こんにちは.steamc1awです.
2021年の初登山は三ツ峠(開運山・御巣鷹山・木無山).コロナ渦で先行きが不透明なご時世ですが今年の開運を祈って…ということで登ってきました.過去に何度か登ったことのある山ではありますが,手軽に登ることができるし展望も良いのでちょくちょく登りたくなりますね.それではどうぞ.
山名 | 三ツ峠(開運山・御巣鷹山・木無山) |
山域 | 御坂山地 |
標高 | 1,785m |
登山日 | 2021年2月20日 |
天候 | 快晴☀️ |
備考 | 日本二百名山,山梨百名山 |
三ツ峠について
三つ峠(みつとうげ)は、山梨県都留市、西桂町、富士河口湖町の境界にある標高1,785mの山である。峠ではない。三ッ峠山と呼ばれることもある。開運山(1,785m)、御巣鷹山(1,775m)、木無山(1,732m)の3つの頂上の総称であるが、最高峰である開運山を指すこともある。古くは奈良時代まで遡り霊山として知られた歴史をもつ。
Wikipediaより
三ツ峠の登山コース
三つ峠駅コース:富士急三つ峠駅から達磨石を経由して開運山に至る,古くからの正規コース.
三ツ峠登山口バス停コース:三ツ峠登山口バス停から木無山付近の稜線に至る最短距離のコース.
天上山コース:富士急河口湖駅から天上山を経由して木無山に至るコース.
この他にもJR中央本線笹子駅から清八峠を経由して御巣鷹山に至るルートと宝鉱山バス停から北口登山道を経由して同じく御巣鷹山に至るルートがあります.が,前者はかなりのコースタイムになるし後者は急傾斜で上級者向けとされており,歩いている人はあまり見かけない印象です.
三つ峠へのルート情報はこちらも参照!
今回は三つ峠駅ルート途上にある三ツ峠グリーンセンターに駐車し,天上山経由で河口湖駅に降りたのち富士急大月線で三ツ峠駅まで戻って車を回収するというマイカー利用としては変則的なルートを選択.
三ツ峠グリーンセンターへのアクセス
今回の山行の起点となる三ツ峠グリーンセンターへは中央自動車道の富士吉田線富士吉田西桂スマートインターチェンジにて下車して20分ほど走れば到着.横浜から2時間かからずに登り始められるのは嬉しいですね.
なお今回は河口湖駅に下山後,三つ峠駅から徒歩で車を回収するため三ツ峠グリーンセンターに駐車していますが,ピストン登山するのであればより登山口に近い「憩いの森公園」に駐車するのがベター.登山口前にも2-3台の駐車スペースがありますが,ここは今まで何回か見ていつも埋まっているので期待はしないほうがよいかと.
公共交通機関でアクセスする場合はJR中央線大月駅で富士急大月線に乗換えて三つ峠駅で降車後,徒歩15分で到着.横浜駅からだと凡そ2時間30分強ほどを要する行程となりますが,始発に乗れば朝8時から登山開始可能.なお登山口となる達磨石まではそこからさらに40分ほど住宅街と林道を歩く必要があります.
三ツ峠の山行記録
三ツ峠グリーンセンターから達磨石
先に書いたとおり,河口湖駅に下りたのち電車移動して車を回収するというルートを選んだため三ツ峠グリーンセンターに駐車.もともと三ツ峠に登る際によく使われる駐車場ではないので混雑について心配する必要なし.ここから登山口まで20分強ほど歩いていきます.
右奥に開運山の三つこぶが見えます
山祇神社というどストレートな名前
林道を歩いていく.ここはまだ車両乗入れ可です
登山口までは舗装された林道歩き.途中には20-30台ほど駐車できそうな駐車場を備えた憩いの森公園があり,山頂までピストン登山する場合にはここに駐車するのがオススメ.秋には紅葉がきれいな区間なのですが,冬なので落葉してしまっています.
