こんにちは.steamc1awです.
年末の登り納めとして東京都最高峰を誇る雲取山に日帰りで登ってきました.どこかで雲取山は泊まりが基本だと聞いたことがあって(そういえば登山漫画『ヤマノススメ』でも頂上でテント泊してましたね.)ビビリ気味だったのですが,自家用車アクセスならば案外どうとでもなる難易度でした.それではどうぞ.
山名 | 雲取山 |
山域 | 奥秩父 |
標高 | 2,017m |
登山日 | 2020年12月27日 |
天候 | 快晴☀️ |
備考 | 日本百名山,山梨百名山 |
雲取山について
雲取山(くもとりやま・くもとりさん)は,東京都・埼玉県・山梨県の境界にある標高2,017.13mの山.東京の山で2000mを越えるのは,この山のみとなっている.秩父多摩甲斐国立公園の代表的な山の一つで,日本百名山に選ばれている.1都2県にまたがるとともに,東京都の最高峰・最西端の山でもある.
Wikipedia より
雲取山の登山コース
鴨沢コース:鴨沢バス停から七ツ石山,小雲取山を経由し南東方向から雲取山に至るコース.
三峯神社コース:三峯神社から霧藻ケ峰,白岩山を経由し北方向から雲取山に至るコース.
三条の湯コース:お祭バス停から三条の湯を経由し南西方向から雲取山に至るコース.
メジャーな山だけにアプローチする方法も色々ありますが,一般的なのはこの3コースだと思います.Wikipediaなどサイトによっては東日原バス停から日原林道を経由するコースが掲載されていることもありますが,これは2021年時点において通行止めになっているため間違って利用しないように注意してください.
雲取山に至る各コースの通行止め状況は奥多摩ビジターセンターのWebサイトで確認!
今回は横浜方面から自家用車でアプローチしやすい奥多摩方面,かつ駐車場のキャパシティに余裕のある鴨沢コースを選択.自家用車利用のため同じコースをピストンで往復してくる計画としました.
丹波山村村営駐車場へのアクセス
鴨沢コースの本来の起点は奥多摩湖の最奥から少し先,西東京バス「鴨沢」バス停.その鴨沢バス停脇に駐車することもできるのですが,鴨沢バス停から車で10分ほど林道を登ったところに丹波山村村営駐車場という無料の駐車スペースがあり,そこを起点にすることで20分ほど時間短縮することができます.
なお丹波山村村営駐車場は数十台の駐車スペースを有する比較的大きな駐車場ですが,前泊していた同行者を途中奥多摩駅で拾ったりしていたら到着が朝の7時になってしまい,その頃にはほぼ満車となっていました.年末を山で過ごすハイカーで賑わっていたせいもあると思うのですが,早めの到着を心がけたほうがよいと思います.
公共交通機関でアクセスする場合,JR青梅線奥多摩駅から西東京バスに乗って30-40分ほどでアクセス可能.鴨沢バス停を経由する「鴨沢西行き」「丹波行き」を合計すると1日に10本近く便が出ておりアクセスは悪くありません.
ただし横浜駅からだと始発に乗っても奥多摩駅を7時ちょうどに発つバスには間に合わず,次の便はなんと8時35分.これだと鴨沢バス停からの登山開始は9時過ぎになってしまいます.宿泊前提といわれる所以ですね.ただし帰りのバスは,鴨沢から徒歩10分ほどのところにある留浦バス停から19時59分の最終バス便が出ていますので,ヘッデン利用さえ覚悟すれば公共交通機関でも日帰り登山できそうです.
西東京バスの「ハイキング時刻表」をこちらで確認のうえ登山計画を立てましょう
雲取山の山行記録
丹波山村村営駐車場から七ツ石小屋へ
冒頭で書いたとおり,予定より少し遅れて7時に丹波山村村営駐車場に到着.30台ほど駐車できるスペースのうち,もう残り3枠ほどかというところで何とか滑り込みできました.隣に駐車したオッチャン(ホンダのシビックかな?走り屋ぽいクルマにスタムホイール履かせてました)に,20分ほど話しこまれたのち出発.
村営駐車場から七ツ石小屋までは杉林のなかをひたすら歩く.たまーに木々が途切れて展望を楽しめる箇所もありますが,神奈川県民としては丹沢の大倉尾根を連想させられる単調な登りです.
登山道に入って1時間ほど歩いたところで杉林から背の低い広葉樹林帯に入り,尾根筋らしきものに乗上げ.しかし相変わらず展望のない単調な登りなことに変わりはありません.さらに30分ほど歩いたところでようやく木々の切間がみえはじめ,富士山の姿が拝めるようになります.そこまでいけば七ツ石小屋は近くです.
急登を登りきると七ツ石小屋に到着.小屋泊(素泊まり4,000円)は5名まで,テント泊(500円!)は20名までという小規模な小屋ですが,トイレや水場があるので休憩には丁度いい.特別に展望がいいわけではありませんが,周囲の山々や富士山を望むことができます.
七ツ石小屋から雲取奥多摩小屋跡へ
七ツ石小屋を発ってすぐの場所に水場が.あわせて七ツ石山(1,757m)への分岐があり,七ツ石山へ向かう登山道のほか,七ツ石山を迂回していく巻道があります.同行者がバテ気味だったので無理せず巻道へ.斜面をトラバースする平坦な道で,木々の間からの展望も悪くない.ようやくテンションが上ってきます.
