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フィギュア紹介:『初音ミク』マジカルミライ 2019 Ver.

こんにちは。steamc1awです。本日は「F:NEX」(フェネクス)より発売の1/7スケールフィギュア『初音ミク マジカルミライ 2019 Ver.』の写真をお届けします。

商品名初音ミク マジカルミライ 2019 Ver.
作品名初音ミク
発売時期2020年7月
メーカーF:NEX | フリュー株式会社
デザインni02
原型製作Design COCO
サイズ全高 約240mm
価格17,380円 (税込)

元ネタは紹介するまでもないクリプトン・フューチャー・メディアが発売するバーチャルシンガーソフトウェアより『初音ミク』。ボーカロイドの元祖であり、10年以上前である2007年に発売されたにも関わらず今なおフィギュアが発売され続ける人気キャラクターです。

様々なデザイナーとブランドによって毎年のようにフィギュア商品が発売されていますが、大体どれも気合の入った立体化となっているのが特徴。メーカー問わずフィギュアにつきもののハデな値下がりがあまり見られないキャラクターで、コレクションしがいのあるシリーズとして所有しているフィギュア愛好家も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、初音ミクを世界に送り出したクリプトン・フューチャー・メディアと、東京エリアのローカルテレビ局であるTOKYO MXが主催するイベント「マジカルミライ」の2019年開催時のキービジュアルを立体化したもの。キービジュアルの担当はイラストレーターのni02氏。この2019年からイベントテーマが設定されるようになり、この年は「フューチャーサーカス」というテーマでの開催。キービジュアルもこれを踏まえたデザインとなっています。

デザイナーさん曰く「ミクちゃんらしい未来感と、クラシカルになりすぎないサーカス感の両立を目指してデザイン」したとのこと。衣装デザインは奇術師をモチーフにしたものでしょうか。白黒基調の衣装ですが初音ミクのイメージカラーであるピンクとブルーも随所に散りばめられています。鮮やかな原色の差し色やマイク、髪飾りなどの小物は近未来的なデザイン。

  • 元絵を忠実に立体化、ネオンカラーによる近未来的な世界観をしっかり再現
  • 衣装の裏、靴裏など細かいところの塗り分けがしっかりしている
  • 初音ミク定番、ボリュームある髪型をクリアパーツで表現
  • 他の初音ミクのフィギュアに比べると幼さを感じるプロポーション
目次

フィギュア全体像とプロポーション

それではフィギュア全体像から参りましょう。
F:NEXは白無垢バージョンやウェディングドレスバージョンなど、衣装違いの凝ったフィギュアをよく出しているイメージがあるフィギュアブランド。この商品でも、元絵の衣装デザインをうまく再現しているように思います。斜めに立っているポージングのため、腰部でフィギュアを支える支柱が付属。

パッと見の印象としては、私の所有している他の初音ミクのフィギュアに比べると頭身がやや低めに抑えられており、どこか幼いイメージを受けますね。その割にですが、他の初音ミクフィギュアがほっそりした細身のプロポーションになっていることが圧倒的に多いのに対して、このフィギュアは若干ですが肉付きがよく、女性性が感じられるのは面白いかも。

ボリュームある髪の毛の動きやポージングも相まって、ステージ上で元気いっぱいパフォーマンスを繰り広げるアイドルというイメージかな。初音ミクのイメージカラーを意識した差し色は、元絵と比べるとビビッドなネオンカラーで再現。近未来的な衣装デザインをうまく表現できているのではないでしょうか。意外なことに衣装の背中側はざっくり開いたデザインになっています。

ディテール : 顔まわり

顔まわりは元絵を比較的忠実に再現。細かいところでいうと、元絵では向かって右手にカメラ目線を配っているようにみえるのに対して、こちらではまっすぐ前を見据えている点が違いでしょうか。また、瞳もピンクや星形のキャッチライトが追加で入っており、アイドルっぽさを演出しています。口を大きく開いた笑顔が可愛らしいですね。

頭部には白とゴールドのマジシャンハットに加えて、ツヤっとしたブラックとネオンピンクの髪飾りが付属。猫耳モチーフなのかな。これは3パーツに分割されており、左右パーツを本体に差し込んだあと、後頭部側パーツを磁石で固定するという不思議な構造になっています。磁石でパーツ固定するなんていうフィギュアはこれ以外に見たことなく、面白い工夫です。ただ、このパーツの塗装はちょっと値段なりのチープさを感じますね😓

髪の毛はどの初音ミクフィギュアでもハイライトになるパーツですが、このフィギュアでもボリュームある髪の毛の動きを丁寧に表現。ツインテールが両側に大きく広がっているという造形は、(例えば風でなびいているとかではなく)ステージ上で初音ミク本人がパフォーマンスを繰り広げているというシーンを強く印象付けているんじゃないでしょうか。

造形だけでなく髪の毛そのものも、毛先に向けて淡くなっていくグラデーション塗装に加えて、先端部分はクリアパーツとなかなか力の入った造り。毛先だけクリアパーツ仕上げという表現は、最近ちょこちょこ見かけるようになってきていますが、2020年当時はさほど一般的ではなかったように記憶しています。