川沿いの遊歩道.秋には紅葉通りになります
バス停名とは裏腹に富士山は影も形も見えない💧
木々の向こうに開運山のピークと中継局設備がみえます
キャパシティに余裕のある駐車場
トイレがあるので行っておきましょう
さらに林道をてくてく登っていくと木橋があり,そこからが三ツ峠登山口.ここにも2-3台駐車可能なスペースがありますが,アクセスの項で書いたとおり埋まっていることが多いですし,憩いの森公園から10分程度の距離なので大人しく憩いの森公園に駐車したほうが良いと思います.木橋を渡ると達磨石はすぐそこ.
この日も駐車スペースは満車
ここからが本番です
達磨石.不思議な文字は「アーク」といい密教教主の大日如来を指すのだとか
達磨石から八十八大師
ここで舗装された林道は終わり.達磨石からは登山道に入りますが,しばらくは里山のような杉林のなかを歩いていきます.これといった急傾斜はありませんが平坦区間が少なく登りが続くので,初心者の方はじっくり登っていきましょう.
杉林のなかを歩いていきます
階段もあり整備された登山道
\ コンニチハ /
達磨石から1時間ほどえっちらおっちら登っていくと「股のぞき」に到着.二股に分かれた松の木のあいだから富士山を望むことができるという面白い展望スポットです.ベンチもあるので,ここまでで疲れてしまったという人はしばらく休憩していくとよいです.
股のぞきから望む富士山.松と富士山はやはり風情がありますね👍
こんなふうになっています
ベンチもあるので疲れたら休憩しましょう
股のぞきで見つけた小鳥.目の周りの模様からしてカヤクグリだと思うのですが自信なし
股のぞきを出発して10-20分ほど歩くと「馬返し」に到着.おそらく馬で進むことができる限界という意味で名付けられたと思わしき場所ですが,その名のとおりここから先は急傾斜になります.馬返しは股のぞきと同様に富士山がよく見えますしベンチもあるので,しっかり足を休めてから進みましょう.
馬返し手前くらいから徐々に樹林の様相が変わってきます
馬返しから望む富士山
馬返し過ぎから登山道が険しくなります
階段の傾斜もきつくなってくる
急傾斜を登ったさきには三ツ峠が信仰の山であることを示す「愛染明王塔」や大岩「不二石」などがあり,間もなく八十八大師に到着です.
愛染明王塔.ここからも富士山を望むことができます
不二岩.フードがずれてケラれてます😥
岩場をまわりこむと八十八大師はすぐそこ
八十八大師から開運山山頂
八十八大師は江戸末期に建てられたといわれる地蔵の集団.山の斜面沿いに全部で81体いらっしゃるらしいですが,さすがに数える気にはなりませんでした😅 昼間は大丈夫ですが,闇夜に遭遇したら泣きます💧
さすがに風化が激しい
かなりの数が並んでいます
ここから登山道は開運山の特徴である岩場沿いにトラバースするコースをとります.斜面が若干崩落している箇所もあり,道も何とかすれ違いできる程度まで細くなるので注意して進みます.日陰を中心に残った雪がバキバキに凍っており,下りでは軽アイゼンかチェーンスパイクがないと少し怖そうでした.
岩壁沿いに取り付けられたコースを歩いていく
陽のあたる斜面はすっかり氷解しているが…
日陰では雪がアイスバーン状に
そこかしこに立派なつららができていました.M.ZUIKO 12-200mmですが見事な玉ねぎボケですね😫
そこからしばらく先には「白雲荘跡」.解体されていますがインターネット上で調べても詳細は不明.さらに「一字一石供養塔」そしてこの日は寄りませんでしたが「神鈴権現社」とランドマークが続きます.それにしても達磨石といい一字一石供養塔といい,信仰関係のスポットが多い山です.
デッキとトイレのほかは解体された白雲荘跡
木々がなければ良い展望がのぞめそう
一字一石供養塔.達磨石と同様に19世紀に造られたとのこと
一字一石供養塔を過ぎると開運山の名所,屏風岩です.ロッククライミングのゲレンデとして有名で,普段は幾つものグループが岩壁に取りついていますが,時節柄集団でのクライミングは避けているのか,岩壁の一部に氷が張っているこの季節はオフシーズンなのか,今日はクライマーの姿はみえませんでした.
