2020年4月に納車された中古のディスカバリースポーツ.
威厳がありつつも威圧的すぎない洗練されたデザインには相変わらず惚れたままだし,2列目シートを畳まなくてもキャンプするのに十分な荷物を積むことのできる積載力も頼りになる.痛い出費ではありましたが後悔はしていません.
そう,カーオーディオがヘボすぎるという一点を除いて….
※ 正確にいえばハイオク燃料なのも辛いですが,これは理解のうえで買ったので我慢💧
プレミアムブランドだからといってオーディオシステムの品質が良いわけではない…ということはネットなどで読んでいましたがここまでとは.仕方なく都内にある某カーオーディオショップさんに持ちこんで一式アップグレードしてもらいました.
ディスカバリースポーツの純正オーディオの不満
私の所有するディスカバリースポーツは2016年式のHSEモデル.
ディスカバリースポーツにかぎらずジャガー・ランドローバー(JLR)の車両はオプションで英国メリディアン・オーディオ社のサウンドシステムが選択可能ですが,愛車は純正オーディオ装備となります.
購入後の不満と改善
購入後に気づいたのは (1) 音がフロントガラスに貼りついているかのような鳴りかたをすること,そして (2) 中-低音がまったく鳴っていないこと.
(1) についてはインフォテイメントシステムのフェーダーがフロントスピーカー全振りになっており,これが原因.前オーナーさんの趣味ですかね.リアスピーカーからも音を鳴らすようにしてサクッと解消.
(2) のほうはもうちょっと根深くて,まずディスカバリースポーツは純正オーディオの時点でAピラーにツイーターが設置されているマルチway構成なのですが,これが悪さをしていて純正のままだとツイーターの音だけを聞いているような状態です.このツイーター自体は悪くなくて女性ヴォーカルもののポップスなんかは意外とイケる.
のですが,私がよく聞くHR/HMなどは聞くに堪えないほどの酷さ.まずギターやドラムスがスカスカ.そしてツイーターとミッド・ウーファーの一体感がない.ヴォーカルの声域が低いと,ヴォーカルが2つにぶった切られて聴こえるという有様です.
これはフェーダーで音域バランスの調整を試みるものの満足のいく改善に至らず.
オーディオ改善のための機材選定
おかげで納車半年後には音楽を鳴らさず,かわりに窓を空けて走るようにまでなってしまいました.私が車を走らせるのはアウトドアや旅行という長距離用途にほぼ限られるので,快適な車内リスニングができないというのは苦痛.
とりあえず何とかしたいなと思い英国ヴァイブ・オーディオ社のエントリークラススピーカー「SLICK6-V7」を購入しました.
しかし肝心の取付けができない🙁
というのもランドローバーなどというマイナー車種,ドアカバーの外し方がネットのどこを見てもないんだね.ディーラーに聞けばわかるかと思って電話してみたものの「知らん」と軽くあしらわれてしまいました.
情報はカネで買うもんだとショップに出すことを決意した瞬間です.
ショップ担当者さんと相談しながら仕様決定
当初想定していた要件はこんな感じ.
- 純正のツイーターマウントを活かすためフロント2way
- フロントスピーカーだけの音は不満だったのでリアスピーカーも鳴らす
- 低音不足を解消したいのでサブウーファーは欲しい
- デッドニングや防振は効果不明なので今回は見送り
そして,あれやこれやと調べて外車の作業経験が豊富そうなショップさんに相談,機材の詳細を詰めていきます.結果,こんな感じになりました.フロントスピーカー以外は全てエントリークラスの製品で揃えています.
音源 | JLR純正インフォテイメントシステム |
---|---|
DSP | audison bit Ten |
フロントスピーカー | Vibe BlackAir 3C Black Edition |
リアスピーカー | Vibe SLICK6C-V7 |
サブウーファー | Rockford Fosgate R1-1X12 |
スピーカーアンプ | Vibe POWERBOX60.4-V7 |
サブウーファーアンプ | Vibe POWERBOX400.1M-V7 |
できればサブウーファーまで英国製の機材で揃えたかったのですがヴァイブ・オーディオ社製品に丁度いいスペックのものがなく,アングロサクソン繋がりで米国製ロックフォード・フォズゲートです.
DSPも追加:カーオーディオってややこしい
DSPは個人的に不要だと思っていたのですが,JLRインフォテイメントシステムの仕様上ハイローコンバーター(3万円也)を噛ます必要があるとのことで,それくらいなら安いDPSでも噛ましとけばいいじゃない…ということで追加と相成りました.ただしショップさんには運転席だけではなく助手席や後席でも均等に聴こえるようタイムアライメントは使わないようお願いしてあります.
