こんにちは.steamc1awです.
以前記事にした瑞牆山への登山後,近場のキャンプ場にて一泊して金峰山に登る予定だったのですが相方は筋肉痛,ぼくは前日からの寝不足で早朝からガツガツ登山という気分になれなかったため予定変更して昇仙峡の羅漢寺山・白砂山をハイキングすることに.
ロープウェイで山頂近くまで登ることのできる山ということで難易度的には東京の高尾山や千葉の鋸山と似たようなレベルとなるのですが,花崗岩の岩場・砂場が広がる山頂や富士山・南アルプスの展望など「しょせん1,000メートル級では…」などとは侮りがたい満足度を誇る山です.それではどうぞ.
山名 | 羅漢寺山・白砂山 |
山域 | 奥秩父 |
標高 | 1,058m ・ 986m |
登山日 | 2021年5月4日 |
天候 | 晴れ☀ |
備考 | 山梨百名山 |
羅漢寺山・白砂山について
弥三郎岳は、山梨県甲府市にある、奥秩父山地の南(西)部に位置する山。標高は1,058m。弥三郎岳・展望台・パノラマ台を総称して羅漢寺山と呼び、国土地理院発行地形図では羅漢寺山で表記されており山梨百名山、甲府名山でも記載名は羅漢寺山である。
Wikipediaより
羅漢寺山・白砂山の登山コース
夫婦木神社コース:夫婦木神社からパノラマ台を経て羅漢寺山に至るコース.
獅子平コース:獅子平バス停から白砂山分岐,パノラマ台を経て羅漢寺山に至るコース.
長潭橋コース:昇仙峡口バス停から白砂山分岐,パノラマ台を経て羅漢寺山に至るコース.
…と複数のコースがありますが,一番手軽なのは昇仙峡ロープウェイの昇仙滝駅からパノラマ台までを繋いでいる登山道ですね.一部木橋が崩落しているせいか実線コースとしては記載されていませんが,崩落箇所はロープで囲ってあり危ないところも迷うところもありません.昇仙峡の主要エリアに下山できるので昇仙峡観光と絡めることもでき,特に公共交通機関利用の場合はオススメです.
この昇仙峡ロープウェイコースは以前昇仙峡観光にきたとき登ったことがあるので,キャンプ場から最寄りだった夫婦木神社コースを利用することにしました.
夫婦木神社へのアクセス
自家用車でのアクセス
登山口となる夫婦木神社までは中央自動車道の双葉スマートインターチェンジにて下車後,敷島竜王道・昇仙峡グリーンラインを30分ほど走って到着.ただしこの日は北杜市のキャンプ場に宿泊していたので,そちらから20分ほど走っての到着です.
夫婦木神社には駐車場がありませんが,近隣の金櫻神社の駐車スペースが利用できます.トータルで15台ほど,比較的登山口に近いところで5-6台くらいのキャパシティかな.
公共交通機関でのアクセス
一部の登山地図などでは旧山梨観光交通バスの夫婦木神社バス停があることになっているのですが,2021年現在において当該路線は廃止されており利用不可.したがって夫婦木神社に公共交通機関でアクセスする場合,JR中央線甲府駅から山梨交通路線バスで昇仙峡滝上バス停まで行き,そこから30分ほど徒歩で昇仙峡グリーンラインを歩く羽目になります.
渓谷沿いを歩くことができるならまだしも,昇仙峡の景観が楽しめるのは昇仙峡滝上バス停の下流となっており上流の夫婦木神社側にはこれといった見どころがなく,個人的にはあまりオススメしません.大人しく昇仙峡ロープウェイ沿いのコースを登ったほうが良いでしょう.
なお昇仙峡滝上バス停への始バスは甲府駅を9時15分発,甲府駅への最終バスは昇仙峡滝上バス停を17時32分発(およそ1時間に1便ペース)となっています.また冬季は手前の昇仙峡口でバスが終着となってしまい,そこから徒歩でロープウェイ駅にアクセスするか,昇仙峡口バス停が登山口となっている長潭橋コースで登ることになりますので要注意.
