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【山行記】多摩川源流を探して:作場平から登る春の笠取山縦走

こんにちは.steamc1awです.

前回の乾徳山に続いて奥秩父の山々巡り.今回は「笠取山」と「唐松尾山」の二峰縦走となります.多摩川・荒川・富士川の分水嶺ということで,多くの都民がお世話になっている山だといえるでしょう.ちょっとルート設定を間違ってしまい最後に数キロメートルの林道歩きをさせられる羽目になりましたが,山行記録をお届けします.

山名笠取山・唐松尾山
山域奥秩父山塊
標高1,953m ・ 2,109m
登山日2021年4月11日
天候晴れのち曇り☁
備考山梨百名山,新・花の百名山
目次

笠取山・唐松尾山について

笠取山(かさとりやま)は埼玉県秩父市と山梨県甲州市の境にある標高1,953mの山で、奥秩父の山域の主脈の一つに位置している。山頂の南側は、多摩川の水源であり、南斜面の山林一帯は東京都水道局の水源涵養林(東京都水源林)となっている。

Wikipediaより

唐松尾山(からまつおやま)は、埼玉県秩父市・山梨県甲州市の県境にある標高2,109.2mの山である。奥秩父の山域の主脈の一つ。植林により、かつて山一帯がカラマツ(針葉樹マツ科カラマツ属)林だったことから名が付いた、といわれる。

Wikipediaより

笠取山の登山コース

作場平コース:作場平からヤブ沢峠,笠取小屋を経て笠取山に至るコース.

雁坂峠コース:広瀬湖から雁坂峠,水晶山を経て笠取山に至るコース.

笠取山をメインに登るのであればこの2つが主なコースになりますが,この他にも将監峠から唐松尾山に登るというコースもあります.ただし将監峠は笠取山・唐松尾山よりも和名倉山(白石山)への登山口というイメージがありますね.

今回のコースですが,ただ笠取山に登って作場平に降りてくるだけのコースだと物足りなさそうなので,笠取山から唐松尾山へ縦走し,将監小屋から三之瀬に降りてくるという行程を組みました.

作場平駐車場へのアクセス

登山口となる作場平駐車場へは中央自動車道の勝沼インターチェンジにて下車後,大菩薩ラインを50分ほど走って到着.前回登った乾徳山と途中までは同じコースですね.

大菩薩ラインから作場平への最後のアプローチは曲がりくねった林道.アスファルト舗装の劣化による凸凹が結構あるのでスポーツセダンなど最低地上高の低い車両は要注意です.駐車場のキャパシティは合計20台ほどでしょうか.

なお2021年4月11日時点では丹波山村方面から一ノ瀬集落を経由して作場平に至る林道は崩落のため通行止めになっています.甲州市側の落合までまわってアクセスする必要があるので,奥多摩方面からアクセスする方は要注意.

作場平へはマイカーでのみアクセス可能で,タクシー利用するのでなければ公共交通機関によるアクセスはできません.公共交通機関利用の場合は雁坂峠から登ることになりますが,よほどの健脚でなければ日帰りは難しいと思いますので笠取小屋なりで一泊することになります.

笠取山・唐松尾山縦走の山行記録

作場平駐車場から笠取小屋へ

早朝から愛車ディスカバリースポーツを走らせ,作場平駐車場には5時過ぎに到着.もう4月なので多少は暖かいかと思ったのですが,車載温度計は1℃をマークしており予想以上の冷えこみです.

しばらく沢沿いに平坦な遊歩道を歩き,30分ほどで一休坂分岐.直進するとヤブ沢峠を経由して尾根伝いに笠取小屋ですが,右手に向かうと笠取小屋に直接登ります.とはいえ短縮できるタイムはせいぜい5分-10分なので気分で選んでしまってよいかと.

分岐を右折してからはササに囲まれた快適な登山道.高度は着実に稼いでいきますが傾斜は大したことなく,ハイキング気分で歩くことができます.

40分ほど歩くと沢にかけられた木橋を通過.沢沿いに登っていきます.ここで15分ほど渓流撮影して遊びましたが,日陰では歩いていないとあっという間に体温を持っていかれちゃいますね.

停滞しているうちに後続のハイカー数名に追い抜かれたので,追いかけるかたちで登山再開.つづら折りの斜面を登っていきますが,ここも傾斜は緩やかなので苦労することはありません.

登ること20分ほどでしょうか.水汲み場が見えたら笠取小屋はすぐそこ.ここまでゆるゆるの傾斜しか登ってきておらず,かなり不完全燃焼感を覚えつつの到着です.

笠取小屋から笠取山へ

笠取小屋は南側の展望が開けており,大菩薩連嶺の山並みを望むことができます.

小屋の裏手はテント場となっており,ヤブ沢峠方面へはよく整備された木道が延びています.軽トラも停まっているのでそちら方面から車両乗入れできるようになっているのかな🤔

笠取山方面へはヤブ沢峠から続く木道を登っていく.登りきったところで落ち武者スタイルの笠取山山頂が姿を現します.心臓破りとの評判どおりハードそうな傾斜.「うわーつらそう」と思うとともに,ちょっとワクワクもしますね.

雁坂峠への分岐を過ぎた小ピークを登ると,多摩川・荒川・富士川の分水嶺.小さな石碑と,分水嶺について説明した案内板が建てられています.ここから南側に降った雨水は多摩川に,東側に降った雨水は荒川に,西側に降った雨水は富士川に注ぎこむのだそうで,数メートル差で雨水の運命が分かれると思うと不思議なものですね.