ゴツゴツとした岩壁.今日はクライマーの姿はみえず
岩壁からつららが落ちてきているので壁際に寄るのは避けます
さすがに近くからみると威厳のある佇まい
屏風岩をまわりこんだ先で登山道は二手に分かれ,直進すると四季楽園.右手に向かうと富士見荘跡に到着します.開運山のピークへは富士見荘跡を通ることになるのでここで右折.階段が設けられしっかり整備されていますが,かなりの急登ですのでヒイヒイ言いながらじっくり攻めます.
どちらに進んでも三ツ峠には到着します
とどめを刺しにかかってくる急傾斜
富士見荘跡を過ぎると一気に人工っぽさが出てきます💧
富士見荘跡にて木無山から続いてくる稜線に合流.三ツ峠は登山者の多い人気の山であることに加えてエフエム富士,NHK甲府,YBSと3つのラジオ局が中継設備を構えていることもあってか,かなりキッチリ整備されています.初めて登ったときには拍子抜けした記憶がありますね😅
南アルプスの稜線.北岳あたりかな❓
山頂の一等地には日本放送協会の中継設備が
三ツ峠山頂めぐり
NHKの中継設備が見えてきたら開運山のピークはすぐそこ.富士山が眼前に鎮座しているほかアルプスも遠く望むことができ,三ツ峠といえば開運山というくらいの存在感を誇っています.小グループであれば休止可能ですが,決して広々としたピークではないので,ゆっくり昼食をとるには快適とはいえないでしょう.
定番の構図.南向きなので逆光になりがちなのが悩ましいところですね
木無山からの稜線と山小屋群.なだらかかつ広々としています
山頂の様子.休止できるのは4人グループくらいまでかな
登山者が途切れたところで記念撮影.人がいないのをいいことにヘッデンでライティングしてます
ここから開運山の裏手にまわり御巣鷹山に向かいますが,北側斜面は陽があたらないせいで雪がどっさり残っており,一部はスケート場のようにツルッツルになっています.ここまでの積雪区間は脱着が面倒くさくてやり過ごしてきたのですが,やむを得ずここでチェーンスパイク装着.
サクサク気持ち良い雪道
御巣鷹山・四季楽園との分岐点
御巣鷹山では北方から登ってくる清八峠コースや北口登山道コースと合流するのですが,いずれもマイナーコースなうえに御巣鷹山のピークは中継設備に占領されており休憩にも適さないため,通過点に過ぎない印象.
御巣鷹山手前からの富士山の展望.手前にあるのは四季楽園
かなり大きな中継設備が鎮座する
ピークの石標も施設敷地内に😓
お約束としてピークを踏んだあとは御巣鷹山から引き返し,分岐を四季楽園方面に歩いていきます.三ツ峠には四季楽園と三ツ峠山荘の2つの山荘があり,いずれもベンチとテーブルでゆっくり休憩することができるので,山頂ではなくこちらで昼休憩をとる人が多いように思いますね.
開運山手前にある四季楽園.今回は三ツ峠山荘を目指すため通過
開運山方面を振り返る
山頂は相変わらず賑わっています
ごついJEEPが置いてあるこちらは三ツ峠山荘
三ツ峠山荘で飼われているワンちゃん
大あくび😪
三ツ峠山荘に到着したところで大休止.この日は体力増強を名目に普段は持ち歩かないバーナーやキャンプ用のカフェラテメーカーを持ってきたので,ホットサンドイッチとカフェラテで一息入れます.
近所で買ったグアテマラ産コーヒー豆
スノーピークカフェラテセットを使用
コンビニサンドイッチでホットサンドを作りました
富士山を眺めながらの贅沢なランチタイムが楽しめます
落ち着いたところで木無山に向けて行動再開.三ツ峠山荘から木無山からもところどころ凍結していましたが,傾斜はないのでチェーンスパイクは不要でした.逆に登山口バス停コースへのほうは斜面が凍っていたので,そちらに下山したい場合はチェーンスパイク欲しかったかもしれません.
