フィギュア紹介: 『ドールズフロントライン』PA-15 高校胸キュン物語

ファット・カンパニーより発売の1/7スケールフィギュア『ドールズフロントライン PA-15 高校胸キュン物語』の写真をお届けします。

ドールズフロントライン PA-15 高校胸キュン物語
総合評価
( 4 )
メリット
  • 制服、特にスクールセーターの質感がリアル
  • 背伸びしたポーズと、すらっとした脚部をしっかり再現
  • 18,000円という手ごろな価格を考えると塗装などは手堅い仕上がり
デメリット
  • いたずらっ子のような眼差しで、元イラストとは表情のニュアンスが異なる
  • 細かいパーツまで作りこまれておらず、造形は大雑把なところも

商品のサマリ

商品名PA-15 高校胸キュン物語
作品名ドールズフロントライン
発売時期2023年9月
メーカーファット・カンパニー
デザイン山药
原型製作Phat!
彩色緋色(scarlet)
サイズ全高 約280 mm
価格18,000円 (税抜)

大人気スマホゲーム『ドールズフロントライン』からハンドガンの人形「PA-15」を1/7スケールフィギュア化。スキンテーマ・スーパーケモミミ学院に登場したJKをイメージした制服姿をモチーフに立体化しました。全身を見せつけるように大きく伸びをしたポーズや挑発的な笑顔、カバンに付けられた多くのアクセサリーなど推せるポイント満載でお送りします!また、オプションの右手パーツを使用することで銃を持たせた状態にすることも可能です。お好みの姿でお楽しみください!

グッドスマイルカンパニー商品紹介ページより引用

キャラクターと原作について

原作は中華スマホゲーム『ドールズフロントライン』 (通称ドルフロ) ですね。銃器を擬人化した美少女キャラクターを率いて戦うというストラテジーゲームで、全世界ダウンロード数は1,700万以上。今までに多くのキャラクターがフィギュア化されている人気作品です。

今回ご紹介する『PA-15』はフランスのバイヨンヌ造兵廠 (Manufacture d’Armes de Bayonne, MAB) が1966年に発売したオートマチック・ピストル。当時フランス軍の制式拳銃だった「MAS 50」の座を狙って開発された拳銃ですが、MAS 50を置き換えるほどのスペックがなくフランス軍には採用されず。この失敗もあってMABは経営不振に陥り、ベルギーの銃器メーカーFNハースタルの軍門に下ったのち1982年に倒産しています。

フランス空軍と憲兵隊で限定的に採用されたほか、旧フランス植民地のアフリカ諸国に輸出されていますが、正直なところドマイナーな銃器です。バイヨンヌ造兵廠の拳銃は1933年に発売され、フランス警察で広く採用された「MAB Model D」が有名ですが、ドルフロの設定上、軍用拳銃じゃないとダメだったのかな🤔

フィギュア化には非常に恵まれているキャラクターで、2025年11月時点では本商品「高校胸キュン物語」を含めて8バージョンもの商品が出ています。ゲーム内の着せ替え衣装6種類を全て網羅したうえで、オリジナルイラストをもとにしたフィギュア商品まで出ているというドルフロの中ではぶっちぎりクラスの優遇っぷりですが、なぜか通常衣装だけ立体化されていないんですよね。不思議。

本記事に掲載している画像は、クリック・タップすると高解像度 (2,560ピクセル) の画像ファイルが表示されるようになっています。1画像ファイルあたり500キロバイト前後のデータ通信が発生するため、高解像度の画像を表示する際にはWiFi接続をおススメしています。

目次

フィギュア全体像とプロポーション

それではフィギュア全体像から参りましょう。
元絵どおり、背伸びしたポージングを忠実に立体化。拳銃は手に持たせることもできますし、太もものホルスターに格納することもできます。これは銃パーツの持ち替えではなく、手首から先のパーツ全体を交換するという仕組みになっているため、写真のように手に持たせつつホルスターにも銃を格納することが可能です。ただしPA-15は二丁拳銃キャラクターではありませんので勘違いなきよう😅