羅漢寺山・白砂山登山の山行記録
夫婦木神社からパノラマ台
もともと当日は金峰山に登る予定で朝5時に起床したのですが,冒頭で書いたとおり前日の疲労が溜まっていたため二度寝してしまい,夫婦木神社に到着したのは11時過ぎ.この日は金桜神社にて伝統芸能である三番叟の公演があった影響で路上に車が溢れ出す賑わいとなっており,結構ぎりぎりで駐車スペースを確保し登山口へ向かいます.
地図を見たときは気付かなかったのですが,このコースは昇仙峡ロープウェイの山頂パノラマ台駅の関係車両乗入れルートとなっており,登りのほとんどは車道歩きです😭
こんな感じの車道を標高900メートル過ぎまで歩きます…
林業関係の作業場とパノラマ台しか行先がないので車の往来は一切なし
20分ほど登っていくと切出した木材が積まれている作業場があり,そこから先は未舗装路.林業関係者の邪魔にならないのであれば,ここに車を停めてもよかったのでは…などと思いながら先に進みます.
そこからはパノラマ台まで尾根筋.低標高なので両側とも樹林に囲まれており展望はありませんが,車両乗入れ可能な道路だけあってしっかり固められており,歩きやすい道です.足柄峠から金時山の登山道を思い浮かべてもらえればと.1時間も歩かないうちに昇仙峡ロープウェイ沿いに登ってくる登山道と合流し,間もなくパノラマ台に到着です.
緑に囲まれた快適な平坦路をてくてく歩いていく
カラスアゲハがいました
パノラマ台の手前で仙娥滝駅からの登山道と合流
昇仙峡ロープウェイ.駅が樹木に囲まれておりいい撮影スポットは見当たらず
パノラマ台は高尾山や鋸山などと同様に観光地化されており,登山客よりも一般の観光客が圧倒的に多いくらいの人口比.ハイカー側の人間としては縁結びの鐘やら受験の験担ぎの岩やら,ちょっとやりすぎなのでは?という感じがしないでもありません💧
縁結びスポットなどがあり観光地化されています
有名観光地だけあって,なかなかの賑わい
それよりも幾つかの展望スポットがあり,南アルプスの山々や富士山を望むことができるのがハイカー的には重要なポイント.この日は登山開始が遅かったので富士山展望台からの富士山がすっかり霞んでしまっていたので,参考までに以前登山した際の写真を掲載してみました.
「うぐいす谷」からの展望.韮崎市を挟んで南アルプスを望むことができます
いつか登ってみたいですね~
以前登山した際に撮影した富士山.ほどよい距離感でけっこう好きです
パノラマ台から白砂山
パノラマ台にはまた何度も戻ってくるので,一通り写真を撮り終えたところで白砂山へ.白砂山へは獅子平および長潭橋方面へ少し降りたあとに登り返してアクセスします.
これといってなんの変哲もない登山道ですが緑がきれいですね
前日の瑞牆山では凍えかけましたが,こちらは暑いくらいの陽気
パノラマ台を経って30分もしないうちに白砂山に到着.羅漢寺山の一部として観光スポットになっている弥三郎岳と異なり,こちらでは5組ほどのハイカーとすれ違ったのみ.パノラマ台までの道のりと同様に落ち着いたハイキングを楽しむことができます.
その白砂山ですが,名は体を表すということで砂浜のような岩と砂で覆われているのが特徴.日向山のミニチュア版みたいな感じですね.1時間強のハイキングでこの景観を楽しむことができるというのは貴重な存在だと思います.
砂浜のような独特の景観を有する山頂
松の木もいいアクセントになっていて良いです
ここからは主に北側の展望が開けており,これから登る弥三郎岳をよく眺めることができます.こちらはこちらでなかなかインパクトのある山容ですね.
