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【山行記】まるで要塞探検:浜金谷駅から登る千葉鋸山

こんにちは.steamc1awです.
サイクリングついでに千葉県の高尾山(?)こと鋸山に登ってくる機会がありました.房総半島は山がちな割に標高の高い山が少なく,この千葉鋸山も標高329メートル,しかもロープウェーを利用して麓から5分ほどでアクセス可能…という高尾山と比べても可愛く思えてしまう山です.

一方で石切場として栄えた歴史とその遺構を抱え,かつ東京湾と浦賀水道,そして天気のよい日には富士山まで見晴らすことのできる展望を有する隠れた名山でもあります.

山名鋸山
山域房総丘陵
標高329m
登山日2021年5月23日
天候曇りのち晴れ☁
備考
目次

鋸山について

鋸山(のこぎりやま)は、千葉県安房郡鋸南町と富津市との境に位置する標高329.4メートルの山。山は凝灰岩から成り、建築などの石材として適している。そのため古くは房州石と呼ばれ、良質石材の産地として、江戸時代から盛んに採石が行われた。結果、露出した山肌の岩が鋸の歯状に見えることからこの名で呼ばれるようになった。

Wikipediaより

鋸山の登山コース

車力道コース:浜金谷駅から車力道を経て鋸山に至るコース.

日本寺コース:保田駅から日本寺,地獄覗きを経て鋸山に至るコース.

その他にも浜金谷駅方面からは車力道コースから分岐して観月台を経由するコースと,現在は通行止めになっている沢コース.保多駅方面からは鋸山ダムから大きく迂回してくるコースもありますが,最も人気なのは採石の歴史を感じられる車力道コースだろうと思います.

さらに鋸山ロープウェーを利用すれば地獄覗きの少し手前まで登ってくることが可能なほか,マイカーであれば鋸山パノラマラインを経て鋸山山頂駐車場までアクセスすることで,ロープウェーと同様に地獄覗きの少し手前から登山開始することも可能です.

今回は無難に車力道から登り,登頂後はロープウェー山頂駅方面まで足を伸ばして地獄覗きを観光.そこから観月台を経て下山するコースを選択.

浜金谷駅へのアクセス

マイカーでのアクセス

登山口となる浜金谷駅へは館山自動車道・富津館山道路の富津金谷インターチェンジから東京湾沿いに10分ほど走って到着.

浜金谷駅には駐車場がありませんが,金谷海浜公園の無料駐車場を利用可能なほか,登山口近くにも有料の駐車スペースが幾つかあります.どちらもキャパシティは小さく,到着が遅れると駐車場難民になる可能性あり.

公共交通機関でのアクセス

浜金谷駅はJR東日本内房線の駅で簡単にアクセスできそうなのですが,東京湾アクアラインを利用したショートカットが可能なマイカーと異なり東京湾岸をぐるっと回っていくため,予想以上に時間がかかります.

例えば2021年11月時点の土日祝ダイヤでは4時21分に横浜駅を出発して7時35分に浜金谷駅到着という,山梨方面に出るのと大差ない移動時間.神奈川県下からアクセスする場合,久里浜港と金谷港とを結ぶ東京湾フェリー(所要時間40分,片道800円)の利用も検討したほうがよいでしょう.

鋸山登山の山行記録

浜金谷海浜公園から車力道分岐

長野や山梨方面と違ってアクセス時間が短いため,無理することなく5時過ぎには浜金谷海浜公園に到着.そこからは浜金谷駅と駅前の商店街を通り過ぎて登山口へと向かいます.

金谷周辺ですが,いい具合の田舎ですねえ.房総丘陵が海岸線から後退した僅かな空間に立地する漁村で,昔は賑わっていたのかもしれない目抜き通りを過ぎるとすぐに住宅街.その住宅街も内房線の高架を潜るまでで,とても小ぢんまりとした規模の集落です.

大型車では通行に難儀しそうな小路を抜けて富津館山道路沿いに歩いていくと,まずは観月台,そして沢コースへの分岐.そこから車力道方面へ歩いていくとさっそく眼前に鋸山が姿を現します.削り取られ緑に覆われた岩壁は,まるで要塞の遺構のようです.

