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フィギュア紹介: 『パニシング:グレイレイヴン』ラミア・深謡

パニシング:グレイレイヴン・プロジェクトより1/7スケールフィギュア『パニシング:グレイレイヴン ラミア・深謡』の写真をお届けします。

商品名ラミア・深謡
作品名パニシング:グレイレイヴン
発売時期2024年9月
メーカーパニシング:グレイレイヴン・プロジェクト
デザイン不明
原型製作棣博子Kilig_Q
彩色小小小馬リュウ
サイズ全高 約310mm
価格8,800円 (税込)

「パニシング:グレイレイヴン」のフィギュア「ラミア・深謡」が登場!

細部の作り込みはもちろん、台座は質感にこだわって水色のクリアパーツで仕上げ、ラミアの特徴的な「水の制御能力」を忠実に再現しました。特徴的な背中の背びれ部分も水に漂っているような質感を表現し、更にラミア専用武器「メーティス」もゲーム内の3Dモデリングのデザインを具現化できるように工夫しました。星々に願いを込めた「ラミア・深謡」をぜひお迎えください!

公式商品紹介ページより引用

原作の『パニシング:グレイレイヴン』は中華系のスマートフォン3DアクションRPGゲーム。サービス開始当初ちょっと触った感じ、miHoYoの『崩壊3rd』クローンという印象でした。

開発元はKURO GAMES。スマホゲーマーの中では本作よりもオープンワールド系の3DアクションRPGゲームである『鳴潮』の開発元として知られているのではないかと思います。ちなみに、その鳴潮はmiHoYoの看板タイトル『原神』のクローン。

マーケティングが刺さらなかったのか、下敷きとなった『崩壊3rd』と比較していまいち人気が出なかった印象がありますが、フィギュア製品はそれなりに出ており、中華系の大手フィギュアメーカーであるAPEX TOYSのほか、グッドスマイルアーツ上海やフリューからも立体化されています。

今回とりあげるラミアというキャラクターは、本商品が唯一の立体化ですね。ブランドフィギュアメーカーではなく、パニシング:グレイレイヴン・プロジェクトによる発売となります。

パニシング:グレイレイヴン ラミア・深謡』の魅力とイマイチな箇所
  • 税込み8,800円で1/7スケール、武器パーツ付き、クリアパーツ台座
  • メタリック塗装吹付けやクリアパーツ使用により、どこか高級感の漂う仕上がり
  • 成形パーツそのままの無塗装箇所が多い、クリアパーツの質感など細かくみるとお値段なり
目次

フィギュア全体像とプロポーション

それでは全体像から参りましょう。
人間の姿で立体化されていますが、公式Youtubeのキャラクター紹介動画をみると必殺技を放つシーンで半魚人の姿になっており、マーメイドをモチーフにしたキャラクターのようです。8,800円という低価格帯フィギュアでありながら1/7スケールと思われる30センチのサイズ、大柄な武器に台座まで付属という豪華仕様。

すらっとした細身のボディに、8.5頭身くらいあるんじゃないかという極端に小顔なプロポーションが特徴。日本のアニメやゲーム系の作品では滅多に見られないスタイルですが、中華系メーカーのスタチューなんかでは散見されます。このへん国民性というか、デザインの好みが出ていて面白いところですね。

肌部分は白味の強い色調で、胴体はツヤっとした光沢感があることをみるに無塗装ぽい? フィギュアの肌部分でよくみられるピンクのハイライトも使われていないため、生気がなく無機質さを感じます。パニシング:グレイレイヴンのキャラクターは「構造体」という改造人間であるという設定ですが、意図的なものか予算によるものかは不明。

ディテール : 顔まわり

お顔ですが、どこか遠くを見つめるような、感情に乏しいながらも儚げな印象を受ける表情が特徴。キャラクター紹介動画のボイスを聞く限りでは気弱で引っ込み思案なキャラクターなのかなと思いましたが、プレイ動画などもみているとメンタル不安定な要素もある様子。

顔に対する目のサイズは小さめで、日本アニメとは異なるデザインの方向性。パニシング:グレイレイヴンの他フィギュア製品ではアニメちっくにデフォルメされたものもありますから、同ゲームのデザイン方針ではなく、造形師さんが意図的にこうしているのだと思われます。ただ、商品紹介ページに掲載されている彩色見本と思われる画像では瞳が大きくみえるので、製品版アイプリによる影響もあるかも。

そのアイプリ、スケールフィギュアで最近よくみられる光沢仕上げにはなっていませんが、よくみると目元やまつげ部分にメタリックパープルと思われる塗装が入っています。光の加減によって面白い表情をみせてくれる一方で、彩色見本と比べると艶妖な雰囲気が強く出ているのは好みが分かれるかも。

なお、ブログに掲載している写真は光量の多いブースにて撮影しているため、パープル部分が目立ってみえますが、通常照明下ではもう少し落ち着いた色味になります。

髪の毛パーツは、彩色見本と思われる画像では鮮やかなブルーのようにみえますが、製品版はくすんだ色味。一方で彩色見本では目立たなかったメタリックパープル塗装がグラデーションで吹かれており、なかなか複雑な質感となっています。後頭部の編み込み部分もしっかり表現されているし、頭部パーティングラインも横髪の流れにあわせてうまく隠されているなど、しっかりした仕上がり。