こちらが弥三郎岳.不思議な模様の岩肌が独特の存在感を醸し出しています
よく目をこらすと登山客がいるのが見えますね.わかるかな?
弥三郎岳をバックに恒例のねんどろいど撮影会
ひととおり山頂を楽しんだのち,弥三郎岳に登るため再びパノラマ台へ向かいます.ここまで大した登山は一切していないのですが,前日の瑞牆山登山が堪えているのか,パノラマ台への登り返しが結構きつかったのはここだけの秘密です…💧
白砂山をあとにして再びパノラマ台へ
パノラマ台で休憩…とロープウェイ駅からの景観
昨日からの疲労と暑さでひいこら言いながらパノラマ台に戻ってきたところで大休止することに.売店にてサイダーとソーセージを注文です.山頂が観光地化されているのは風情という点でイマイチなのですが,こういうメリットがあるのは嬉しいですね.
この売店はロープウェイ駅の建物内にあるのですが,窓越しに駅北側を望むことができるようになっています.おそらく羅漢寺山エリアで北側の展望が開けているのはここくらいではないかと.
五丈岩が一際存在感を放っている金峰山から大弛峠.
稜線の造形は前日みた瑞牆山からの眺めのほうがよかったかな
特徴的な岩壁を有するこちらの山は黒富士
先ほどは富士山しかちゃんと見ませんでしたが,駅前の展望台からは先日登った毛無山も望むことができました.ただやはり霞がひどい.この写真もAdobe Lightroomで霞除去を結構きつめにかけているのですが,ぜんぜん除去しきれないです😟
最奥の稜線が毛無山を含む天子山地
先ほど登頂した白砂山も望むことができる
パノラマ台から弥三郎岳
しばらくのんびり休憩したところで弥三郎岳へ出発.ここからの道は観光スポットの一部となっていない白砂山と比べると観光客が多く,なかなかの賑わいです.まずは標識に従い展望台へ.パノラマ台のうぐいす谷と同様に韮崎市,南アルプス方面の展望が開けているスポットです.
観光地にありがちな謎標識.
よりによってこんな目立つところに立てなくても…
展望台までで引き返す人も結構いるみたいですね
展望台を過ぎて数分ほど歩いたところで弥三郎岳への登りが始まります.観光客向けに木板などでしっかり整備されていますが,山頂は岩場ですので高尾山などのようにヒールで登るのは流石に厳しいのではないでしょうか💧
しっかり木板で整備された道を登っていく
山頂に近づくと岩場が姿をあらわします
カジュアルな服装の観光客もちらほら…というかそちらが多数派
砂浜のような景観だった白砂山とは異なり,弥三郎岳はもう少しゴツゴツとした姿.山頂にたどり着くには鎖場を通過しなければならないなど意外にも険しい山容となっています.山頂まで行かなくても展望は楽しめるので,さすがにここは敬遠して引返す人も多く見かけました.
こんな岩場もあり,観光地としては結構ハード😂
ニホントカゲがいました.久しぶりに見たきがします
山頂はでっかい岩のてっぺんにあります
山頂付近からの展望はパノラマ台や白砂山とあまり変わらず.富士山に白砂山,あと甲府盆地から韮崎市にかけての市街地がよく見渡せます.強いていうなら荒川ダムがよく見えること,あとパノラマ台からは金峰山の稜線に隠れて見えなかった瑞牆山が見えることが大きな変化.
荒川ダム.上流に向かっていくとクリスタルラインを経て瑞牆山荘方面へ到着します
瑞牆山の特徴的な山容は遠くからでも目立ちます
松と富士山.手前の枝葉がボケてしまっているのはミスですね…
白砂山と甲府盆地の町並み
再びパノラマ台を経て下山
ここからは三度目のパノラマ台を経て下山.せっかくなので昇仙峡滝付近を観光して帰りたかったのですが,登山開始時間が遅かったせいでパノラマ台を出発した時点で16時近くと結構ぎりぎりの時間.ペースをあげて40分程で登山口に到着しました.