富津館山道路から離れて未舗装路に入ると車力道.
鋸山から切り出された石材を麓まで運ぶために利用された石敷きの道ですが,多少蛇行しているとはいえ車両の通行に配慮したとは思えない傾斜です.当時はこの道を,主に女性が80キロもの石材を荷車に積んで下っていたというのだから驚き.

道中ですが,かなり登山道脇が荒れているのが印象に残りました.令和元年房総半島台風の影響だろうと思いますが,頂上付近の展望台から眺めていても木々が薙ぎ倒されたり崩落している箇所があちらこちら生々しく残っており,自然の脅威を実感させられます.

石敷きの道が終わり,石階段を登り始めると車力道分岐まではもう少し.
なんなら高尾山よりも簡単なのでは?というくらいの登りですが,あちこちベンチが設置されているので登山慣れしていない人でも簡単に登ることができると思います.

車力道分岐ではロープウェー山頂駅や頂上展望台から鋸山山頂に続く登山道に合流.車力道を登り始めてから木々に隠れて見えなかった石切場跡の岩壁が再び姿を現します.

車力道分岐から鋸山山頂

車力道分岐から地獄覗き・ロープウェー山頂駅方面に少し進むと,石切場直下まで行くことのできる箇所がありますが,まずは山頂を目指して直進.コース中で最も厳しい登りとなる急傾斜の階段が待ち構えているので,心してかかりましょう.

階段を登りきると,展望台への分岐があります.ロープウェー山頂駅側にある地獄覗きの展望台は標高がここより低く,また低山である鋸山山頂からは展望が乏しいため,パノラマビューという点では最も優れた展望スポット.通過してしまうのはあまりにも勿体ないので是非立寄ってください.

ただ,この日は雨上がりで曇のち晴れの予報だったのですが,往路の時点では雲がまだまだ残っているという空模様.山頂まで往復してくる間に天気が回復することを祈りつつ,ひとまず山頂へ向かいます.

山頂までは「鋸」山の名に恥じぬアップダウンの連続となりますが,そこまでハードな傾斜はなくなだらかな道のり.石切場も展望台を少し過ぎたところが最後となるため,よくある低山ハイキングという趣の区間です.

山頂すこし手前にある千葉テレビの電波塔付近からチラチラと青空が顔を覗かせるようになり,今後の天気に希望がもてるようになってきました.

展望台から20分ほど歩いたところで山頂に到着.北側のみ展望が開けており,天候が良ければ京葉エリアの工業地帯を望むことができますが,この日はまだまだ雲が残っており房総丘陵の山々が見えるばかり.

鋸山山頂から地獄覗き

山頂にはベンチがありますが,まだまだご飯には早い時間でやることもないため,そそくさと元きた道を引き返します.このあたりから天候がぐんぐん回復していき,再び展望台を訪れたときには爽やかな青空が頭上に広がっていました.

この展望台ですが,円形にベンチが置かれており15人ほど座れるようになっています.山頂はベンチが小さいうえに陽当りもよろしくないので,のんびり休憩するなら断然こちらがオススメ.

房総半島と東京湾の大パノラマを堪能したあとは,さらに車力道分岐まで引き返します.ちょうどカエルの産卵シーズンだったようで,道中にある池近辺では盛んにカエルの鳴声が聞こえました.

さらに引き返していき車力道分岐を通り過ぎると「岩舞台」への分岐.石切場の直下に設けられた広場で,イベントスペースとして使われることもあるようです.迫力ある大絶壁を拝むことができるので,こちらも展望台とあわせて是非とも立寄ってもらいたいところ.分岐からは5分程度.

再びメインの登山道に戻り10分ほど歩いていくと日本寺への分岐.まっすぐ降りると観月台を経て浜金谷駅ですが,鋸山にきたからには地獄覗きは見ておかねばということで寄り道です.なお地獄覗きは日本寺の境内にあり拝観料700円を納める必要があります.

