こんにちは.steamc1awです.
夏に登った燕岳以来,なかなか好天に恵まれず登山できていなかったのですが,9月21日にようやく日本アルプスの次の目標である八ヶ岳デビューを天狗岳にて果たしてきました.それではどうぞ.
山名 | 天狗岳 |
山域 | 北八ケ岳連峰 |
標高 | 2,645m (西天狗岳) |
登山日 | 2020年9月21日 |
天候 | 晴れときどき曇り⛅️ |
備考 | ー |
天狗岳について
天狗岳(てんぐだけ)は、長野県茅野市にある八ヶ岳連峰の山である。八ヶ岳連峰は夏沢峠を境に南側を南八ヶ岳(狭義の八ヶ岳)、北側を北八ヶ岳と呼ぶが、天狗岳はこの北八ヶ岳の最高峰である。山頂部は300mほどの間隔を置いて東西に分かれ、西天狗岳と東天狗岳と称する。
Wikipediaより
天狗岳の登山コース
渋の湯コース:渋の湯から黒百合ヒュッテを経由して東天狗岳に至るコース.
唐沢鉱泉コース:唐沢鉱泉から西天狗岳へ直登するコース.渋の湯コースへ合流するルートもある.
本沢温泉コース:本沢温泉登山口から本沢温泉を経て東天狗岳・根石岳の鞍部に至るコース.
しらびそ小屋コース:稲子湯からしらびそ小屋,中山峠を経て東天狗岳に至るコース.
ご覧のとおり,丹沢や奥多摩の山々並みに登山ルートのバリエーションが豊富です.コースによっては隣接する根石岳や中山を周遊して帰ってくることもできるので,コースを考えるだけでも楽しそうです.
今回はあまり深く考えずに渋の湯からのコースを選択.後から思えば「アーマード・コア」シリーズファンとしてはKARASAWA鉱泉を選ぶべきだったか….そして前回の燕岳の登山でも感じましたが,このへんの山は稜線歩きが最大の魅力のように思いますので,隣の根石岳やその先の硫黄岳あたりから縦走してくるというコースも次回は検討してみたいですね.
天狗岳自体は標高2,600メートルほどありますが,登山口の時点で1,900メートル近くあるので標高差は800メートル足らず.八ケ岳のなかでは初心者向けと言われるだけあり取っつきやすい山かと思います.
天狗岳登山口(渋の湯)へのアクセス
横浜から自家用車でアクセスする場合,中央自動車道を諏訪南インターチェンジで退出.
八ヶ岳エコーラインを経由し湯みち街道こと県道191号線を登っていけば終点が渋の湯です.
インターネットで事前に調べたときは渋の湯の駐車場は05:30に開放という情報だったのですが,6時すこし前について張紙を読んでみると06:00から駐車場開放とのこと.しばらく車中で待機して受付を済ませ,先に待っていた4台の車に続いて入庫.前日からの先客は3台だったので,あまり急ぐ必要はありませんが渋の湯の駐車場はあまりキャパが大きくないので,8時過ぎくらいには満車になってしまうかもしれません.
秋の連休最終日ということで例のごとく帰路の中央自動車道上り線の八王子インターチェンジ付近が大混雑.最近はあまり見なかった30キロオーバーの大渋滞となり6時間かかってようやく自宅に到着しました😂
公共交通機関で向かう場合は茅野駅からアルピコ交通のバスで渋の湯バス停へ.横浜駅発であれば始発電車が4時台と早いおかげで10時過ぎに渋の湯バス停に到着できます(季節によって運行スケジュールが異なるため時刻表要確認).
ただし復路のバスが15時前に出てしまうので,タクシーを呼ぶのでなければ日帰り登山は難しいでしょう.黒百合ヒュッテなりで一泊する計画をたてることになりそうです.片道4,600円ほど也.
天狗岳の山行記録
渋の湯から黒百合ヒュッテへ
先頭を歩くのがあまり好きではないので,他の人が先発するまで駐車場でのんびりして渋の湯駐車場を出発.登山口には登山届のボックスがあるのですが,皆さんここで登山届を記入しはじめたので前回同様ヤマレコ経由で登山届を事前提出している私が先頭になってしまいました😅
天狗岳への登山道ですが,初っ端から苔むした雰囲気たっぷりの道が続き,なかなか気分がよい.この日は登山開始時点で10℃近くまで気温が下がったので,ひんやりした空気も肌に心地よかったです.