私はヘッドホンオーディオメインで聞いている人間なので,音というのはオーディオプレイヤーからデジタルで出てきて,それをDACでアナログに変換してアンプで増幅…という素朴なイメージしかないのですが,複数スピーカーを鳴らす必要のあるカーオーディオでは信号の経路がより複雑,特に独自のインフォテイメントシステムを採用している外車では特にそれが顕著(国産車の汎用カーナビだともう少しシンプルらしい)なようです.
このへん全く理解していなかったので,そういう意味でもプロオーディオショップさんに相談したのは正解だった.
カーオーディオショップさんにて作業
作業工賃込みでなかなかいい値段の見積もりが返ってきましたが,ちょうど年次ボーナスが入ってきたタイミングだったので作業発注.
ここまでくれば果報は寝て待て…と思っていたのですが,ショップさんに車両を預けてから数日後スマホに着信が.不吉な予感がしつつ電話をとると「ちょっと想定外のことがありまして」とイヤな一言が…
純正オーディオの仕様が想定と違う…
私がインターネットで調べた情報によると,ディスカバリースポーツの純正オーディオは「フロント2way,リア1way」の6スピーカー仕様だったはず.
しかしショップ担当者さん曰く「バラしたらスピーカー11個(フロント3way + リア2way + サブウーファー)ついてました」.オプション装備のメリディアン・サウンドシステムは11スピーカー仕様だということも調べていたので,その旨を伝えたのですが「メリディアンの機材はついてないですねえ」と.これは一体全体どうしたものか.というか.
スピーカー11個つけておいてあのヘボい音しか鳴らせんのかい😇
サブウーファーなんかに至っては存在すら感知できなかったぞ?
ショップさんのご厚意で解決
というのはいいんですが,問題はDSPの入力チャンネル数が足りないこと.一番どうでもいいDSPで引っかかるとは…と頭を抱えていたのですが,なんとショップのデモカーから降ろして倉庫に寝かせていたという型落ちの上位機種(10チャンネルくらいあるやつ)を格安で譲って頂けることになり事なきを得ました.
ご厚意賜ったショップさんには感謝してもしきれません🙇♂️
ちなみにショップ担当者さんによると,ランドローバーブランドの車両はネットで調べた情報もディーラーに教えてもらった情報も出鱈目が多く,まあそんなもんですよと.あまり他人と被らないのは嬉しいけど,こういうときに情報がないのは困ったもんだ.
オーディオアップグレードを終えた感想
などというトラブルがあったものの,無事にアップグレードされて返ってきた我がディスカバリースポーツ.しばらく走らせて感じてみたことを幾つか.
まずはやはり中-低音域がしっかり鳴るようになりました.
以前はツイーターに音量で負けているわ,音質もなんだか籠もっていて聞けたものではないわと散々だったのですが,ようやく「ギターが鳴っている」といえる水準に到達.ベースやドラムスも存在がちゃんと感じられます.
次に,少し意外だったのですが音のまとまり・一体感が出たこと.
アップグレード前は「ツイーターから高音が飛んできて,他は足元でモゴモゴしてる」状態だったのが,完璧とはいえないものの高音域から低音域までがひとつの音の塊として認識できるように.これは嬉しい.
しめて40万円くらいの作業(メーカーオプションのメリディアン・オーディオは15万円)でしたが,廃車にするまで楽しめるんだと考えれば,そんなに悪い投資ではないかなという印象.ただし乗換えサイクルが早くて数年で下取りに出しちゃうような人であれば,メーカーオプションのオーディオアップグレードのほうが下取り価格まで見込んだコストパフォーマンスは優れていると思います.
おまけ:ちょっと不満だなあと思うところ
それなりに音量を出してやらないと本領発揮できないところ.
同乗者と快適に会話できるような音量まで絞ると,どうしてもAピラーにあって耳との距離が近い&減衰の少ないツイーターが目立つようになっちゃうので,その点はセパレート型の弱点が出てしまっているかな.
あとはまあ聴き慣れたヘッドホンオーディオと比べたとき中音域の深みとか色々物足りなさがあるんだけれども,これはどうみても沼の入口なので,しばらくは気にしない方向で平和に暮らしたいと思います.
費用のうち工賃がかなりを占めるので,ある程度は自分で作業できるようになったほうがいいんでしょうね.ちなみにドアカバーの外し方は教えてもらえたので,スピーカー裏に吸音材を貼ってみるとか,そのへんはちょこちょこ手を加えてみようかなと.
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