのでこれといって体力的に辛いということはありませんでしたが,精神的に堪えるルートではありました.
第一ベンチには水場があり水分補給できますが,中房温泉から40-50分の距離なので有難みは薄いw
そんなこんなでベンチ休憩しつつテクテク登山道を登っていくのですが,それにしても変化の乏しいルートです.
登山道脇には笹やら低木やら無節操にワッサワッサ生えているし,登山道上には石礫がゴロゴロしているしでシャッターを切ってもザワザワした写真ばかり.面白みでいうとそのへんの里山を登っているのと大差ありません.
4つ目の休憩箇所である富士見ベンチ.燕山荘まで距離でいうと半分近くのところに位置しているのですが,このへんでようやく木々の合間から隣の尾根がみえはじめる程度.なかなかの苦行です.
登り始めた時点では空一面に雲がかかっていたのですが,このあたりから晴れ間が広がってきました.標高2,000メートル超えとはいえ盛夏の日差しはキツいですね.汗だくになりながら登ります.
合戦小屋手前の尾根筋に到着.ここにきてようやく周辺の展望が開けます.左手奥に見えるのは燕山荘から槍ヶ岳方面に続く通称「表銀座」縦走コース途上の大天井岳…のはず.いかにも気持ちよさそうな稜線ですね.泊まりの山行はまだハードルが高くてチャレンジできていないのですが,いずれはテント持参でチャレンジしてみたいところ.
そして合戦小屋に到着.あまり広くはありませんけどベンチとテーブルが幾つも用意されているので大休止にはもってこい.スイカが名物だそうで多くのハイカーが舌鼓を打っていましたが,自分は前日にロードバイクで無理しすぎたのか胃をやってしまっており食欲がないのでパス.
青空のもと燕山荘へ向かう
ここで同行者の1人が膝に違和感…ということでペースを落として登ります.相変わらずの登坂ですが,登山道が花崗岩かな?ボロボロした脆い岩に変わり,登山道脇の草木も合戦小屋手前と比べて丈が低くなります.ようやくちょっとテンションが上がってきた.かわりにカンカン照りの日差しを受け体温が急上昇していきます💧
表銀座の尾根筋もますます近くなり,尾根筋上の山小屋が肉眼でもしっかり見えるように.読図が間違っていなければ大天井岳山頂付近にある大天荘.標高2,900メートルに位置します.きっといい眺めなんでしょうね.
ここでようやく燕山荘への尾根筋まで登りきります.ベンチもありますが日差しが照りつけるのでこの季節は休憩向きとはいえないかも.日帰りで燕岳に登る場合,本当に楽しいのはここからでしょうね.朝は曇だった天気も青空が顔を覗かせるようになり,うだるような暑さを別にすれば爽快なハイキングを楽しむことができます.
右手には本日の目標となる燕岳.ここからはまだ少し距離があるので35mm換算150mmの望遠で撮影しています.花崗岩でできた白い山肌と緑のコントラストが美しいですね.目をこらすと山頂にいる登山者も見えました.
道端にキレイなピンクの花が咲いていたのでLAOWAの広角ズームで撮影.調べてみたところハクサンフウロという花だそうで,この日はあちこちで見かけた記憶が.F11くらいまで絞っているはずですが,フルサイズセンサーで接写すると背景がボケすぎてしまいますね.超広角にこだわらずオリンパス機を使ったほうが良かったかも.
ここまで登ってしまえば,燕山荘までの道のりは稜線上を緩やかに登っていくだけ.前方には表尾根に燕岳から先へ続く尾根筋,後方には安曇野の平野部を見渡すことができます.
コース唯一の鎖場を通過すれば燕山荘はすぐそこ.鎖場といってもコース幅員が狭くなっているので安全のために設置されているというだけで,鎖を使う必要はありません.写真を見返していて気付いたんですが,燕山荘に近づくにつれて空のブルーが濃くなっていくようでワクワクします.
そういえば,合戦小屋から燕山荘あたりの登山道には数えきれないほどのトンボが空を舞っていました.トンボは他の昆虫を食べるはずですが,そんなに餌がいるんでしょうか.少し不思議.
心地よい稜線を燕岳の山頂へ
燕山荘に到着し,同行者は昼食.自分は相変わらず胃が食物を受け付けそうな状況ではなかったので行動食でカロリー補給だけして周辺を散策していました.山荘の写真も撮ったのですが,睡眠不足による集中力低下と紫外線で目をやられていたせいか,このへんからピンボケ写真を量産しており使いものにならず.山荘の皆さんゴメンナサイ…😫
山荘裏手から撮影した表銀座.槍ヶ岳の存在感がすごいですねえ.死ぬまでには一度くらい登ってみたいものです.燕山荘に到着したのは正午過ぎでしたが,この時間でもまだ続々とハイカーが表銀座方面に向かっていました.
逆方向の燕岳方面.やはり白い山肌が目をひきますが,ところどころ突き出ている奇岩も特徴的ですね.2枚目の写真は中望遠の35mm換算100mmで撮影して圧縮効果を出してみました.