苔むした登山道を歩いてゆく
まだまだ苔も青々としていて元気
登山道に入ってすぐ沢沿いに登る道と斜面を登っていく道とに分かれますが,どちらを選んでも20分ほどですぐ合流可能.ただし沢沿いに進んだ場合,途中の分岐を間違えると丸山や白駒池のほうに登っていってしまうので注意.ここまではゆるゆるとした登りですが,合流地点先から本格的に高度を稼ぎはじめます.
合流地点.ここから傾斜がきつくなってくる
この分岐点から八方台分岐までの登りが,黒百合ヒュッテまでのコース中では一番厳しい登りかも.この日も例によって寝不足気味で登りましたが,このへんが一番つらかった記憶があります.地図でみてもコース中ではかなり等高線が詰まってますね.とはいえ距離はそんなにないのでじっくり攻めれば登りきれますね.
まだまだ樹高のある樹林帯
この急登を登りきったところが八方台分岐.広場になっている他は何もありません.八方台分岐から先の登山道は勾配のなだからな登りになるため,だいぶ体力は回復できるはずなのですが僕はこの序盤でペース上げすぎたのが後々響くことになります😭
開けている割にベンチもない広場.仕方ないので倒木に腰掛けて休憩
バテ気味になりながらもペース維持しながら登っていくと,唐沢鉱泉からの登山道と合流する唐沢鉱泉分岐に到着.マイカー組の皆さんは唐沢鉱泉から登ってくることが多いらしく,渋の湯から登山開始したのが5グループに過ぎないのに対し,ここだけで4グループが休憩していました.登っていくハイカーが増えただけではなく宿泊してきたと思わしき少年グループの大集団とすれ違ったりと,一気に登山道が賑やかに.
ここから登りが再びはじまります.
ある意味ここからが天狗岳登山道の核心部だと思っていて,苔むした岩が道幅いっぱいにゴロゴロ転がっている区域に突入します.勾配はそんなにあるわけではないのですが,とにかく足元に注意しないと苔生したり朝露で濡れたりした岩でツルッと滑るので思ったより体力消耗しました.しかも滑ったときに変な踏ん張りかたをしてしまったのか左股関節を痛めるというオマケつき.まだまだ経験値が足りないようです😭
足の置場所に気をつけないと滑りやすい
丸太をわたしてあるなど整備は行き届いている
というわけで足元の不安定さには苦しめられましたが,登山道自体は随所で丸太や鉄板を渡してあるなどよく整備されていますし,そんなに距離があるわけでもないので黒百合ヒュッテにあっさり到着.前回の燕岳でひいこら言いながら合戦尾根を登っていたことを考えると拍子抜けするほどでした.
こちらは下山時のお昼時に撮影したので昼食を求めるハイカーで賑わっています
黒百合ヒュッテはテント場を備えており,この日はほぼ満場.規模は小さいですがカラフルなテントが並ぶさまは山のテント場らしくて良いですね.僕は鮮やかな色のテントが苦手なので持っているのはスノーピークの “FAL Pro.air 3” なんですけど.そのうち山で使いたい.
こちらも昼頃に撮影.皆さんすでに設営完了しています
黒百合ヒュッテから天狗の奥庭を経て八ケ岳縦走路へ
黒百合ヒュッテからはルートが2つに分岐し,登ってきた方向を直進すれば中山峠にて八ケ岳縦走路に合流.向かって右手に登っていくと天狗の奥庭を経由して天狗岳手前まで行くことができます.今回は擂鉢池を目当てに天狗の奥庭ルートへ.見てのとおりなかなかの急登で,黒百合ヒュッテから出てきた先行者に続いてひいこら登ります.
天狗の奥庭まで一気に登る
大きな岩を登っていく必要あり
ちょうど小屋から出てきた先行グループ.傾斜がよくわかります
振り返るとここまでで初めての展望が.雲海の向こうに見えるのは北アルプスの主脈かな?
黒百合ヒュッテもだいぶ下に見えるので一気に登ってきた感じがして爽快ですね.