地獄覗きへは,日本寺境内の入口から階段を5-10分ほど登っていった先.鋸山ロープウェーの山頂駅があるため,登山者向けでない観光ガイド情報では,鋸山としてここが紹介されていることが少なくありません.

大きくせり出した岩場から東京湾や三浦半島を望むことができるというスポットですが,先に書いたとおり展望そのものは山頂方面にある展望台のほうが優れているので,そこまで感動するほどのものではありません😅

なおこのあたりは日本寺境内のうち「山頂エリア」に該当し,そのほかにも百躰観音がある羅漢エリア,大仏像のある大仏広場など見どころが沢山あるのですが,この日は下山後にサイクリングを予定していたため,全エリアをまわる余裕はなくここでタイムアップ.下山と相成りました.

地獄覗きから観月台を経て浜金谷駅

観月台を経由する「関東ふれあいの道」コースは浜金谷駅から地獄覗きへの最短ルート.一方で車力道と違なり傾斜がかなり厳しい箇所もあります.とはいえ登山者でなくともハイカーなら余裕で突破できるレベル.

観月台は麓近くにある公園跡で「京浜急行グラウンド」の記念碑が.
言うまでもなく京急グループの地盤は神奈川県南西部であり,「なぜ房総半島に京浜急行???🤔」と思ってしまいますが,京浜急行のサイトを見てみると「南房総エリアをラクラク周遊!東京湾もフェリーでお得にひとまたぎ。美しい自然が残る南房総エリアへGO!」などと謳ってフェリー券とのセットプランを売っていたりします.

記念碑によると公園は1952年開園.金谷港のある鋸山の観光開発によって,玄関口である久里浜港へのアクセス路線たる京急本線が賑わうはず…などという皮算用をしていた時代があったのかもしれません.

観月台からはそこそこ長い階段を降りて麓へ.
登山開始時には誰もいなかった海浜公園駐車場も,戻ってくる頃にはすっかり満車.登山口から海浜公園へ向かう途中にも駐車場を探してウロウロする車が何台もいました😥

車力道から登る千葉鋸山の感想

ということで千葉鋸山の山行記いかがでしたでしょうか.
ロープウェーでアクセスできる山としては以前に昇仙峡の羅漢寺山を紹介したことがあります. 羅漢寺山も白砂と奇岩が特徴的な個性ある山でしたが,この鋸山も石切場跡という負けず劣らずの個性を有する山ですね.

また,山が個性的というだけでなく,海沿いにあるため標高300メートルちょっととは思えない展望が楽しめるのも魅力.多くの人はロープウェーで山頂駅にアクセスし,日本寺の境内を散策して帰ってしまうと思うのですが,それだけで済ますには勿体ない山だと思います.山頂とまではいかなくとも,岩舞台や展望台までは是非とも足を伸ばしてみてほしいですね.

おまけ:登山後のサイクリング

ここまでが前菜で本命のサイクリングですが,初の中距離ライド.
千葉県公式観光物産サイトにて中級コースとして紹介されている「Bay to Ocean房総横断コース」に意気軒昂でチャレンジしたところ,折返し地点過ぎという一番イヤらしいタイミングで相方が膝を故障し,這々の体で帰還という大敗北を喫してしまいました….

怪我の功名というべきか,帰りが遅れたおかげで竹岡あたりから見事な夕焼けを拝むことができましたが,いつかリベンジしに再訪しないといけませんね.

山行当日の装備

バックパックがMontane Ultra Tourになった他はいつもどおりの装備.
以前登ったときは「低山だしガチ装備はいらないだろう」などと侮って広角ズームを持ってこず後悔したので,LAOWA FE 10-18mm FE ZOOMの超広角で石切場跡や展望台からのパノラマを撮影できたのは大満足でした.

登山道具finetrack スキンメッシュ
finetrack メリノスピンライト
finetrack ドラウトクロー
finetrack フロウラップフーディ
Salomon ショートパンツ
ワコール CW-Xスポーツタイツ
Salomon X ULTRA MID GTX
Montane Ultra Tour 22
撮影機材SONY a7ii
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark2
Zeiss Batis 2/40 CF
LAOWA 10-18mm FE ZOOM
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm
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