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【山行記】スリリングな鎖場を楽しもう:乾徳公園から登る春の乾徳山

こんにちは.steamc1awです.
早く八ケ岳やアルプスに登りたいなあと思いつつ,そういった山々はまだ残雪シーズン.

そこで前々から興味のあった乾徳山に登ってきました.山梨県によるグレーディングでは「地図読み能力、ハシゴ・くさり場などを通過できる身体能力が必要」とされる難易度C評価となっており,初チャレンジの難易度でビクビクでしたが無事生還できました.それではどうぞ.

山名乾徳山
山域奥秩父山塊
標高2,031m
登山日2021年3月27日
天候晴れ☀️
備考日本二百名山,山梨百名山
目次

乾徳山について

乾徳山(けんとくさん)は、山梨県山梨市にある標高2,031mの山で、奥秩父の山域にある。西面には岩壁がそびえる岩山で、南アルプスや奥秩父の山々、富士山が遠望できる。東には南北に秩父往還が通じている。

Wikipediaより

乾徳山の登山コース

オソバ沢コース:乾徳公園から徳和川,国師ケ原を経由して乾徳山に至るコース.

道満尾根コース:乾徳公園から徳和峠,道満山を経由して乾徳山に至るコース.

大平高原コース:大平高原から道満尾根に合流するコース.国師ケ原に抜けることも可能.

今回はオソバ沢コースから登って道満尾根を下るという時計回りルートを選択しましたが,どのコースを選んでも鎖場にはチャレンジ可能.道満尾根から国師ケ原に抜ける登山道もあるなど,ルート選択は比較的自由がききます.

なお,距離・タイム的には乾徳公園から登るより大平高原から登ることでだいぶ短縮できるのですが,個人的には満足感を得られるコースタイムが凡そ6時間くらいからなので,大平高原コースで乾徳山を往復するだけだと少し物足りない気もします.大平高原コースを選ぶなら乾徳山の奥にある黒金山まで足を伸ばしてみたいですね.

CASIO PRO TREKでログを取ってみたところ高度データがありませんでした.すみません🙇

乾徳公園へのアクセス

自家用車利用の場合

登山口となる乾徳公園(徳和駐車場)へは中央自動車道の勝沼インターチェンジにて下車後,北に向かって40分ほど走れば到着.インターチェンジ下車後いきなり田舎道を走らされるのでビビりましたが,ちゃんと道中にコンビニがあるので補給については安心です.

10台強ほどのキャパシティがあるほか,近くの公民館の駐車場も臨時駐車スペースとして開放されているようです.こちらも乾徳公園と同様に10台ちょっとのキャパシティがありそうでした.

また,オソバ沢コースからピストン登山するのであれば,徳和川沿いに登山道入口近くまで登っていったところに5台ほど駐車できるスペースがあるので,そちらを利用すると若干のコース短縮が可能.道満尾根を下ってくる場合,徳和峠から駐車場まで登り返しになってしまうので徳和駐車場を利用するのとトータルでは大差ありません.

公共交通機関利用の場合

公共交通機関を利用する場合,JR中央線山梨市駅から山梨市市民バスまたはJR中央線塩山駅から山梨交通の路線バスを利用(いずれも乾徳山登山口バス停)することになります.

都心からアクセスする場合,塩山駅のほうが数駅手前なことと始バスの時間が早い(8時30分発)ことから山梨交通のほうが山行に適していますが,4月中旬から11月下旬までのハイシーズン以外はほぼ全便運休となるので,日程に応じた時刻表をしっかり確認したうえで登山に臨みましょう.

山梨市市民バスの時刻表は こちら
山梨交通路線バスの時刻表は こちら

横浜駅からだと片道で3時間40分ほど,2,650円となります.単独行だと料金的には自家用車より公共交通機関利用のほうがお得ですが,時間はかかってしまいますね.ペア以上の人数だと自家用車のほうが時間・料金ともに有利となります.