ポージングの再現度もそうですが、彩色見本からの変化がないところが嬉しい。強いていうなら、髪色は彩色見本より水色が強くなっているようにも感じますが、撮影時の色被りや現像時の設定でどうとでも転びそうな差です。ファット・カンパニーは比較的シンプルな造形のフィギュアを手掛けており派手さはありませんが、手堅いメーカーという印象がありますね。

ディテール : 顔まわり

お顔ですが「挑発的な笑顔」と商品説明にあるとおりニヤリとした笑顔が特徴的。ただ、元絵とはどこかニュアンスが異なる表情になっています。元絵は見下してくるような鋭く威圧感のある眼差しですが、本商品はいたずらっ子のような笑みといえばよいでしょうか。少し柔らかい表情。個人的には元絵の表情が好みなので、ここの再現度の甘さはちょっと残念。

マクロ撮影してみると、アイプリは元絵に忠実なデザイン。瞳の中心のハートマーク、下部の白いハイライト、左右の横線形のハイライトと、オリジナルの要素はすべて踏襲しています。ただ、元絵に比べると、水平アングルで違和感がないよう視線が微調整されていますね。また、ニヤリとした口角がはっきり描かれているのも違和感の原因かもしれません。

肌色は白味の強い美白塗装。2023年発売のフィギュアとしては若干ザラっとした仕上がり。いわゆる「すべ肌」な質感ではなく、このあたりはお値段なりといったところか。ただし、製品版で省略されがちなチークのハイライトがしっかり入っているのは良いですね。

髪の毛は「スーパーケモミミ学院」衣装のモチーフのとおり、ケモノをイメージしたようなふさふさ具合ですが、これはキャラクター本来の髪型。非常にボリューム感あるヘアスタイルです。毛束は元イラストどおり大雑把ですが、流れに違和感はありません。毛先はクリアパーツによる仕上げ。

アクセサリーではありませんが、スーパーケモミミ学院ということでケモミミが付属。犬っぽいですが、なんの動物なのかまでは細かく設定されていないようです。その他、ヘアピンを着用。クリアパーツを彫り込んで塗装したもので、若干チープさが出ちゃっていますね。

ディテール : 衣装と胴まわり

胴部はシンプルな制服スタイル。見どころはスクールセーターの質感でしょうか。細かいところまでニット生地を再現しており、遠目からであれば本物のセーターのように見える完成度です。ポージングにあわせた皺の表現もリアリティあってよいですね。

そのセーターの下には長袖のシャツを着用していますが、これも腕周りの皺がしっかり造形されていて立体感が出ています。元イラストではそこまで細かくシャツの皺は描かれていなかったので、フィギュアオリジナルの表現。ただ、元イラストに比べるとかなり重い生地感になっていますね。元イラストをよくみると、お腹まわりはシャツ生地が透けていますが、フィギュアはどっしりした塗り。また、髪の毛の色にあわせているのだと思いますが、シャドウ部分の青みが強いのが少し気になるかな。

首元にはリボン結びにしたネクタイと、首輪をイメージしたと思わしきチョーカー。リボンがしっかりグラデーション塗装されているのが嬉しいほか、シャツの襟元も結構しっかり造形されていますね。バストは美少女系フィギュアとしてはかなり控えめ。その他、今風にデコった学生鞄を持っています。

ディテール : 脚まわりと台座

下半身のほうは、かなりミニ丈なスカートを着用。あまり目立ちませんがチェック柄になっており学生服っぽさを残している一方で、メタリックブルーの装飾が入っていたり、裏側は青色になっていたりと、攻めたデザインです。プリーツスカートなので裾のメタリックブルーは塗装が難しい箇所ですが、若干のにじみ、むらが見られるものの破綻はありません。