巻道を20-30分ほど歩いたところで「ブナダワ」に到着.ここで七ツ石山から下ってくる登山道と合流します.日原林道方面から唐松谷沿いに登ってくる登山道との合流地点でもあるのですが,日原林道が通行止めのためトラロープで封鎖中.まあ日原林道から七ツ石山方面に登り下りする人は珍しいでしょうけど.
ブナダワから先は防火帯として尾根筋が切拓かれており,快適な稜線歩きを楽しむことができるようになります.今までは木々越しにしか見えなかった富士山や奥秩父主稜線もはっきりとその姿を望むことができるようになり俄然やる気がわいてきます.道幅も広く,とても快適ですね.すれ違いや追い越しに気を使う必要がないのでトレランすると気持ちよさそう.
小さなアップダウンを繰り返しつつブナダワからしばらく歩いていくとヘリポートのある「五十人平」に到着.ちょうどヘリコプターが飛んできたのでヘリポートに着陸するシーンが撮れるかと思ったのですが,そのまま通りすぎていきました.遭難者でも出たのでしょうか.機体はJA36MP「はやぶさ1号」で警視庁所属.伊アグスタ社製A109とのこと.
ヘリポートまでくれば雲取奥多摩小屋「跡」はすぐそこ.ヘリポートすぐ先から,以前はテント場だったであろう開けた土地がちらほら見えはじめ,さらに先の樹林地帯には小屋があった跡地があります.閉鎖した山小屋は朽ちるに任せられることが多いですが,ここは綺麗さっぱり撤去されておりロープで封鎖された土地だけ.これといった写真も残っていません.
雲取奥多摩小屋跡から雲取山山頂へ
雲取奥多摩小屋跡を過ぎると小ピークであるヨモギノ頭への登り.それなりの傾斜ですが,体力に自信がなければ巻道を使うこともできます.同行者が結構バテていたのでここも巻道を選択.
ヨモギノ頭から下ってくる正規の登山道に合流すると,今度は小雲取山への登りです.残念ながらこれは巻くことができないので,完全にへばっている同行者にあわせてのんびり登坂.見ていると歩幅を大きく取りすぎなので,足を動かすペースは一定で,傾斜がきつければ歩幅を小さくするようアドバイスしてみました.
つづら折りの坂道を制すれば小雲取山.といっても山頂はただササが生えているだけで何もありません.地図で「ここが小雲取山です」と言われなければ誰もがスルーしそうな目立たなさです.しかしここで標高は1950メートル近くまで到達.標高的には雲取山山頂はもう射程圏内すぐそこです.
小雲取山にさえたどり着いてしまえば,あとは再びよく切り拓かれた稜線歩きを楽しみつつ雲取山山頂へ.最後の山頂直下の登りだけ少し険しいですが,あとはゆるゆるした登りです.
雲取山山頂は開けており周囲,特に南西から南東方向にかけてよく見渡すことができます.山頂も休憩するのに十分なスペースがあるので昼食などの大休止も余裕.
七ツ石山を経由して下山
簡単に昼食をとって下山開始.登山開始が遅かったので日帰り装備のハイカーさんとはあまりすれ違いませんでしたが,泊まり装備のハイカーさんたちが続々と登ってきていました.なかには中学生くらいのソロハイカーも.冬休みを登山して過ごすなんて子供の頃は考えてもみなかったなあ😅
ブナダワまで戻ってきたところで七ツ石山まで制覇して帰るかどうかを同行者と協議,歩幅を小さくするようにしてだいぶ楽になったということで帰りはチャレンジしていくことになりました.七ツ石山からは雲取山と山頂までの稜線がよく見えるので,個人的には往路に踏んでおきたいピークですね.
鴨沢から登る雲取山の感想
冒頭で書いたとおり日帰り登山には抵抗のあった雲取山ですが,自家用車アクセスであれば7時30分すぎに登山開始して16時すぎに下山と,比較的余裕をもって登ることができました.
神奈川県民としては大倉尾根から登る丹沢山のスケールを大きくしたイメージですね.丹沢山も大倉尾根で登ると,塔ノ岳まではひたすら我慢我慢で,塔ノ岳から丹沢山のあいだの稜線歩きが本番という趣ですが,こちら雲取山も七ツ石山までは我慢の区間.そこから雲取山までの稜線が本番です.
山頂までの距離が比較的長いので,日帰りだと三峯神社から鴨沢を貫通するルートにするくらいしか工夫のしどころがありませんが,雲取山荘での宿泊を前提にすれば飛龍山に登ってから降りてくるというルートなども考えられますね.いずれにせよあと一回は登ってみたい山ではあります.
山行当日の装備
恒例の上半身finetrack + サロモンシューズ + ミレーマトリクスという装備.
山頂以外ではミッドシェル(フロウラップフーディ),ミッドレイヤー(ドラウトクロー)ともに不要でした.ミレーティフォンパンツもハーフパンツに置換えて問題ないくらい暖かかったです.
登山道具 | finetrack スキンメッシュ finetrack メリノスピンライト finetrack ドラウトクロー finetrack フロウラップフーディ Millet TYPHON 50000 ワコール CW-Xスポーツタイツ Salomon X ULTRA MID GTX Millet MATRIX 30 MBS |
撮影機材 | SONY a7ii OLYMPUS OM-D E-M1 Mark2 Zeiss Batis 2/40 CF LAOWA 10-18mm FE ZOOM M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm |
コメント