またまた富士山.ほんとどこからでもよく見えます
ところどころ残雪・凍結がありますがアイゼン等は不要
木無山ピーク.これといって何もありませんが気持ち良い草原です
木無山から河口湖駅へ下山
木無山からは天上山を経由して河口湖駅へ下山.これといって見どころのない緩やかな下りですが,稜線沿いに歩いていくので風が気持ち良い.また途中の送電塔からの展望は素晴らしく,このためだけに天上山ルートで下山することを選択しても後悔することはないですね.
距離があるぶん平坦区間が長く,トレランにも向きそう
途中でコースから分岐していく御殿
送電塔からの展望.富士山と河口湖を同時に望むことができる
なおこの天上山コースですが,途中で分岐があり御殿を経由して富士急下吉田駅に下山することも可能.とはいえ大した時間短縮にはならないので大人しく河口湖方面へ直進します.巻道で天上山を迂回して天上山公園に到着すると,河口湖駅はもうすぐ.
天上山手前で林道と交差します.この先に巻道があり天上山ピークは迂回可能
天上山公園.観光スポットで登山装備は完全に場違い
カチカチ山をモチーフにしています.
が,これはどう見てもうさぎのほうが悪党である😂
天上山の麓とを結ぶカチカチ山ロープウェイ
だいぶ下ってきました.河口湖畔の宿泊施設群
三つ峠駅から登る三ツ峠の感想
三つ峠駅または河口湖駅からバスを利用せず登山でき,横浜から車で向かう場合でも奥多摩並の移動時間というアクセスのよさと,眼前に富士山を拝むことができるというわかりやすい魅力を兼ね備えた山です.バス移動でも構わないなら登山口バス停から手っ取り早く登ることもでき,人気の高さもうなずけます.
ただ,山頂が開発されすぎている感じがするのがネックですね.
山頂に中継設備があるのは構わないのですが,特に四季楽園から御巣鷹山分岐を経て開運山の裏手に至る道はいかにも「工事車両が行き来しているんだろうなー」という汚い轍道で,かなりテンションが下がります.実際そのへんに工事車両が停まってますし.今回は積雪があったので多少はマシでしたが…🙁
三つ峠駅からのコースですが,駅から登山口まで30分以上歩かされることを別にすれば,股のぞきや馬返しからの「松×富士山」の風情ある景色,ちょうどよく歯ごたえのある難易度,迫力ある屏風岩の佇まい(クライマーがいると賑やかで尚良し),信仰の山であることを示すスポットの数々…と,なかなか魅力的なルートだと思います.
山行当日の装備
今年は夏にテント泊したいなあと思っており,馴れるために普段より荷物を増やして行動.そのため以前に買って放置していたオスプレー・レヴィティ45をデビューさせました.小型ミラーレスとはいえカメラ2台にレンズ3本,ついでに記念撮影用のねんどろいどフィギュアを持ち運ぶというアホなことをしているので,正直これくらい容量のあるリュックじゃないとバーナーとかのパッキングは本当にギリギリなんですよね😩
服装のほうはいつもどおり.行動中はミッドレイヤー(ドラウトクロー)も不要でしたが山頂ではそこそこ風が吹いており,行動を止めるとミッドシェル(フロウラップフーディ)まで着ても冷えました.特に湯沸かしの時間は辛いですね.ジェットボイル使いたがる人がいるのも納得.
登山道具 | finetrack スキンメッシュ finetrack メリノスピンライト finetrack ドラウトクロー finetrack フロウラップフーディ Millet TYPHON 50000 ワコール CW-Xスポーツタイツ Salomon X ULTRA MID GTX Osprey LEVITY 45 |
撮影機材 | SONY a7ii OLYMPUS OM-D E-M1 Mark2 Zeiss Batis 2/40 CF LAOWA 10-18mm FE ZOOM M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm |
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