まだ森林限界はむかえていませんが展望は開けてきます
あっという間に黒百合ヒュッテが眼下に
とはいえ,この展望はまだまだ序の口.天狗の奥庭への坂を登りきると天狗岳が眼前に😍
このあたりでちょうど雲が晴れてきて素晴らしい眺めを楽しむことができました.天狗岳はピークが2つある双耳峰となっており写真正面のなだらかなピークが西天狗岳,その左手の凸凹したピークが東天狗岳です.早くあの稜線を歩きたい!
擂鉢池は枯れておりただのガレ場と化していました.せっかくの三脚が…
北八ケ岳のなかでは険しい山容とされますが,それでもたおやかな雰囲気
ズームすると山頂に登山者がいることがハッキリとわかる.これは35mm換算140mm
アルプスと雲海をバックに立つハイカーさんを35mm換算150mmにて激写.いいポーズ👍
軽装ですがトレラン勢ではなさそうだったので,黒百合ヒュッテに荷物をデポしてやってきたのかな
天狗の奥庭はところどころ岩がゴロゴロして足場が悪い箇所もありますが,開けた地形と眺めが最高に気持ちいいですね.前回の燕岳ほどではありませんが奇岩のようなものもあり飽きない道です.おかげですっかりテンションが上りましたが,体のほうはついていけていないようで中山峠から続いてくる稜線との合流地点までの登りでガクッとペースダウンしてしまいました😭
天狗の奥庭は全体的になだらかだが,稜線への登りはそこそこの傾斜
まるで草原のようで風が心地よい
岩がゴロゴロしてるから天狗の奥庭なのでしょうか
燕岳のイルカ岩ほどではないがインパクトのある大岩
東天狗岳と西天狗岳のピーク
そんなに大したことのない登りに苦しみながらも何とか合流地点に到着.ここまで到着すればあとは東天狗岳まで僅かの行程なのですが一部急登あり.疲れた体に堪えます.しかもガスが戻ってきました.
あたりにガスが立ち込めはじめる
西天狗岳のピーク方向もガスだらけ
縦走路に合流して20分ほど.やっとのことで東天狗岳のピークを踏みました.座ることのできるスペースは結構あるのですが,傾斜面かつガレており開けているわけではありません.西天狗岳山頂なら平坦なスペースがあるので,バーナーなど出してゆっくり休憩を楽しみたいなら西天狗岳に向かってしまったほうがよいでしょう.
ハイカーで賑わう東天狗岳ピーク.見てのとおり大人数での休止には不向き
向かって右手には西天狗岳,だいぶガスっていますが正面には根石岳から硫黄岳に続く稜線が見えます.疲労困憊しているので今日はこのまま西天狗岳のピークを踏んでピストン下山することにしましたが,根石岳までなら日帰りでも無理なく足を伸ばすことができるはず.いずれは歩いてみたいですね.
東天狗岳から望む西天狗岳.かなりの数のハイカーが鞍部を行き来しています
根石岳へ向かう稜線.こちらもそこそこ人通りがありました
東天狗岳と西天狗岳のあいだの鞍部でハンガーノックを起こして15分ほど小休止というアクシデントに見舞われましたが,無事に西天狗岳も制覇.先ほど書いたように西天狗岳の山頂は平坦に開けているのでのんびりお昼ごはんを食べたい,あるいは大人数で休憩したいという場合はこちらがオススメ.
西天狗岳のピーク.開放感ある山頂で大休止にはもってこい
場所によりますが根石岳と硫黄岳の展望もちゃんとあります.2枚目写真の中央は根石岳山荘.左手のピークが根石岳.奥に向かって登山道が続いているのが硫黄岳です.一部ガスに隠れてしまっていますが爆裂火口も見えますね.なお硫黄岳と根石岳はこの数カ月後にチャレンジし見事敗退することになります😂
爆裂火口からの爆風に阻まれ敗退した硫黄岳日帰り山行の記録はこちら!