乾徳山の山行記録

乾徳公園から国師ケ原へ

朝6時頃に徳和駐車場に到着.もともとは5時30分過ぎを目指していたのですが,駐車場を見落として徳和の集落をグルっと一周してしまったので予定より遅れての山行スタートとなりました.

気温は5℃ほどで少し冷えを感じますが,行動をはじめればすぐ温まりそうな予感.

まずは徳和川沿いに林道を20分ほどテクテク登っていき,乾徳山登山口へ.なお登山道に入らず直進すると渓谷探勝を楽しむことができるという徳和渓谷に向かいます.滝が幾つもあるらしいので,新緑・紅葉シーズンに渓流撮りに挑戦してみるのも楽しそう.

登山口を過ぎると本格的な登りにはいります.傾斜はあまりきつくありませんが平坦は少なく,標準コースタイムにして90分ほど延々と登らされることになりますので覚悟していきましょう.

道中「銀晶水」という魅力的な名前の水場がありますが,ビニール管から水がチョロチョロ流れているだけで全くの期待はずれ.

さらに登っていくと「錦晶水」という水場に到着.こちらは銀晶水より水量がありますがビニール館から水が出ており風情の欠片もない点は変わらず.それよりもこの錦晶水にて登坂区間が終わり.ここからは国師ケ原となり気持ちよいトレッキングを楽しむことができるのが嬉しい.

国師ケ原から扇平へ

しばらく平坦区間を歩いていくと「四辻」に到着.直進すると道満尾根コースとの合流地点である月見岩へ,右手に向かうと大平高原への分岐点へ,左手に向かうと鎖場を迂回して乾徳山頂上に至るコースへ,それぞれ分岐します.乾徳山にきておいて鎖場を迂回などするはずもなく,迷わず直進.

分岐からしばらくすると月見岩に向けて高度を稼ぎはじめます.登山道の両側には笹が目立つようになり,随分登ってきたんだなあと実感させられます.

そのまましばらく歩いていくと扇平の草原となり,視界が開けて眩しい青空が目に入るように.振りかえると遮るものなく富士山を望むことができます.これはいいご褒美ですねえ.

登りきったところが道満尾根コースとの合流地点である「月見岩」.
扇平の草原に一際大きな岩がデデンと鎮座しており,一体全体どこから転がってきたものなのか気になるところ.この他にも,少し進んだところには石の窪みが手洗い場のようになった「手洗石」なるものもあります.

扇平から乾徳山頂上へ

扇平を過ぎると,再び登山道は樹林帯へ.しばらくは石礫がゴロゴロした道を登っていくだけですが,しばらくすると乾徳山の核心部である鎖場に到着.とはいえ序盤の鎖場はそんなに難しくなく,丹沢の表尾根コースを踏破できる体力・経験があれば問題なく突破できるでしょう.

しばらくすると少しずつアスレチックな箇所が出てきます.まずは崖になった岩場をまわりこんでいく区間.鎖場ではないのだけど高所恐怖症な人には結構ハードかも.

順番が前後しますが,途中に「髭剃岩」なる2つに割れた奇岩があります.髭が剃れてしまいそうな狭さだから髭剃岩なのでしょうか.小柄な人ならザックを降ろしてなんとか通れるくらい.なお突きあたりは断崖絶壁だそうなので勢いあまって飛びでてしまわないように注意です.

この他にも「胎内」という何ともはやな名前の岩も.確かに包み込まれるような感じに潜り込むことができる隙間があるのだが…このネーミングは未だに謎です.

アスレチックのほうに話を戻すと,まず最初の大きな鎖場は「雷岩」.雷のようにギザギザ模様に削れた岩場で,6-7メートルくらいかな.そこそこの高さがあります.一方で名前のとおり足場は無数にあるので,滑落しないようしっかり鎖を離さず登れば難しいことはありません.

そして最大の難所となるのは山頂直下の「鳳岩」.
15メートルはあろうかという垂直にちかい岩壁で,これが山梨県のグレーディングで難易度C評価となっている所以でしょう.雷岩と違って足の置場がなく,割目に足先を引っ掛けるしかありません.したがって踏ん張りがききづらく,足だけでなく腕の力も使って登る必要があります.

