こんにちは.steamc1awです.
以前乾徳山に登ってから登山候補リストに入っていた瑞牆山に,春の大型連休を使って登ることができました.乾徳山と同じ登山難易度評価を受けているのでハードな鎖場を期待したものの,思ったほど難しい箇所はなくあっさり登頂できてしまいましたが,岩場歩きや山頂からのパノラマ展望が魅力的な山でした.
鎖場よりも予想外の凍結に準備できないまま登山してしまったので,凍結路の下りに苦心させられたのが反省点.それではどうぞ.
山名 | 瑞牆山 |
山域 | 奥秩父 |
標高 | 2,230m |
登山日 | 2021年5月3日 |
天候 | 晴れのち曇り☁ |
備考 | 日本百名山 |
瑞牆山について
瑞牆山(みずがきやま)は山梨県北杜市(旧北巨摩郡須玉町)にある標高2,230mの山で、奥秩父の山域の主脈の一つ。旧須玉町域の最北部にあたる。日本百名山のひとつ。全山が黒雲母の花崗岩で形成される。南西部は風化や浸食の影響を受け、独特の岩峰が聳える景観を作っており、地元ではコブ岩と呼ばれる。
Wikipediaより
瑞牆山の登山コース
瑞牆山荘コース:瑞牆山荘から富士見平を経て瑞牆山に至るコース.
不動沢コース:みずがき山自然公園から不動滝を経て瑞牆山に至るコース.
この他にカンマンボロンという梵字が刻まれた岩壁を経由するパノラマコースというコースがあり,最短距離で瑞牆山に登ることができますが,現在は廃道.
この日は下山後にキャンプ場で一晩を過ごす予定だったため,手早く登ることのできるパノラマコースは魅力的でしたが,初っ端から破線ルートを使うのは如何なものかということで見送り.瑞牆山荘に駐車して瑞牆山荘コースで山頂まで登ったのち,不動沢コースを下ってみずがき山自然公園からは林道で瑞牆山荘に戻ってくるという周回ルートを設定しました.
瑞牆山荘へのアクセス
自家用車によるアクセス
登山口となる瑞牆山荘へは中央自動車道の須玉インターチェンジにて下車後,増富ラジウムライン,県道610号,クリスタルラインと40分ほど走って到着.
キャパシティは100台とのことですが,連休ということもあり6時過ぎでほぼ満車でしたので登山開始時間に注意.道中は離合困難な区間が一部ありますが,それ以外はしっかり整備された道ですのでスポーツカーでも安心してアクセス可能です.
公共交通機関によるアクセス
瑞牆山荘へは公共交通機関によるアクセスが可能.JR中央本線韮崎駅から山梨峡北交通の路線バス韮崎瑞牆線に1時間強ほど揺られて到着となります.始発便は韮崎駅を8時50分に出発して瑞牆山荘に10時到着,瑞牆山荘からの最終便は16時30分発です.瑞牆山荘から瑞牆山への往復標準コースタイムは休憩抜きで5時間ほどですので,コースタイムより気持ち早めに歩くことのできる健脚があれば日帰り可能ですね.
ただし韮崎瑞牆線は4月上旬から11月下旬までの登山シーズン以外は増富温泉郷で終着となってしまうため,雪山シーズンに登りたい場合は自家用車あるいはタクシーのみのアクセスとなります.
瑞牆山登山の山行記録
瑞牆山荘から富士見平へ
6時過ぎに瑞牆山荘に到着.連休ということで既に山に入っている宿泊客が多いせいもあるのでしょうが駐車場はほぼ満車.山荘から駐車場までの道路脇に車がびっしり駐車しており,仕方ないので我々も手頃な道路脇の空きスペースを見つけて駐車します.
すでに道路まで車が溢れ出ている状態
山頂は2,230メートルなので標高差700メートルほど
瑞牆山荘からは10分ほど林のなかの平坦路を歩いたのち登り区間へ.ここから富士見平までは千代ノ吹上を経て金峰山に向かうハイカーさんと同じコースを歩いてゆきます.
瑞牆山荘からの登山口.しばらくは平坦な道です
しばらく月2くらいで登山しており,そろそろ体力がついてきてもおかしくない気がするのですが,初っ端から結構疲労する登り.前々日に奥多摩サイクリングして,前日には大菩薩嶺でハイキングしてきた(晴れの予報だったのに稜線上はガスまみれ,終いには霰に降られて散々でした)せいということにしておきましょう💦
よく整備された登山道
空が見えてきて,もうすぐ最初の登り区間が終わります
富士見平の少し手前で瑞牆山を一望できる展望スポットがあります.本当はゆっくり写真を撮りたかったのですが,冷たい風が吹き付けてきており予想外に冷える.写真を数枚パシャパシャ撮ってそそくさと先を急ぎましたが,後から見直してみるとピンぼけになってました😭
ベンチを入れたこの構図しか使いものにならず💧
いい展望スポットではあります
展望スポットからさらに10分ほど登っていくと富士見平.ここでは富士見平小屋が営業しておりテント場がありますが,瑞牆山と金峰山双方への登山コースの起点となる便利な立地ということもあってか,とても賑わっていました.