燕岳までは見ためどおりの気持ち良い尾根歩き.燕山荘まではひたすら暑かったのですが,この稜線に出てからは西から吹き上げる風のおかげですこぶる快適.左手に見えるのは三俣蓮華岳かなあ.なだらかな山頂付近と,崩落の激しい沢沿いのコントラストが面白いですね.ここもいずれ登ってみたい.
山頂の写真も撮影したのですが,燕山荘の写真と同様にピンボケで使いものにならず.なんかこのあたりからファインダー覗いてしばらく視界がぼんやりするようになってしまっていたのだけど,これは疲労なのか眠気なのか標高による紫外線の影響なのか.もったいないことしたから次回から気をつけなきゃなあ.
山頂手前で存在感を放っている遺跡のような花崗岩.穴の空いたこれは「メガネ岩」と呼ぶのだそうで.
山頂から燕山荘へ戻るころには西側からガスが大量に吹き上げてきており曇り空に逆戻り.朝も曇りでしたし,ちょうど山頂付近で晴天に恵まれたのはラッキーでした.
山行の感想とか反省とか
下りはピストン登山で同ルートなうえ,途中からにわか雨に降られてカメラを収納したため割愛.
合戦小屋までの道のりは苦行以外の何物でもありませんでしたが,登山道はよく整備されていて危険箇所もまったくありません.初心者向けというのはそのとおりだと思います.
そしてなんといっても稜線に出てからが楽しかったなあ.北アルプスの山々が多くのハイカーに支持されるのも納得です.ただ,合戦尾根を登っていた時間のことを考えると稜線歩きを楽しめる区間があまりにも短かったので,やはりこのへんは宿泊して縦走するのがベストな楽しみ方なのでしょう.
実は40L級のザックとかシュラフとか宿泊に使える装備は一通り揃えているので,体力・経験がついてきて日程を都合できれば,今度はライトな縦走に挑戦したいですね.
日帰り登山する場合,やはりネックになるのは出発時間.この日は5時過ぎに到着して駐車場満車だったわけですが,これでも同行者を拾うため夜の1時に出発してます.そして自分はかなり夜型の人間なので,夜1時出発だとほとんど睡眠時間が確保できないんです.特にこのときは前日も日光サイクリングのため早朝出発していたため,体調次第では正直リタイアも覚悟していました.思ったほどコースがキツくなかったので登頂自体は余裕でしたけど,帰りは眠気でゾンビみたいになってました.整備された道なので危険はありませんでしたが,よろしい事態ではなかったなと.
そういう意味でも時間に余裕をもてる縦走が良いんでしょうね.縦走向きの山,日帰り向きの山,色々あるのでそのへんのアレンジもうまくやっていけるようになりたい.あと朝方人間になりたいんだけど,これはどうすればいいのやらw
新しいカメラ機材の感想
見てのとおり,今回の山行からカメラレンズを買い替えています.SONY Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM を Zeiss Batis 2/40 CF に,M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO を M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 に変更.Zeissレンズについては別記事で書きますが,防塵仕様でないAマウントレンズをアダプター経由で使用することによる不具合回避のため.オリンパスレンズは撮影の幅を広げる(ぶっちゃけると野生動物撮影に対応したい)ことが目的.
[sitecard subtitle=Batisを購入した経緯 url=https://steamc1aw.com/hiking-emount-50mm-lens/ target=new]
今回の山行で使ってみた感想ですが,やはりZeissレンズは期待どおりだったかなと.端正な写りをしてくれますし50mmから40mmという焦点距離の変化も違和感ありません.軽くなったうえにクロースフォーカス性能のおかげで花撮りに使えるという器用さには大満足.ただ,同じF値でも Planar T* に比べてボケが固くざわつくというのは確かに感じますね.
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 のほうはライチョウでも撮影できればよかったのですが,さすがにそう都合よくはいかず.インターネット上のレビューでは広角域において 12-100mm F4 PRO と同レベルとの評価でしたが,望遠だろうが広角だろうが描写は緩いと感じます.今まで使ってきたオリンパスレンズはキットレンズ以外,開放からパキッと映る印象だったので,そういう意味ではオリンパスらしくないというか.
まあ,12-100mm F4 PRO から100グラムも軽量化されたうえで望遠のリーチは2倍…ということを考えるとマイクロフォーサーズらしく取り回しのよいレンズではあるんですよね.ちょっと期待外れですが,ソニー機で対応できない焦点距離を埋めてもらうのがマイクロフォーサーズ機の役割なので,もう少し使い込んでみたいなと思います.
参考:当日の服装・装備
当日に着ていった・持っていったものはこんな感じでした.コース途中に山荘があるので水は1リットルのみの持参でしたが,まあ普通に足りません.最低でも1.5リットル持っていくのが正解ですね.
服装 |
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カメラ/レンズ |
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カメラアクセサリー | ー |
暑いので紫外線対策,熱中症予防のため帽子必須です.また本文で書いたとおり山頂付近から目の調子があまりよくなかったので,この高度になるとサングラスが必要になってくるのかもしれません.
前回の両神山の反省をもとにベースレイヤーを春秋冬のスリーシーズン用である「finetrack メリノスピンライト」からオールシーズン用の「finetrack ドラウトフォース」に買い換えてみましたが,なんだかんだ相変わらず暑い.来年は盛夏用のウェアを買ったほうがよい気がしてきました.
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