どうしても登れないという人は,ハシゴを使った巻道で登頂可能です

乾徳山の山頂ですが,鳳岩を登ったところにあることからもわかるように岩場となっています.もともと狭いうえに登山者も多く,あまりゆっくり休憩できる場所ではありません.道中に幾つか景色を楽しみつつ休憩できるスペースがあるので,昼休憩をとるなら頂上よりもそういった道中のスペースまたは扇平を選んだほうがよいでしょう.

乾徳山頂上から道満尾根を経て下山

乾徳山の頂上から下山するには,今まで通ってきた鎖場を戻るコースと,西側斜面をトラバースして鎖場を迂回しつつ国師ケ原に下るコースの選択肢があります.鎖場はすれ違いできないこともあり,見ているかぎりスピード重視で巻道を選ぶハイカーが多かったのですが,せっかくだから鎖場を下る練習もしたいよねということで扇平まで戻る鎖場コースを選択.

ただし鳳岩はちょうど対向のハイカーが何人かきていたのでハシゴを使って降りました.

核心部の鳳岩を巻いてしまったので,あとはサクサクと下っていき扇平に到着.
ここからは道満尾根を下っていきますが,まあ…普通の登山道ですね.強いていうなら途中で道満山に登り返さないといけないので精神的にちょっとダメージを受けるところがオソバ沢コースとの違いでしょうか.

途中で大平高原への分岐を「ここから登っていればもっと早く帰れたのになあ…」と思いつつ通過し,道満山から徳和峠へ.道満山から先はあまり人が歩かないのか落葉がかなり積もっており,気を抜くとズルっと滑るので下りは要注意です.

徳和集落から駐車場の道中に「旧坂本家住宅」という県指定有形文化財の旧家があったので見学してみたりしつつ,ゆるゆる下山して帰宅.

乾徳公園から登る乾徳山の感想

ということで乾徳山の山行記録,いかがでしたでしょうか.
樹林帯・草原・鎖場の3つが楽しめる山として有名ですが,やはり醍醐味は富士山を眺めながらの鎖場でしたね.特に鳳岩の岩壁は初経験でさすがに興奮を禁じえずでした.

コースの難易度ですが,今回は装備を軽量化して臨んだこともあり,これといって難しいと感じる箇所はありませんでした.宿泊装備でこれを登るとなるとまた違うレベルの体力が求められると思いますが,ともあれ難易度Cとグレーディングされている山でも登れることがわかったので,今度は金峰山・瑞牆山あたりに挑戦してみたいです.

単純な山の魅力としてはアルプスや八ケ岳には負けるかもしれませんが,公共交通機関利用でも首都圏から日帰りできるレベルの山としてはエキサイティングな山行が楽しめる山ですので,富士外輪や大菩薩連嶺などは物足りなくなってきたなあ…という方は是非お試しあれ.

山行当日の装備

難易度の高い鎖場があるということだったので装備軽量化のためにファストハイク用ザックの “Montane ULTRA TOUR 22” を使用.カメラケース,交換レンズそして最低限の登山ギア(タオル,ヘッデン,救急セット,食料など)を入れるとパンパンになってしまうので,ブログに載せるような山行ではあまり出番がないのですが,重量500グラム強という軽量ザックです.

あとは通常どおりの装備.ミッドシェル(フロウラップフーディ)は例のごとく登山口を過ぎたところでお役御免となり,行動中はミッドレイヤー(ドラウトクロー)も不要な暖かさでした.頂上でのんびり休憩できる山ではないので,遭難のリスクを考えなければミッドレイヤーも不要ですね.

登山道具finetrack スキンメッシュ
finetrack メリノスピンライト
finetrack ドラウトクロー
finetrack フロウラップフーディ
Salomon ショートパンツ
ワコール CW-Xスポーツタイツ
Salomon X ULTRA MID GTX
Montane ULTRA TOUR 22
撮影機材SONY a7ii
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark2
Zeiss Batis 2/40 CF
LAOWA 10-18mm FE ZOOM
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm
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