貝殻や魚のひれをモチーフにした髪飾りを着用。鈍い鉛色のようなくすんだ重厚感ある色味。ひれ部分にクリアパーツが使われていますが透明度が低いため、通常照明下において遠目からはクリアパーツっぽさを感じません。

ディテール : 衣装と胴まわり

胴部はいわゆるビキニアーマーと呼ばれるスタイルですね。露出の多いデザイン。元デザインをみると金属ではなく有機物のような素材になっており、なかなか再現が難しそうな質感。

仕方ないところもありますが、へそや腰まわりのパーツは厚みのせいか取ってつけた感があり、どこかチープさが漂う。元デザインでは聖痕のような模様にもみえるので、これはパーツ接着ではなく塗装で表現したほうがよかったのではないかな🤔

頭部と同じく、肌色を除けばくすんだ色味で地味な印象が強いですが、胸元にはクリアパーツがあしらわれていたり、腰や手の防具部分にはメタリックブルーの塗装が吹かれていたり、意外と芸が細かい。これは成形したパーツに、そのままメタリック塗装を吹いて仕上げているんじゃないかと思います。また、髪飾りもそうですがクリアパーツの質感はチープ。

二の腕から指先までを覆う防具は、クリアパーツを使用した複雑な造形。凝ったデザインで面白いのですが、先ほど書いたようにクリアパーツの質感がいまいちなのが玉に瑕です。

背中側は、大きく広がる髪の毛パーツに隠れてあまり見えません。見えづらいところもしっかり防具パーツはとりつけられていますね。

ディテール : 脚まわりと台座

ビキニアーマースタイルなので、脚部は比較的シンプル。全体像の箇所で書いたようにハイライトは殆ど入っていないフィギュアなのですが、唯一、膝まわりだけピンク色のハイライトが入っています。足には布のようにもみえる不思議な質感のブーツを着用。

腰からは薄布をイメージしたであろうクリアパーツが伸びています。これもメタリック塗装が吹かれているようで、通常光だと目立たないのですが光を当てると紫色に光るようになっていますね。ただ、色々と工夫したのですが写真ではうまく再現できず💧

台座はうねる水流をイメージしており、青のクリアパーツで成形。水の表現に大雑把さを感じないでもありませんが、8,800円のフィギュア商品でプラ台座ではなくクリアパーツの複雑な台座が付属するということ自体が驚き。なお、台座が本体に接続された状態でパッケージされています。

ディテール : 付属品

ゲーム内のキャラクター専用武器である「メーティス」なる槍が付属。マーメイドから海神ポセイドンの連想ゲームでしょうか、三叉槍 (トライデント) を意識したデザインとなっています。穂先と柄のパーツが分割されており、柄パーツを手に通したあと穂先パーツを接続するという構造。指パーツの隙間から武器をはめ込む構造は精神衛生上よろしくなく、個人的にはこちらのほうが好みです。

武器は全体的には胴体と同じ、くすんだグレーのパーツ。これも胴体と同じようにメタリックブルーの塗装が吹かれていて、メタリック塗装の下は成形された樹脂パーツそのままだと思います。

まとめと感想

ということで『パニシング:グレイレイヴン ラミア・深謡』のご紹介でした。
繰り返しになりますが、これが税込み8,800円というのは結構すごい。実質ノーブランド製品ということを割引いてもファンサービス価格か何かかと思わせられます。もちろん無塗装パーツにそのままメタリック塗装を吹いて仕上げていたり、クリアパーツは濁りがあって質感がイマイチだったり、細かいところをみればお値段なりの箇所があちらこちら見られるんですが、破綻箇所がないので商品としてしっかり成立している

例えば、定価20,000円でフル塗装されているけど塗り分けが甘いフィギュアなんかだと、お値段なりの期待値に引きずられて満足度が下がってしまうのが人情ってもんです。一方で、このフィギュアは確かにプラスチッキーでチープな雰囲気を纏ってはいるんですが「8,800円なのに1/7スケールで武器とクリアパーツ仕上げの台座もついてくるよ」という圧倒的な強みがある。

残念な箇所があるとすれば、髪色ですね。全体的に渋め重めでメリハリのない色調なので、彩色見本どおりの鮮やかなブルーで仕上げてあれば、ぱっと見のヒキが大きく違ったんじゃないかな。

この価格帯だとフリューの「TENITOL」シリーズなどが競合か。私はTENITOLの実物を所持していないのですが、商品紹介ページをみる限りここまで細かくパーツを造形していないと思うんですよね。そのあたりが評価されていることと、流通個体の少なさが組み合わさってか、2025年8月時点では、大手ホビーショップにて一般中古品に11,000円という価格がつけられています。

値段込みで魅力のある製品なので、値上がりした状態のものを購入するのはオススメしかねるんですが「手頃な値段で、細かい出来は気にしないから1/7スケールのフィギュアが欲しい」というニーズがあって、かつパニシング:グレイレイヴンという作品のマイナーさが気にならない人であれば手にとってみる価値のあるフィギュアです。

私はフィギュア収集が趣味の割に、これはオススメできる!というフィギュアがあまりないという面倒くせえ奴なのですが、この商品は納得感あるパッケージになっていると思います。ただ、フィギュア収集家の場合、最終的には予算よりも陳列・保管スペースが問題になってくるので、低価格帯フィギュアに敢えて手を出す必要はないかなとも思ったり…😓

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