ディテール : 衣装と胴まわり

奇術師の服装といえば燕尾服ですが、これは19世紀のフランス人マジシャンであるロベール・ウーダンが、よりスマートで洗練されたスタイルのマジックを始めたことに端を発しているそうです。当時のスマートで洗練された服=正装といえば燕尾服であり、そのまま燕尾服やスーツスタイルが奇術師の服装として定着したのだとか。袖口やポケットなど、あちこちに物を隠すことができることもトリックを行ううえで都合がいいみたいですね。

このマジカルミライ2019バージョンの初音ミクも、テールのついた黒のベストを中心として燕尾服を模したデザインになっています。ブラウスはノースリーブですが、カフスボタン留めの付け袖、白手袋、蝶ネクタイなどは燕尾服のモチーフに沿ったものか。一方で、アイドル衣装っぽいアレンジが施されていますし、随所にネオンカラーの差し色が施されているので、あまりクラシカルさは感じません。

決して高価格帯フィギュアではないので、驚くようなディテールにまでこだわって立体化されているわけではありませんが、基本をおさえた堅実な造りになっています。例えば、ブラウスのフリルなどは凹凸をつけるだけの表現ですが、胸元のステッチはしっかり塗装されていますし、スカートのヒダなどはきれいな造形ですね。

これはフィギュアというよりも元絵の功績ですが、差し色の入れ方が丁度いい塩梅。ピンクはベストの縁や蝶ネクタイのほか、ベストの裏側にも入れられています。白いスカートに反射するネオンピンクが美しい。ターコイズのようなブルー色も、胴部と腰部、さらにベストのテール裏とで濃淡がつけられているなど、芸が細かいです。このブルーの使い分けはフィギュア独自のアレンジ。塗り分けもしっかりしていますね。

初音ミクは全年齢向けのキャラクターなので、このフィギュアもキワドい箇所はなし。他の初音ミクフィギュアに比べると肉付きがよく女性的と書きましたが、バストが控えめなところは他商品とほとんど変わりません (若干バスト大きいかな?程度)。また、裾の広がったスカートを着用していますが、その下はペチパンツになっていて、安心して陳列できるよう配慮されています。

ディテール : 脚まわりと台座

脚部は元絵どおりのデザインで、特筆すべき箇所はないかなあ。デザイン的に面白いのは絶対領域の折り返し。ここだけみるとニーハイブーツっぽいのですが、左右非対称のストライプ×ダイヤモンド柄はいかにもニーハイソックスという感じですし、足元はパンプスを履いているのでニーハイブーツではありえない。フリルの装飾とかならわかるんですけどね。この折り返しはなんなんでしょう?💧

足元のパンプスは、つま先にテーマカラーであるターコイズブルーの球体状の飾りがあるほか、ゴールドの装飾が施されています。靴底はそのまま黒やゴールドで塗ってしまっても問題ないはずの箇所ですが、ピンク塗装になっているなど地味なポイントも拘ってつくられていますね。

台座は紺色の透明プラスチック製。元絵の背景をイメージした星などの模様が入っていますが、そこまで凝ったものではないですね。フィギュア本体とはうまく噛み合った色使いとなっています。

台座とは別ですが、プリズムのような立方体のパーツが2つ付属。これも元絵の背景に描かれているものですね。見る角度によって色合いが変わる仕組みになっています。

まとめと感想

ということで「F:NEX」より『初音ミク マジカルミライ 2019 Ver.』のご紹介でした。
2020年発売で定価17,000円ちょっとと、決して高価格帯のフィギュアではないのですが、元絵のデザインを忠実になぞりつつ、手堅くつくってある商品だと思います。髪飾りの塗装だけはチープさが気になりましたが、遠目でみて気付くようなものではありませんし、クリアパーツによる髪の毛の表現やフィギュア全体のボリューム感は間違いなくお値段以上のクオリティでしょう。

F:NEX公式サイト経由の完全受注生産品であり、流通量が少ないからだと思いますが、程度の良い個体はホビーショップで35,000円など強気のプレミア価格をつけて売られていることも。

フィギュアのレア度をどう評価するかは人それぞれだと思いますが、それを抜きにすればコンディションの良い中古品で25,000円から30,000円くらいが2024年時点での妥当な値段というのが私の意見。ここを超えると段々と高価格帯に近づいてきますが、完全受注生産のレアな一品という以外、このフィギュアに高価格帯フィギュアと戦えるほどの魅力はないと思います。

個人的には、他の初音ミクフィギュアと異なる幼めのプロポーションがどうにも違和感あって、そこまで好きになれないんですよね。プロポーションを別にすればフィギュアとしてのクオリティは必要十分以上だし、あまり見かけない珍しい商品ということで所有欲を満たされるという面もある。特に、こうして写真を撮っていると、なんだかんだ結構いいフィギュアだなあと感じさせられるんですよね。

手放すのかと言われるとその決断もし難いのですが、限られた陳列スペースを割くほどの愛着を感じないのも事実。そのうちフィギュアの保管スペースがなくなったら、押し出されるかたちで手放すことになりそうな一体です😓

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