脚部は白のニーハイソックス。すらっとした美脚が背伸びしたポーズで際立っていますね。太ももやふくらはぎの曲線美、膝まわりの細かい凹凸などもしっかり造形されており、シンプルながらもよくできていると思います。スクールシャツと同様に、白ニーハイのシャドウも青で吹かれています。

太ももには全体像の項で触れたホルスターを着用。ホルスターのベルト部分が太ももに食い込んでおり、ややフェティッシュな造形。わざわざ付属品として紹介するほどではないので、ついでに紹介しておくと、PA-15拳銃の質感はややチープです。トリガーや撃鉄の形なんかはわりと忠実に再現しているんですけどね。例えば実物で滑り止めのために施されているシボ加工なんかは省略されています。

ミニ丈スカートなので下着は見せパンですね。白と水色のストライプ柄。そして、動物モチーフということでケモシッポがお尻から伸びています。元イラストではいかにもフサフサした毛並みだという描写ですが、さすがに再現しきれていません😅

注意:クリックすると下着画像が表示されます

足元は重厚な金属製のブーツです。他のスーパーケモミミ学院衣装のキャラクターがローファーやスニーカーなどを着用している中で、異色のデザイン。スカートと同様にメタリックブルーでアクセントが入っているほか、脛あての部分には「PA」の文字があしらわれています。

基本的にここも塗装は手堅い。ものすごく細かいですが、ブーツの内側までブルー塗装を入れていますね。外側と同じガンメタル色で塗られがちな個所ですが、塗り分けされているとポイント高いです。唯一、私の持っている個体はかかと部分のメタリックブルー塗装に若干のはみ出しがありますが、普通に飾っているぶんには全く見えない箇所だし、ガンメタル色のうえにメタリックブルーのはみ出しなのでそもそも目立ち辛く、目くじら立てるほどではないかな。

台座は青のクリアパーツ。衣装のカラーをイメージした青と白のカラーリングで、フィギュア全体の雰囲気によくマッチしています。アクセントとして、ドールズフロントラインの文字と、スーパーケモミミ学院を示す肉球のロゴが入っています。なお、重箱の隅ですが「Doll’s Frontline」は綴り誤りで「Dolls’ Frontline」(ドールズは複数形) が正しいはず。

まとめと感想

ということで、ファット・カンパニーより『PA-15 高校胸キュン物語』のご紹介でした。
なかななか手堅い出来ばえのフィギュアですね。ものすごく細かいところまで造形に拘っているとか、ポージングがものすごく躍動感あるとか、感動するような要素はありませんが、不満を感じる個所もほとんどありません。ファット・カンパニーはドルフロのフィギュアを何体も出しており、私も幾つか所持していますが、いずれもクオリティは満足しています。

強いていうなら、PA-15の造形が手抜き気味なのがイマイチかな。例えば2023年発売のドルフロ原作フィギュア商品『ST AR-15』や『416 MOD3 重症Ver.』などが凝った造形になっているのと比べると、銃器を細部まで再現しようという気概が感じられません。まあ、例に挙げたキャラクターに付属しているのは大柄なライフルですから、『PA-15』の拳銃と直接比較するのはちょっと意地が悪いかな。

価格も税抜きで18,000円となっており、隙のないクオリティを考えると良心的な価格設定だと思います。2025年時点での中古価格は、いわゆるAランク品がホビーショップで12,000円くらいとなっていて、お手頃感がさらに増していますね。

個人的な感想ですが、やはりドルフロのフィギュアは戦闘服のほうが好みですね。とはいえ、この他の『PA-15』のフィギュアは牛ビキニとかレオタードとかポールダンサーとか、よくわからんマニアックな趣味の衣装ばかり。PA-15のフィギュアでどれか1つおすすめするとしたら、本商品になると思います。冒頭でも書きましたが、さっさとノーマル衣装で立体化してほしいものです😅

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