右手奥にみえるのが富士見平小屋
幾十ものテントが並びます ビール🍻は魅力的だが寒くてそれどころではなく
富士見平という名のとおり富士山の展望もあるのですが,木々に遮られてしまっており絶景とはいえないというのが正直なところ.まだ葉が生い茂っていない時期でこれですから,夏になると展望はほぼ期待できなさそうです.
頭上にカメラを掲げてようやくこの構図
富士見平から大ヤスリ岩へ
富士見平から直進すると金峰山ですが,左折して瑞牆山に向かうコースへ.しばらくは木々の中をゆるゆると下っていきます.事前に幾つか登山レポートを読んだ限り積雪情報がなく油断していたのですが,結構がっつり凍結しておりチェーンスパイクを持参しなかったことを後悔.
陽が当たりにくい斜面ということもあり凍結しちゃってます
途中瑞牆山を一望できるスポットがあります
登山道はさらに標高を下げていき,天鳥川出合直前ではそこそこ急な凍結斜面に.ここでアイゼン・チェーンスパイクを持ってきていないハイカー集団が渋滞しており若干のタイムロス.
個人的にそこまで怖いとは感じませんでしたが…
天鳥川を渡渉したところにあるのは桃太郎岩.名前の由来は不明ならがも真っ二つに割れた迫力あふれる巨岩です.もうちょっと便利な場所にあれば「鬼滅の刃」の聖地になったかもしれません(さすがにサイズが違いすぎるか🤭).
枝で支えているのは何か効果があるのだろうか?🤔
桃太郎岩脇の木製階段を登ったところから登坂再開
桃太郎岩からは石礫やら倒木がゴロゴロして荒れた山肌を登っていきますが,人気コースとあって登山道はしっかり整備されており,ところどころにあるロープ区間を除けば難しいことはありません.
岩やら逃亡やらゴロゴロしている中を登っていく
正直ロープがなくても岩を掴めばガシガシ登っていける
こんなキレイな階段も.さすが人気山のメインルートです
登山道は桃太郎岩からしばらく南側の飯森山に隠れて陽があたりませんが,高度を稼いでいくと段々日差しがさすように.富士見平までの冷たい強風が嘘だったかのように穏やかで暖かく,快適な登りでした.
花崗岩かな.その中を登っていくあたりは昨年登った燕岳を思い出します
道中には瑞牆山の特徴である大岩が幾つも姿を現します
頂上に近付くにつれて道中には幾つもの大岩が姿を現し,登山道もガレ場・岩場というほどではありませんが大きな礫を乗り越えながら進んでいくような険しさを見せはじめます.一部区間では岩場に氷が張り付いているためペースダウンするハイカーさんが多く,すれ違いもあるため混雑しがちでした.
凍った岩のうえを注意深く歩いていく
岩の間をくぐり抜けというアトラクションもあり😄
大ヤスリ岩から山頂へ
天鳥川を渡渉してから1時間ほどでしょうか.姿をあらわす一際大きな奇岩は大ヤスリ岩.この日は見かけませんでしたがロッククライマーに人気のスポットだとのこと.ここまでくれば登坂区間はもうすぐ終わりです.
ここらでBatisからLaowa超広角レンズに付替.迫力ある奇岩です
大ヤスリ岩の基部付近からは南アルプスを望むことができる
大ヤスリ岩からの岩場もどきを登りきると,しばらく平坦な区間に出ます.岩場ではそこまで気になりませんでしたがこの辺りはカッチカチに凍結しており,平坦でなければチェーンスパイクが欲しくなるほど.
ここで登りはほぼ終了となります
振り返ると富士山がよく見える
山頂への最後の登りまでは平坦区間
そして山頂に向けた最後への登りですが,ここで15人ほどの大渋滞が.下の写真をご覧頂ければわかるのですが,本来なら写真左手から鎖沿いに登ればよいだけのところ,左側の岩がツルッツルに凍っており通行困難なため1メートル半ほどの岩を正面から登らざるを得ないという状況.これに苦戦するハイカーさんが続出していました.
ここが渋滞箇所.左から巻けないので正面から突破せざるをえません.
僕は身長180センチのおかげで楽勝ですが,身長ないと結構きついだろうなあと
しっかり腕で鎖を引っ張ってあげないと登れません
ここさえ登ってしまえばあとは凍結した岩場に注意しつつハシゴを登って山頂です.ただしこのハシゴ場も凍結のため下り方向では6-7人ほどの渋滞箇所になってしまっていました😓
足の置場となる画面右手の岩肌が凍結しているため,ここも注意が必要でした
そんなこんなでだいぶタイムロスしたものの,無事に山頂へ.山頂はそれなりの広さがありますが岩場となっており,混雑もあってあまりのんびりはできない雰囲気.一方で北側こそ木々に遮られているものの,それ以外の全方角に展望あり.金峰山,富士山から八ヶ岳までの大パノラマを楽しむことができます.