岩場を下ってパノラマ台へ
もう5月とはいえ16時近くで日が落ちはじめてきました
下山後は早く仙娥滝に向かいたかったのでちゃんと写真を撮っておらず…スミマセン🙇
おまけ:昇仙峡散策
昇仙峡は渓谷になっているので日が落ちるのが早く,日の入りに間に合うか心配だったのですが,なんとか日が出ているうちに仙娥滝の市営駐車場に到着.ワイン王国でお土産のワインを買ったのち,渓谷を散策することができました.
川沿いに数十メートルそそり立つ岩壁の大スケールが楽しめる
昇仙峡の渓谷は花崗岩を川が侵食することによって形成されたもの.豊かな流量を誇る荒川沿いに,弥三郎岳でも見かけたような花崗岩の岩壁がそそり立つ…という自然の偉大さを感じさせる景観が広がっています.このへんは紅葉で有名なので,秋頃にくるとまたいい写真が撮れるのでしょうね.
水の流れも荒々しく,迫力がありますね
ナイフのようにギザギザした岩肌が特徴的
奥に見える石塔が名所「円覚峰」
この風景を松島に見立てて夢の松島と名付けているそうで
最後は仙娥滝を撮影して行程終了.手すりがあるので三脚を持っていなくてもスローシャッターを切ることができます.この日は肝心のNDフィルターを忘れてきてしまったものの,怪我の功名というか,日が落ちかけた時間帯だったためフィルターなしでも十分なシャッタースピードを確保することができました.
今回は下の渓流も入るように広めの画角で撮影してみました
「そば処 響」にて夕食
帰りは双葉スマートインターチェンジ付近にある「そば処 響」にて食事.セットメニューの天丼がすごく美味しかったので,山行などで近くに寄った際は試してみて頂ければなと.
せいろそば+ミニ穴子天丼で1500円ほど也
相方はミニ海老天丼セットを頼んでいましたがそちらも美味しかったです
夫婦木神社から登る羅漢寺山・白砂山の感想
ということで羅漢寺山・白砂山の山行記いかがでしたでしょうか.
冒頭で書いたように「標高1,000mない山でしょ?」と侮ってしまいがちですが,手軽に登ることができるわりに個性的な山容かつ展望にも優れた山.登山というには物足りないですが,観光ついでのハイキングだと思えば高い満足度を得られるのではないでしょうか.
夫婦木神社からの登山コースは公共交通機関によるアクセスの悪さ,そして登坂区間がほぼ舗装道というデメリットがある反面,のんびりとした林道歩きを楽しむことができる点が魅力.がっつり登るよりも森林浴をしたいというニーズには十分に応えてくれるでしょう.最悪ロープウェイを利用してエスケープできるので,登山初心者や子連れハイカーの方には特にオススメの山だと思います.
山行当日の装備
前日の瑞牆山と同じ装備.標高1,500m+のあちらでは当初リタイアするんじゃないかという寒さでしたが,この羅漢寺山・白砂山では登山開始が遅かったこともあり,アウターをすべて脱いでいても汗ばむくらいの暖かさ.ですのでベースレイヤーは3シーズン向けのメリノスピンライトよりももう少し薄手の素材のものが良かったですね.
登山道具 | finetrack スキンメッシュ finetrack メリノスピンライト finetrack ドラウトクロー finetrack フロウラップフーディ Salomon ショートパンツ ワコール CW-Xスポーツタイツ Salomon X ULTRA MID GTX Millet MATRIX 30 MBS |
撮影機材 | SONY a7ii OLYMPUS OM-D E-M1 Mark2 Zeiss Batis 2/40 CF LAOWA 10-18mm FE ZOOM M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm |
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