西天狗岳から望む根石岳山荘と硫黄岳.奥には赤岳も見えています
あまりの疲労と眺めのよさに西天狗岳にて20分ほど放心状態に陥る…😶
唐沢鉱泉から黒百合ヒュッテを経由して登っている場合,このまま唐沢鉱泉コースを下っていくことができるのですが,唐沢鉱泉は渋の湯から尾根筋をひとつ越えたところにあるため,それなら大人しくピストン下山したほうが体力的に無理がないだろう…と判断して西天狗岳に別れを告げ,東天狗岳へ.
西天狗岳から望む東天狗岳.相変わらず人の往来が多いですね
下山,黒百合ヒュッテでビーフシチューをいただく
登山時は天狗の奥庭を経由しましたが,帰りは中山峠を経由します.
好天ならば中山のほうへ続くなだらかな稜線が見えるはずなのですが,東のほうからガスが吹き上げてきており展望がイマイチ.天狗の奥庭以上に大岩がゴロゴロしていて歩きづらいので,個人的には天狗の奥庭コースのほうが好みかな.
稜線の東側からガスが吹き上げはじめる
こんな岩場を登ったり降りたり
これは登ってくのも結構大変そうですね
岩場を登ったり降りたりのアップダウンを挟みつつ中山峠に到着.ここまでくればあとは黒百合ヒュッテまでほぼ平坦です.
こんなところに荷物デポしてる人が.盗難とか大丈夫なんかな…
普段は山頂でも15分くらいしか休憩しない私ですが,ロクにカロリー補給もできていない今日ばかりは,ここで大休止.ヘタウマな白熊さんの絵に添えられた「おいしーいアイスあります」の言葉にも心惹かれますが,まずは名物ビーフシチューを頂戴することに.13時過ぎくらいのお昼時に降りてきたのでだいぶ待ちましたが,待った甲斐ある味わいでした😍
この時点では完全に疲労困憊してますが,どこか癒やされるイラスト
こういうヤマメシ写真にはクロースフォーカスのZeiss Batisが大活躍します
絶品シチューにあおいちゃんも大満足❓
山行の感想とか反省とか
ここからは登山時と同ルートなので割愛です.ちょうど稲の刈入れ時で田んぼが黄金に色付いていたりコスモスが綺麗に咲いていたので,しばらくドライブしてから帰宅しましたが…冒頭で書いたとおりに見事に大渋滞に引っかかりました😅
今回の反省点ですが,イチにもニにも体調面での準備不足ですね.寝不足気味というのはいつものことなのですが,今回はちゃんと前日の食事をとることができずに出発.朝食も「どこかコンビニに寄っていけばいいや」と思っていたら諏訪南I.C.下車直後にあるファミリーマートを過ぎると登山口までコンビニがないという想定外に見舞われ,ちゃんとした朝食ではなくリュック常備の非常行動食(カロリーメイト,ウイダーゼリーなど一食分を持ってます)を消費する羽目になるなど,かなりグダグダでした….これは本当に反省しないといけないです😓
ただ,天狗岳そのものはすごくよくて,なんといっても天狗の奥庭あたりの開放感や,すこしガスっていたのが残念でしたけど硫黄岳方面の展望は素晴らしいの一言でした.北アルプスに次いで八ヶ岳デビューもできて,今年の山行は本当に充実してるなあ.この記事を書いているいまはタイヤ履替えシーズンで「スタッドレスタイヤ高すぎでは…ほんとクルマは金食い虫だな」などと思ってますが,ほんと買ってよかったです.ディスカバリースポーツ.
山行当日の服装・装備
登山口は10℃を少し下回るくらいまで冷えたのでミッドレイヤーを着たくなりましたが,すぐベースレイヤーだけで行動できるくらいまで温まりました.この日は風もそんなに強くなかったので,温まってしまえば森林限界を超えても山頂までずっとミッドレイヤーも羽織りモノも不要でしたね.
服装 | finetrack スキンメッシュ finetrack ドラウトフォース finetrack ドラウトクロージャケット Salomon ショートパンツ finetrack ドライレイヤーベーシックタイツ Salomon X ULTRA MID GTX Millet MATRIX 30 The North Face フィンガーレスTRグローブ |
カメラ/レンズ | SONY a7ii OLYMPUS OMD-EM-1 MarkII Zeiss Batis 2/40 CF LAOWA 10-18mm F4.5-5.6 FE Zoom M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 |
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