富士見平から金峰山へ続く稜線
どの方角で撮影したのか記憶が曖昧ですが,たぶん赤岳・横岳
記念撮影するハイカーさん
皆さん思い思いに大展望を楽しんでいました
不動沢コースでみずがき山自然公園へ下山
山頂ということで日差しをたっぷり浴びることができ,富士見平までの道のりほど寒くはありませんが風が強いのと混雑しているのとで,食事は後回しにして下山することに決定.まずはハシゴと鎖場を下っていきますが,ここで登りと同様に渋滞が発生しておりタイムロス.
ハシゴの下り待ち.すれ違いできないので滞留しがち
不動の滝が気になったので帰路は不動沢コースを選択しましたが,これが間違い.瑞牆山の北側斜面を降りていくので結構な距離が凍結路と化してしまっていました.凍結した沢がスケートリンク状になってしまっているところを降りるような区間もあり,身の危険を感るほどではありませんが一気にペースダウン.
カチカチに凍った斜面を慎重に下っていく
瑞牆山荘コースとの分岐から30分ほどでしょうか.ようやく凍結区間を抜けました
不動沢コースですが終始樹林帯のため展望に乏しく,少なくとも登りは瑞牆山荘コースのほうが面白味があるかなと感じました.とはいえロープが張ってある箇所や,大ヤスリ岩ほどの存在感はないものの奇岩を望むこともできます.思ったよりすれ違うハイカーの数も多かったですね.
2つの岩がピタリとくっついた「夫婦岩」
大岩の脇をロープを使って登っていく区間もあります
不動滝は水量のあまりない滑滝で,期待していたほどの迫力はありませんでした.とはいえ落差はそこそこあるほうじゃないかと思います.
ツルツルした岩肌は面白いがこの水量は期待はずれ
なお不動沢沿いに橋が崩落している箇所があり,下りだと少しコースがわかりづらいと感じたので要注意.崩落した橋を通りすぎてそのまま川の右岸に吸い込まれそうになるのですが,左岸のほうに渡渉するのが正解.対岸にテープが巻いてあるので気をつけて探しましょう.
崩落した橋.打寄せられた岩やら倒木やらでコースがわかりづらい
橋のすぐ下流で左岸に渡渉するのが正解
大ヤスリ岩など高標高帯では見かけなかったクライマーさんですが,この辺りでは幾つかのグループが岩壁に取りついていました.クライミングは幕山や三ツ峠で何回か見かけたことがありますが,この岩壁はまたレベルが違うように感じます.
あとは引続き樹林帯をゆるゆる下っていくと登山口へ.そこからは林道を歩いてみずがき山自然公園,そしてさらに林道を歩いて瑞牆山荘まで戻ります.
ところどころすれ違いもありますが,静寂な山歩き
みずがき山自然公園.テント場・駐車場ともにほぼ満車でした
瑞牆山荘への最後の登りが地味につらかった😂
瑞牆山荘から登る瑞牆山の感想
ということで瑞牆山の山行記いかがでしたでしょうか.
率直な感想をいうと(同じ難易度Cグレーディングの)乾徳山の鳳岩で期待値が上がりすぎており肩透かしだったのですが,それでも大ヤスリ岩手前あたりからの岩場は楽しくグイグイ登ることができましたし,山頂からのパノラマ展望も見事な山じゃないかなと思います.
春ということもあり遠景が霞がちだったので,今度は空気の澄んでいる季節に再訪してみたいですね.この日は疲れすぎて実現できなかったのですが,みずがき山自然公園や富士見平小屋でテント泊して金峰山と両制覇なんていう計画も楽しそう.あとは実力がついたらパノラマコースもチャレンジしてみたいところです.
春の大型連休中ということもあって少し賑わいすぎてたかなという気もしましたが,それだけの魅力を持った山.冒頭に書いたとおりペース次第では日帰りでも挑戦できる山なので,是非とも登って頂きたいなと思います.
山行当日の装備
山行記録で書いたように,5月とは思えない冷えこみ.ミレーティフォンパンツに履き替えるのが面倒でショートパンツのまま出撃してしまったのですが,これはチェーンスパイク忘れの次に反省すべきポイント.思ったより山頂は寒くなくショートパンツでも結果オーライだったのですが,一時はリタイアも覚悟するほど寒かったです❄️
登山道具 | finetrack スキンメッシュ finetrack メリノスピンライト finetrack ドラウトクロー finetrack フロウラップフーディ Salomon ショートパンツ ワコール CW-Xスポーツタイツ Salomon X ULTRA MID GTX Millet MATRIX 30 MBS |
撮影機材 | SONY a7ii OLYMPUS OM-D E-M1 Mark2 Zeiss Batis 2/40 CF LAOWA 10-18mm FE ZOOM M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm |
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