笠取小屋から3つ4つほどアップダウンを乗り越えていくと笠取山への最終アプローチ.登っていくのに要する時間は20分足らずなのですが,それまでのハイキング気分が一気に吹き飛ぶような急登となっています.

写真を撮りながらのんびり登るのですが,しっかり足をあげないと登れないような箇所もあり,一歩一歩スクワットしているような気分になりながらヒイヒイ登っていきます.とはいえ距離は全然大したことないので,特にピストン行程を予定している方はのんびり攻めればよいでしょう.

虫の息になりながら登りきったところが「笠取山展望地」.そうです展望地.笠取山の山頂はここではなく少し奥にあります.ただし山頂のほうは狭いので,食事休憩をしたいなら笠取山山頂よりもこちらの展望地のほうがよいでしょう,展望地からは富士山などがよく見えます.うーん爽快.

しばらく展望を堪能したのち,山頂へ向かいます.
ここまで傾斜はともかく随分とおだやかな道でしたが,ここからは奥秩父らしい岩場も姿をみせるようになります.

笠取山から唐松尾山へ

展望地から山頂までは10分足らず.先ほど書いたようにスペースは広くないので休憩地としてはあまり適切ではありません.展望もそれほどないので「ここが山頂かあ」とひとしきり見渡して満足したら先に進みます.

まず笠取山から下って水干との分岐へ.水干は多摩川の源流という興味深いスポットなのですが,今回は唐松尾山まで巡るロングコースなのでスルーして唐松尾山方面へ.まずは隣接する黒槐山に登り返します.(なお登山道は黒槐山山頂を経由せず,付近を巻いていくのみ)

黒槐山からは楽しい楽しい稜線歩きかと思ったのですが,一箇所かなり高度を下げる箇所があり,唐松尾山へはそこから登り返す必要があります.この辺からかなり雲が増えてきました.早朝から登り始めておいてよかった.

唐松尾山山頂は樹林に囲まれており,これといった展望はありません.

あとから地図を見返すと北側尾根伝いに少し進んだところに「展望よし」との記載がありましたが,現地ではトラロープ封鎖されており気付かず.羽根田治氏の『ドキュメント道迷い遭難』で北側尾根に突っこんで遭難した人のエピソードが載っていたので,遭難防止のためかもしれません.

唐松尾山から将監峠を経て下山

ということでそそくさと下山を始めますが,このへんでついに天気が曇りに.
さっさと林道まで下りてしまいたいのですが登山道上に岩が残っていたりして思ったよりペースを上げられず.途中展望がよいという「御殿岩」との分岐がありますが,すっかり曇ってしまっていたのでまたの機会にやってくることにしてスルー.

しばらく下っていき「山ノ神土」まで到着すればあとはなだらかな下り.ここから北東方面に進むと和名倉山.南西方面には唐松尾山の南方を巻く道があり,笠取山方面に戻ることができます.この日は将監小屋で昼食の予定だったので将監峠方面へ.なんと雪がちらつきはじめてしまったので先を急ぎます.

将監峠から,そり滑りできそうな一面ササの斜面を下ると将監小屋に到着.コロナの影響で小屋は休業中のほか,トイレも冬季閉鎖中.相方ともどもバーナー持参なので小屋には期待していませんでしたがトイレが閉鎖中だったのは予想外.相変わらず寒いのでさっさと昼食をとって下山再開です.

将監小屋から将監峠登山口までは車両乗入れできる道がずっと続いており,あとは1時間ほどひたすら下るのみ.そして将監峠登山口からは作場平までさらに1時間ほど林道を歩かされます.まあ林道くらい…と思っていたのですが,予想より登らされる羽目になり最後の最後でどっと疲れました😰

作場平から登る笠取山・唐松尾山の感想

ということで笠取山・唐松尾山の山行記録,いかがでしたでしょうか.
展望については笠取小屋ー笠取山展望地間のほかは樹林に囲まれていることが多くあまり期待できないのですが,宿泊前提でなければ自家用車またはタクシーでしか登ることのできない山域だけあってハイカーも多くなく,比較的静かな山歩きを楽しむことのできる山です.

奥秩父名物シャクナゲトンネルなんかもちらほら見かけましたので,その季節に再訪してみたいなというのと,笠取山ではありませんが将監小屋をベースに和名倉山・飛竜山に登るコースはいずれチャレンジしてみたいところ.

公共交通機関しか使えない方,特にビギナーさんがわざわざ登るべき山だとは思わないのですが,自家用車所持のハイカーさん,また自家用車がないハイカーさんでも日帰りできる山は一通り制覇しちゃったしなあ…という場合には手頃にテント泊できる山として魅力的なのではないかと思います.

山行当日の装備

春の奥秩父だったので快適にハイキングできるだろうとナメてましたが,登山口から0℃近くという寒さ.しばらく歩いているとミッドシェル(フロウラップフーディ)は不要になりましたが,ずっと行動し続けるのでなければミッドレイヤー(ドラウトクロー)は手放せずでした.

さらに山ノ神土あたりで雪がちらつきはじめてからは行動中を含めてミッドシェル着用.去年11月に登った硫黄岳並に寒かったような感覚です.やはり春はまだまだ気が抜けませんね💦

登山道具finetrack スキンメッシュ
finetrack メリノスピンライト
finetrack ドラウトクロー
finetrack フロウラップフーディ
Salomon ショートパンツ
ワコール CW-Xスポーツタイツ
Salomon X ULTRA MID GTX
Osprey LEVITY 45
撮影機材SONY a7ii
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark2
Zeiss Batis 2/40 CF
LAOWA 10-18mm FE ZOOM
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm

SLIK SPRINT MINI II
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